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医療分野のビッグデータ活用が切り拓く未来は
医療分野でビッグデータ活用進む可能性 医療費削減の切り札に
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160918-00010000-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 9月18日(日)13時0分配信
厚生労働省は9月13日、2015年度の概算医療費が前年度から3.8%増加して41兆5000億円となったことを発表した。13年連続での過去最高額更新となり、高齢化の深刻化によって今後も更新していくと見られる。
2025年には団塊の世代が75歳を超え、国民の5人に1人が後期高齢者となる「2025年問題」も懸念されている。75歳以上になると医療や介護のニーズが急激に増加する。
国民一人当たりの医療費を見ても、75歳未満の年間21.1万円から75歳以上になると93.1万円まで一気に跳ね上がる。全年代の平均値である31.4万円に対して、およそ3倍の規模だ(2014年度厚生労働省概算医療費)。
また後期高齢者は、医療費の自己負担が1割となるために、75歳以上の人口急増は国の財政を直接圧迫する。国民皆保険制度を維持するには医療費増大に歯止めをかけなければならない。
今回発表された医療費のうち、最も高い伸び率を示したのが調剤費の7.9兆円で、前年比9.4%の増加となった。この対策としては、薬価改定や調剤薬局の報酬制度などが後押しする「ジェネリック医薬品の使用推進」策が挙げられる。ジェネリック医薬品の使用率は前年度比4.7ポイント上昇の63.1%(2015年度末時点)と順調に拡大している。
ただその一方で、製薬会社が高価な新薬を発売しているため、その効果は相殺される状況となっており、今回このような数字となったわけだ。製薬会社としては特許切れやジェネリック医薬品に追われながら市場シェアを獲得できる新薬の開発を必死に行っているのである。
調剤費増大に歯止めをかける策はジェネリック医薬品の使用促進だけではない。医療データの分析・活用も、医療費の圧縮を実現する重要なファクターとなりつつある。
現在、DPC(診断群分類包括評価)を用いた入院医療費の定額支払い制度が普及しつつあるが、このDPCが医療版のPOSとも言うべきビッグデータとして注目されているのだ。
すでに、2011年から原則義務化されたレセプト(診療報酬)電子化によって医療費などのデータは蓄積されているが、DPCは患者の性別、年齢、体重、疾患に、処置や手術、薬の処方、そして在院日数や費用まで紐づけされたデータとなっている。このデータを、在院日数の最適化、費用の最適化、薬の処方の最適化のベンチマークとして活用することが期待されているのだ。
例えば、民間企業で最大規模の診療データベースを保有するメディカルデータビジョン(東証マザーズ上場:3902)は、製薬企業、研究機関、医療機関に向けて診療データを分析し、ベンチマーク化したツールを提供している。
日本ではこれまで、死亡や疾患に関わる医療データの第3者活用に対する障壁が高かったが、来春にも施行される見通しの改正個人情報保護法では、誰の情報なのかを特定できなければ企業は断りなく自由に情報を活用することができるという。この動きは医療分野においても影響は大きく、医療データの幅広い活用が予想される。
将来的に医療データの活用は、医療・介護向けのAI(人工知能)の進化にも貢献し、医療ロボットの研究・開発にも大きな役割を果たすことになるだろう。
外来患者、入院患者の増加は、多忙な医師をさらなる激務に追い込むことになるが、米国IBM社のAI「ワトソン」が膨大な論文と遺伝子情報を読み取り、そこから白血病患者を助ける方法を見つけたように、人工知能やロボットが医師の替わりに病気を診断し、治療をする日がそう遠くない将来やってくるかもしれない。
改正個人情報保護法の施行はその大きなきっかけになるかもしれず、大変注目されるところだ。
文■小池麻千子(グローバルリンクアドバイザーズ):アナリストとして企業リサーチを担当。訪問企業は海外企業を中心に多数。企業訪問・分析で培ったファンダメンタル分析を用いたボトムアップリサーチによる銘柄選定を得意とする。
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