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飲み続けたら健康も味覚も奪われた「手術と薬」一覧〜身近にひそむ副作用のリスク ある日突然、人生が台無しに…(週刊現代)
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/275.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 28 日 09:52:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


飲み続けたら健康も味覚も奪われた「手術と薬」一覧〜身近にひそむ副作用のリスク ある日突然、人生が台無しに…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49384
016年08月27日(土) 週刊現代 :現代ビジネス


「何だか最近、醤油をたくさんかけるようになったね」こう言われて気付く人も多い。この薬さえ飲んでいれば、健康になれる—そう信じていたのに、ある日突然、人生の楽しみを奪われることがある。


■朝ごはんが強烈に苦い


「年をとると、寝つきが悪くなるでしょう。それで、睡眠導入剤を飲むようになったのですが、飲み始めて1週間くらいたって、食事のときに『違和感』を覚えるようになったんです。朝起きて味噌汁を飲むと、明らかに苦い。煮魚なんかを食べても強烈に苦くて、ゴムを食べているみたいな感覚なんです。食欲が落ちて、体重も減ってしまいました」


こう語るのは、都内に住む70代男性である。


あまり知られていないが、薬の副作用で、実は悩んでいる人が多いのが「味覚の異常」だ。


ほとんどの場合、「年のせいで、舌の感覚が鈍くなってきたのかな」などと思い、放っておいてしまう。しかし、添付文書に書かれた副作用の中に「味覚異常」や「味覚障害」の記載がある薬は、100種類を超えている。そして、そのほとんどが、痛み止めや胃薬、生活習慣病薬などを中心とするいたってポピュラーな薬なのである。


なぜ薬で味が分からなくなってしまうのか。


「味覚を感じるうえで重要な役割を果たしているのが、亜鉛です。薬の中には、化学構造上、血液の中に含まれている亜鉛をくっつけて、体の外に出してしまうものが少なくない。降圧剤のACE阻害薬が代表的です」(薬剤師で医薬情報研究所「エス・アイ・シー」取締役の堀美智子氏)


舌の上にある味を感じる細胞「味蕾」には亜鉛が多く含まれているため、亜鉛が不足すると働きが鈍くなる。前出のACE阻害薬にはコバシルやジェネリック薬のサワイなどがあるが、これらの添付文書には、いずれも副作用として「味覚異常」の項目が記されている。


その他にも、味が分からなくなる副作用がある薬は数多い。詳しくは左の表を参照してほしいが、代表的なものだけでもこれだけある。


○消炎鎮痛剤のボルタレン、ブルフェン、セレコックス、インドメタシン、ミリダシンなど
○偏頭痛薬のマクサルトなど
○抗鬱剤のトリプタノール、ジェイゾロフト、アモキサンなど
○抗パーキンソン病薬のエフピー、ペルマックス、ビ・シフロール、ドパストンなど
○降圧剤(利尿薬)のラシックスなど
○降圧剤(ARB)のアバプロ、オルメテック、ディオバン、ミカルディスなど
○降圧剤(カルシウム拮抗薬)のノルバスク、カルスロットなど
○高脂血症薬のリピトール、フルバスタチン、リバロなど
○高脂血症薬のリピディル、トライコアなど
○抗がん剤のユーエフティ、エキセメスタン、エンドキサン、フルタミド、フェマーラ、グリベック、タシグナ、ゼローダ、フルダラなど
○胃薬のネキシウム、ガスターなど
○糖尿病薬のアクトス、メトグルコなど
○インフルエンザ薬のリレンザなど


ほとんどが、痛み止めや生活習慣病薬として多くの人が服用している薬ばかりだ。


■金属の味がする


ひどい偏頭痛に悩まされていた30代の女性は、マクサルトを服用し始めたところ、確かに頭痛は消えたものの「何を食べてもほとんど味がしなくなった。恐ろしくなって飲むのをやめた」と話す。


味が分からなくなるということは、誰にとっても、日々の暮らしの中で食事が楽しめなくなるということだ。しかし、これらのお馴染みの薬が味覚障害を引き起こすメカニズムは完全には分かっていない。対策はあるのだろうか。


「亜鉛不足による味覚障害は、基本的には亜鉛を補給することで対処します。ゴマや牡蠣といった食品を食べたり、サプリメントで補うとよいですが、体内で亜鉛の濃度だけが高くなると、今度は鉄や銅の吸収が悪くなる。そうなると血中のヘモグロビンが不足して、貧血になってしまうこともあります」(前出・堀氏)


もうひとつ、薬が引き起こす味覚異常として多いのが、冒頭の男性が訴えた「苦味」だ。


「睡眠薬の中にはとても苦い薬があり、それが唾液中に分泌されると、食事のときにも苦味を感じるようになります。睡眠薬は夜寝る前に飲みますから、朝になると成分が唾液に溶け出してくる。起きた後、水を飲んで気が付く人が多いのです」(前出・堀氏)


これらの薬は、服用するときだけ苦味があるというわけではなく、しばらく時間がたち、体内で成分が代謝されると、口の中でじわじわと苦みを感じるようになる。こうした「苦い薬」としては、


○消炎鎮痛剤のロルカム、ミリダシンなど
○睡眠薬のロヒプノール、ユーロジン、レスタスなど
○抗鬱剤のアンプリット、ルジオミール、アメル、デプロメールなど
○降圧剤のコバシルなど
○抗不整脈薬のフレカイニド
○高脂血症薬(陰イオン交換樹脂)のコレバイン
○胃薬のネキシウム


などが挙げられる。


苦味のほかにも、緑内障の治療で用いられるダイアモックスとよばれる薬は、口の中がしびれたり、金属の味がしたり、さらには炭酸水の刺激が感じられなくなるなどの味覚障害をもたらすことが知られている。いずれも対処法はなく、耐えられない場合は他の薬に変えるか、飲むのを止めるしかないという。


さらに、意外と軽視できないのが、薬による「口の渇き」である。風邪薬を飲むと口やのどが渇くことが多いが、それと似た副作用をもつ薬は少なくない。具体的には、次のようなものだ。


○鎮痛鎮痙剤のブスコパン
○花粉症・鼻炎薬(抗ヒスタミン薬)のレスタミン、ポララミンなど
○抗精神病薬のジプレキサ、リスパダールなど
○降圧剤(ループ利尿薬)のラシックス
○降圧剤(サイアザイド系利尿薬)のベハイド、フルイトランなど
○高脂血症薬のリピトール


唾液の存在は、味を感じるうえできわめて大切である。なぜなら、食べ物は唾液と混ざり合うことで初めて、前述した味蕾の細胞に届くからだ。唾液が一日に1リットル以上分泌されているという驚くべき事実からも、「たかがツバだろう」と言って済ませられないことがよく分かる。


「高血圧の人に使われる利尿剤は、尿で体内の水分を排出するので、汗や唾液の出が悪くなって味が分からなくなってしまうことがあります。


唾液を出すための薬というのもありますが、どんどん薬を増やすのも考え物ですから、お勧めしたいのは唾液腺のマッサージです」(前出・堀氏)


ただでさえ、歳をとると唾液の分泌能力は低下してゆく。上の奥歯のあたりのほっぺたを揉んだり、あごの骨の内側の柔らかい部分を下から押したりすると、口の中がうるおい、味覚障害だけでなく歯周病や口臭の予防にもなる。


「食べ物を味わう」のは、ごく当たり前のことだが、失うとその大切さを痛感する。それだけに、ある日突然、何を食べても味気なくなったり、強烈な苦みを感じるようになると、人生の大きな楽しみを手放すことになる。食欲を失うだけでなく、気持ちのうえでも落ち込んでしまう。


薬には効果があるが、同時に必ず副作用がある。得られるものと失うものを比較して、飲み方を決めたほうがいい。



「週刊現代」2016年8月13日号より
 

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