http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/265.html
Tweet |
「手術をやりたがる」医者、「薬を飲ませたがる」医者とはこう戦いなさい 賢い「患者」になるための心得
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49312
2016年08月18日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
■患者を怒鳴りつける医者も
「その患者さんは、私のところに週刊現代を持って、『自分の飲んでいる薬の副作用について書かれているが、問題ないでしょうか』と相談に来ました。
別にかかりつけの医者がいるそうなのですが、自分から薬をやめたいと言い出しにくいから、記事の中でコメントをしている私のいる病院を訪れたそうです」
こう語るのはナビタスクリニックの医師、佐藤智彦氏。佐藤氏は問診をして、副作用のリスクと薬をやめることのリスクについて患者と話し合ったという。
一見、当たり前のことのようだが、こんな程度の対話すら拒否する医者がなかにはいるので、困りものだ。佐藤氏のところを訪れた患者と同じく、本誌の手術特集を病院に持参して医師に相談したという女性(67歳)が語る。
「外反母趾で悩んでいたのですが、記事を読んで自分のような症状であればまだまだ我慢できる。手術を避けて、温存的な療法にしてほしいと医者に相談しました。すると『このあいだは、手術をしたいと言ったじゃないか』と怒り出して、私の持って行った雑誌を叩きつけたのです」
これと似たような光景が、日本全国の病院でくり広げられている。本誌の元へも、「薬をやめたいと伝えたのに、医者に無視された。どうすればうまく伝えられるか」という患者の嘆きが数多く届いている。
一方で「週刊現代を読んだ患者が、勝手に薬をやめようとして困る」と不満を持つ医者もいるという。
■薬剤師を味方につける
医者のなかには完全に患者を見下し、「生半可な知識で意見するなんて生意気だ」という態度の人物もいる。そんな医者と対峙し、薬と病院の餌食にされないためには、どうすればいいのか。
茨城県の児玉医院副院長の児玉知之氏が語る。
「患者から『薬を減らしてほしい』と告げられた時、ちゃんとした医者ならいきなり怒ることはありません。頭ごなしに叱りつけるような医者は、薬云々以前に、コミュニケーション能力が低く、患者にきちんと向き合っていません。そういう医者に診てもらうのはやめたほうがいい。
ただ、患者から藪から棒に『別の薬に代えてほしい』と要求されては、医者としてもいい気はしない。医者は医者なりに患者のことを考えて処方をしているのです。
だから患者は患者なりの根拠をもって話したほうがいい。例えば高血圧の人が『ARBを処方されているけれども、効果が見られないので、カルシウム拮抗剤や利尿剤のような違うタイプの降圧剤に代えてほしい』というような要望であれば、医師も『きちんとした医療知識を持った患者さんだな』と思って、話を聞いてくれるようになる」
薬に関する情報はインターネット上などにも溢れているが、玉石混交なので、すべてを鵜呑みにしては混乱を招くだけ。まずは、薬の添付書に書かれている副作用をチェックして、思い当たる症状がないか確認することが重要だ。
「薬やめる科」を開設している松田医院院長の松田史彦氏が語る。
「医者も多忙なので、患者に副作用が起きていることに気が付かないこともあるのです。自分で副作用があると感じたら、はっきりと医者に伝えましょう。
面と向かっては、なかなか医者に意見しにくいという人は、例えば『薬を飲むだけでお腹がいっぱいになってしまいます。せめて何錠か減らせませんか』とやんわりと伝えてみる。本来、医者と患者は対等な立場にあるべきなんです。
それでもダメという場合は、代替療法や漢方なども扱っている病院に行ってみることです。そういう病院は薬をやめる、減らすサポートをしてくれる場合が多い」
頑固で偉そうな医者に自分から意見するのは気後れすると感じる人もいるだろう。だが、医者に相談せず勝手に薬をやめてしまうのは危ない。病状によっては命取りになる場合もある。
長尾クリニック院長の長尾和宏氏が語る。
「10種類の薬を飲んでいるのなら、その中で優先順位をつけて、まずは9番目と10番目の薬をやめてみる。今年の4月から減薬加算といって、薬を減らすことで医者が報われる制度も始まりましたし、協力してくれる病院も増えてきています。ただし、やめる優先順位はかかりつけ医とよく相談して決めることです」
ただ、現実には患者が死ぬ間際まで投薬するのが最高の医療だと勘違いしている医者もいる。そういう医者に立ち向かうには、薬剤師を味方につけるのも一つの手だ。
「薬剤師は調剤ができる資格に加えて、疑義照会といって医者の処方の間違いや処方の組み合わせの悪さなどを指摘し、医者に指導できます。そういうことができる薬剤師をかかりつけにして、アドバイスを求めると心強い」(前出の児玉氏)
結局、いかに医者と対等に向き合えるかが、無駄な医療の犠牲者にならずに済むかどうかのカギになる。
「がんの手術をするにしても、腹腔鏡がいいのか、開腹がいいのか、あるいは体へのダメージを考えて温存したほうがいいのか、複数の選択肢を示してくれないような医者は失格です。それぞれの治療法のメリットとリスクを開示したうえで、患者さんに選択してもらうのが筋。自分のやりたい手術を押し付けようとする医者には気を付けたほうがいい」(前出の佐藤氏)
■患者が医者を見極める
一方で、患者の側もできるだけ正確な情報を医者に伝えることが大切だ。
「既往歴や、いま飲んでいる薬、他にかかっている病院などについて、情報を少しずつ小出しにする患者さんがいますが、それはやめたほうがいい。情報がたくさんあるほど、医者は正確な診断を下せますし、治療方法もより安全なものを選べます。
そういう意味で、気が合わないからといって次から次へと医者を代えてゆく『ドクター・ショッピング』をしてしまうと、健全なコミュニケーションが生まれず、結局は患者自身がリスクを負うことになりかねない」(佐藤氏)
大きな病院でありがちなのは、病院内で権力を持っている科が率先して治療を行いたがるというパターンだ。例えば、整形外科が病院運営の母体になっているような病院だと、どうしても無駄な関節の手術などが行われがちになる。東京の民間病院の経営幹部が語る。
「都市部の病院は経営が火の車のところも多い。本来あってはならないことですが、経営上、点数の稼げる手術や治療を優先して、患者の身体は二の次になるような例も見受けられます。
本当は開腹で手術をした方がいいのに、症例を増やしたい、ちょうど空いている先生がいるから、といった理由で腹腔鏡の手術をすすめるなんてこともある。
そういう病院の内情まで見通すのはなかなか難しいと思いますが、本当に自分にとって手術が必要なのかどうか、他の病院でセカンドオピニオンを求めるべきです」
群馬大学病院で頻発した腹腔鏡手術による死亡例も、典型的な「病院側の事情」による事故だ。症例を増やしたいがために、技術力のない医者が難しい手術をくり返し、犠牲者を出していたのだ。
向こう見ずな医者は巷に溢れている。自分の身体と命を守るため、医者を見極める力を持ちたい。
「週刊現代」2016年8月6日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。