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夢のがん治療薬、重篤な副作用多発!死亡例や糖尿病で生涯注射が不可欠になる例も(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/222.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 26 日 01:12:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

夢のがん治療薬、重篤な副作用多発!死亡例や糖尿病で生涯注射が不可欠になる例も
http://biz-journal.jp/2016/07/post_16035.html
2016.07.26 文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士 Business Journal


 日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで命を落とします。日本人の死因トップであるがんの治療は、主に3大治療といわれる外科的手術、放射線治療、そして化学療法(抗がん剤治療)によって行われています。

 しかし、今、このがん治療が大きく変わる可能性が出てきたのです。日本の医療体系を覆してしまうかもしれない薬の名前は「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)です。

 がん細胞によって活動が制御されていた免疫細胞のブレーキを解除し、自分の免疫力を使ってがん細胞を攻撃する新たな免疫治療薬「免疫チェックポイント阻害薬」としてオプジーボが承認されたのです。

 オプジーボは、体重60kgの患者の場合で、1回の点滴治療に133万円かかり、投薬を1年間継続すると、その薬剤費は3500万円に上ります。

■深刻な副作用が続出

 今回は、このオプジーボの副作用について考察します。

 昨年12月、オプジーボは非小細胞肺がんへの適応が追加されました。このことを受け、日本肺癌学会は同年12月18日、オプジーボに対して医師や患者の期待が高まっていることに対し「夢の新薬ではない」として、副作用対策や患者への説明の徹底を医療従事者に呼びかける声明文を公開しました。

 声明文は、同学会員だけでなく「肺癌薬物療法にかかわる医療者」宛てに出され、その中ではオプジーボの免疫学的副作用として大腸炎や肺臓炎、ギランバレー症候群、重症筋無力症などの重症例、死亡例も発現していることを指摘しています。自己免疫疾患を有する患者では増悪リスクが高いとして注意を呼びかけています。

 対策として「投与直後から長期間にわたって注意深いモニタリングが必要」と対応を促しています。また、オプジーボについて、その副作用と対策を十分理解している医師が治療にあたり、「アレルギーあるいは膠原病内科、消化器内科、代謝・内分泌内科、神経内科などの専門医との協働が可能な施設、または地域連携により、これらの専門的支援が直ちに受けられるような施設においてオプジーボによる治療が行われることが必要と考えられる」としています。

 投与患者についても、オプジーボの有効性と安全性は「全身状態が比較的良好な患者において確立されたもの」であることを強調しています。死亡例が多い高齢患者に対しても「十分留意する必要がある」として慎重な対応を求めています。

 患者に対して副作用の説明の徹底も求めており、異常時には直ちに受診する教育も重要だとしています。

 同学会では「患者・家族向け文書」も作成しており、オプジーボは「すべての患者に有効な夢の新薬ではない」と強調しています。重篤な副作用が起き得ることや、リウマチなどの自己免疫疾患患者といった、同剤を使えない患者がいることにも理解を求めています。

 同学会は、医療者向け、患者向けの文書を公開した理由について、「分子標的治療薬イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)が高い期待の中で2002年に発売されたものの、直後に間質性肺炎が多発し、800人以上の患者が亡くなった教訓」と説明しています。日本肺癌学会のホームページには「現在では、肺がん治療には欠かすことができないゲフィチニブですが、その安全で効果的な使用が根付くまでに多くの犠牲がはらわれたことを肝に銘じておく必要があります」と記されています。

■糖尿病など予期していなかった副作用も

 14年7月に皮膚がんの一種「メラノーマ」の治療薬として承認されたオプジーボですが、厚生労働省によると、15年9月までに、オプジーボ使用後に6人が重症筋無力症や筋炎を発症し、うち80代の女性が死亡したと発表しています。6人とも薬との因果関係を否定できないということです。

 また今年1月、厚生労働省は、メラノーマの治療に使用後、1型糖尿病を発症したとの報告が7例あったと報告しています。死亡例は出ていませんが、1型糖尿病は急激に重症化し、適切な治療をしないと死亡するリスクもあるといわれています。また、発症後は原則的に生涯にわたってインスリン注射が必要となります。

 使用にあたっては、患者に副作用の説明を十分にして、オプジーボ使用中に急激な血糖値の上昇、口の渇き、体重減少などが出た場合は、糖尿病の専門医と連携して対応することを求めています。

 製造販売元の小野薬品工業によると、14年の承認以降、オプジーボを投与された推定患者数は今年4月末時点で5976人、2865人になんらかの副作用があり、そのうち763人が重篤例と報告しています。

 発売当初、オプジーボはがん細胞そのものを攻撃するのではなく、自己の免疫力を活性化するため、今までの抗がん剤と比べて副作用も極めて少ないとみられていました。

 ほかの抗がん剤と比較すれば、その副作用は少ないかもしれませんが、重症筋無力症や1型糖尿病など予期していなかった副作用も報告されています。使用されるケースが増えていけば、今後も予測不能な副作用も出現するかもしれません。

 そして何より、使用されるケースが増えればその薬剤費も莫大な額になります。7月19日付本連載記事『画期的な薬が続出で命が救われる一方、その高額医療費を健常者が負担、国民皆保険崩壊も』において指摘しましたが、国民皆保険制度を破壊しかねないほど医療費を高騰させかねません。このことが日本にとって致命的な副作用とならないことを祈っています。

(文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士)
 

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