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デング熱に感染 新潟の30代女性が死亡  抗生物質が効かない「多剤耐性菌」感染者 モルヒネ誤投与巨泉の意思?安楽死 
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/220.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 25 日 11:48:22: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

デング熱に感染 新潟の30代女性が死亡
7月22日 21時33分
デング熱に感染 新潟の30代女性が死亡
動画を再生する
フィリピンに滞在していた新潟県内の30代の女性が、帰国後に蚊が媒介するデング熱に感染していたことが分かり、21日、医療機関で死亡しました。
死亡したのは新潟県に住む30代の日本人の女性です。厚生労働省などによりますと、この女性は今月15日までおよそ2週間、フィリピンに滞在し、滞在中から頭痛や発熱の症状があったため、帰国後、新潟市内の医療機関に入院していました。
検査の結果、今月19日にデング熱に感染していることが確認され、21日、死亡したということです。女性は国内では蚊に刺されておらず、フィリピンで感染したとみられるということです。

ことしに入って、国内でデング熱への感染が確認された人は、今月10日までに173人で、死亡した例は平成17年に1人が確認されて以来です。

厚生労働省は「デング熱の流行地域から帰国後に発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してほしい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160722/k10010605321000.html

アメリカでも抗生物質が効かない「多剤耐性菌」の感染者! 伊勢志摩サミットでも対策が議題に
この記事のキーワード : 多剤耐性菌感染症抗生物質

e_coli.cdc.jpg
コリスチン耐性遺伝子を持つ多剤耐性菌MCR-1(CDC/Janice Haney Carr)
 5月26日、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、すべての抗生物質が効かない多剤耐性菌による初の感染例がペンシルベニア州で発覚したと発表した。

 発表によると、尿路感染症に罹った女性(49)は、通常の抗生物質を投与しても完治しなかったため、最後の手段として使う抗生物質コリスチンを投与したが、まったく効かなかったという。

 コリスチンは、大腸菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌への強い殺菌作用があることから、複数の抗生物質に耐性を持つ多剤耐性菌への「最後の切り札」となる抗生物質だ。

 その後、陸軍病院が遺伝子検査を行ったところ、MCR-1と呼ぶコリスチン耐性遺伝子を持つ多剤耐性菌を米国内で初めて検出。女性は過去5カ月に渡航歴はないが、感染経路は不明だ。

 2015年11月、中国で初めて出現したMCR-1は、欧州、アジア、アフリカのほか、多剤耐性菌のゲノムデータベースGenEpid-Jによれば、日本でも見つかっている。

 CDCのトム・フリーデン所長は「MCR-1は、抗生物質がまるで効かない悪夢の細菌だ。院内感染すれば、50%の患者が死亡する可能性がある。多剤耐性菌が頻出する前兆かもしれない」と警告を発している。

  CDCの推計によれば、多剤耐性菌による感染者は全米で年間約200万人、死亡者は全米で約2万3000人、世界で約70万人。2050年に世界で年間およそ1000万人が死亡すると予測。がん、糖尿病、交通事故などによる死者数を大幅に上回る恐れがある。

なぜ抗生物質に耐性を獲得した多剤耐性菌が出現しているのか?

 多剤耐性菌は、腸内細菌の大腸菌や肺炎桿菌、エンテロバクター、ヘリコバクター・ピロリ菌、緑膿菌やアシネトバクター、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や腸球菌など多種多様の菌種がある。

 たとえば、MCR-1のような多剤耐性菌は、抗生物質に抵抗しながら、遺伝子をコリスチン耐性遺伝子に変異させて生き残ろうとする。

 だが、多剤耐性菌は、通常の常在菌と比べれば稀な存在なので、健常者が多剤耐性菌に感染する可能性は少ない。ただ、多剤耐性菌を持った患者が抗生物質の投与を受け続けると、体内の常在菌が激減し、多剤耐性菌が激増する。

 しかも、免疫力が低下した高齢者や乳幼児などは、血管カテーテルや尿道カテーテルの挿入、人工呼吸器の使用などによって感染を起こしやすい状況にある。

 つまり、多剤耐性菌による感染は、細菌が繁殖しやすい条件が揃い、身体の抵抗力や免疫力が低下している場合に起こりやすい。したがって、患者の感染症を抑えるために、抗生物質の投与の頻度が高まれば高まるほど、多剤耐性菌の耐性がさらに強化される。

 その結果、抗生物質が効かない多剤耐性菌がますます蔓延し、院内感染のリスクが高まることにつながる。

 さらに、先進国では、がんなどの非感染症が死因の中心となったことから、製薬業界は、多剤耐性菌とのイタチごっこに終始する抗生物質は、利益が見込めないため、経営戦略上、抗生物質の開発を抑制せざるを得ない。多剤耐性菌の蔓延を煽っている一因だ。

 しかし、米国政府は、外来患者への抗生物質の使用を20年間で半減する行動計画を発表している。

 また、5月26〜27日に開催された主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は、多剤耐性菌の研究開発の促進、畜産業における抗生物質使用の段階的廃止、多剤耐性菌に関する国家行動計画の支援などを首脳宣言に盛り込んだ。

 多剤耐性菌の蔓延に国境はない。先進国がリーダーシップを発揮し、足並みを揃えながら、感染防止対策を講じなければならない。

 多剤耐性菌から身を守るために、私たちにもするべきことはないか? たとえば、風邪や下痢と診断された時は、むやみに抗生物質を服用しない。

 肺炎、赤痢、サルモネラなどの細菌性の感染症と診断された場合や、疑わしいと判断された場合に限り、医師のインフォームド・コンセントを確認したうえで、抗生物質の処方を受け入れるのが賢明だ。

 つまるところ、頻繁に抗生物質を多用すればするほど、重篤な疾患に罹り、抗生物質が必要になった時に効かなくなる恐れがある。

 地域コミュニティ全体で抗生物質の使用を最小限に抑え、抗生物質を適正に使えば使うほど、多剤耐性菌は減少するので、多剤耐性菌の感染リスクを最小化できるはずだ。
(文=編集部)
http://healthpress.jp/2016/06/post-2431.html


 


モルヒネ誤投与は大橋巨泉さんの意思?5月には安楽死に言及していた

2016/7/20 人物 
出典:毎日新聞

タレントの大橋巨泉さん(82歳)が今月12日に亡くなったと報道されました。

最期は呼吸不全ということですが、

もしかしたらこの死は大橋巨泉さんが望んだことかもしれない。

つまり、安楽死であるとする憶測が流れています。

豪快でバッサリした印象のある大橋巨泉さんです。

もしかしたら最期も豪快に…と思ったのかもしれませんね。

今回はこの件についてまとめてみました。
 


Contents [hide]
1 『週刊現代』のコラム「今週の遺言」終了
2 モルヒネの誤投与
3 「生きている意味が無い」
4 モルヒネは本当に誤投与の可能性
5 まとめ
『週刊現代』のコラム「今週の遺言」終了

大橋巨泉さんは以前に胃がんや肺がんなどの手術を受けていました。

今年2月に今度は左鼻腔内のがんが見つかると、

これには手術ではなく抗がん剤や放射線での治療をします。

その後は闘病をしながらの活動となりましたが、

4月には極端な体力の低下により緊急入院し

5月には集中治療室に入ります。

そして6月には930回続いていた『週刊現代』のコラムを

「いつまで生きられるかわからない」

として終了していました。

モルヒネの誤投与

モルヒネの誤投与があったとされるのは

在宅介護をしていた4月6日頃で4月11日に緊急入院となります。

「今週の遺言」コラムには

「なぜだか大量に渡された」

「たった5日で意識も薄れ、歩行もままならぬ身体になったのだから恐ろしいことだ」

と記されています。

これの大量投与が誤投与ということなのでしょう。

「生きている意味が無い」

この緊急入院後

「急激に良くなる事や、劇的に回復する事は無さそうだ」

「生きていても意味が無い」

と考えていたこともコラムには綴られています。

安楽死に触れた発言だったということですが、

看病をしていた弟さんからは

「今の日本の法律では安楽死は認められていない」

と真正面から返されてしまったそうです。

このやり取りも大橋巨泉さんの性格を分かったうえでの発言なんでしょうね。
モルヒネは本当に誤投与の可能性

流れを追っていくと

がん治療
在宅介護に切り替え
モルヒネの誤投与
体力の著しい低下
緊急入院
コラム「生きている意味が無い」

となります。

これを見るとモルヒネが投与される前には在宅介護に切り替えています。

たしかに、最期を在宅で過ごす場合はありますが、

コラムを続けていたことなどを考えると

体力や病状が回復しつつあったと見るのが自然です。

つまり、大橋巨泉さん自身がモルヒネの大量投与を求めるはずはなく、

モルヒネは本当に誤投与だったと考えられます。

悔しいですね。

まとめ

大橋巨泉さんが体力低下による呼吸不全で82歳でこの世を去る
体力低下の原因の一つはモルヒネの大量投与
5月に安楽死について言及していた
モルヒネの大量投与は大橋巨泉さんの意思かもしれないと憶測
しかし、時間の流れ的には安楽死を求めることはありえない
本当に誤投与と考えられる

モルヒネの誤投与であるとすれば極端に言えば医療ミスということですね。

手放しで賛同できるものではありませんが、

大橋巨泉さんの意思であれば少しは救いがあるように思いました。

残念です。

大橋巨泉さんのご冥福をお祈りいたします。

冥福といえば、寿々子さんは永六輔さんの件は伝えていないということです。

あちらの世界で偶然出会って…

その時の会話がなんとなく想像できますね。
http://atrandom.xyz/ohashikyosen/
 

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1. 2016年7月25日 11:49:20 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[545]
フィリピンに滞在歴、ウイルスは3型デング出血熱で30歳代女性が死亡
2016/7/23
三和護=編集委員
 厚生労働省は7月22日、デング出血熱による死亡例が確認されたと発表した。患者は新潟県在住の30歳代の女性で、フィリピンに滞在歴があり、滞在中に発熱などの症状があったことから、輸入感染例と判断されている。

 新潟県などによると、患者は6月29日から7月15日までフィリピンに滞在。滞在中に腹痛、発熱があり、帰国後の7月16日に、新潟市内の医療機関を受診した。発疹に加え嘔吐や下痢、下血などの症状があった。出血もあり、ショック状態も確認され入院となった。検査の結果、19日にデング熱が重症化して発症するデング出血熱と診断された。

 20日に自治体に届け出があり、新潟県地方衛生研究所で検査を行ったところ、デングウイルス3型陽性が確認された。患者は容体が重篤で、21日に死亡した。厚労省によると、死亡例は2005年以来、11年ぶりとなる。

 新潟県福祉保健部は、帰国後直ちに医療機関を受診していたことに加え、国内で蚊に刺されていないことから、「(国内での)感染拡大の可能性は低い」とコメントしている。
Next重症化サインは腹痛・腹部圧痛、持続的嘔吐、粘膜出血など

フィリピンに滞在歴、ウイルスは3型デング出血熱で30歳代女性が死亡
2016/7/23
三和護=編集委員
重症化サインは腹痛・腹部圧痛、持続的嘔吐、粘膜出血など
重症化サインは腹痛・腹部圧痛、持続的嘔吐、粘膜出血など

 国立感染症研究所が最近更新した「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)」によると、デング熱患者に見られる症状や検査所見の頻度は、発熱が99%と高率で、血小板減少や白血球減少もそれぞれ78%と高い(表1)。

 デング熱を疑う症状としては、発熱に加えて、発疹や悪心・嘔吐、頭痛・関節痛・筋肉痛、血小板減少、白血球減少、ターニケットテスト陽性、重症化サインの所見の2つ以上を認める場合とされている(表2)。

 デング熱を疑った場合は、重症化のサイン(表3)を見逃さないことが重要となる。重症型デング熱の診断基準は表4の通りだ。
表1 デング熱患者に見られる症状や検査所見の頻度
(出典:国立感染症研究所「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)」[2016])

表2 デング熱を疑う症状
(出典:国立感染症研究所(出典:国立感染症研究所「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)」[2016])

表3 重症化サイン
(出典:国立感染症研究所(出典:国立感染症研究所「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)」[2016])

表4 重症型デングの診断基準
(出典:国立感染症研究所「(出典:国立感染症研究所「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第3版)」[2016])

デング熱、2016年は176例、すべて輸入例

 蚊媒介感染症としては、ブラジルなど中南米で流行が拡大しているジカ熱に関心が集まっているが、2016年に国内で確認された感染例は7月17日までの累計で7例にとどまっている。

 一方、デング熱は176例と多く、昨年実績の292例の60%に達している(図1)。ちなみに、チクングニア熱は3例と少ない。なお、これらの感染例はすべて海外で感染した輸入感染例で、国内感染例は確認されていない。
図1 デング熱患者の届け出数の推移
(国立感染症研究所のデータを基に作成。2016年7月は17日までのデータ)

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/pandemic/topics/201607/547654_2.html 


 


 
トレンド◎耐性遺伝子が容易に水平伝播する懸念
コリスチン耐性菌について医療者が知っておくべきこと
2016/7/19 西村 尚子=サイエンスライター

 「全ての抗菌薬に抵抗性を示す多剤耐性菌のヒト感染例が米国内で初めて確認された」。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が5月26日に発表したこのステートメントに米国の医療関係者は震撼した。患者はペンシルベニア州在住の尿路感染症患者(49歳、女性)で、通常の抗菌薬で治らなかったため「最後の切り札」として使われるコリスチンを投与したが、コリスチンすら全く効かなかったという。さらに陸軍病院が検体の遺伝子検査を行ったところ、女性から分離された大腸菌がMCR-1という耐性遺伝子を持つことが判明し、世界各国の医療関係者に衝撃を与えた。

 衝撃を与えた理由は、耐性遺伝子であるMCR-1が細菌ゲノム上にあるのではなく、プラスミド上にあったからだ。

 プラスミドとは細菌のゲノムとは独立して存在する環状のDNAで、ゲノムとは別に複製される。つまり、プラスミドの遺伝子はプラスミドが複製されれば同時に増えていくことになる。さらに、プラスミドには異種の細菌間を容易に水平伝播するという特徴もある。ある細菌内に存在したプラスミドが何らかの拍子に細胞外に放出されると、全く違う細菌がそのプラスミドを取り込む。すると、プラスミド中の遺伝子がその細菌の中で機能を発揮してしまうのだ。

 CDCがこの10年で7倍に増えたとして警告を発しているカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)もこの仕組みでカルバペネム分解酵素遺伝子を獲得した。カルバペネム分解酵素であるカルバペネマーゼはペニシリンやセフェム系抗菌薬に対しても耐性を示す。その結果、全てのβラクタム系に対する耐性を示すことになった。

東邦大学微生物・感染症学講座の舘田一博教授は「プラスミド上にある耐性遺伝子は水平伝播による広がりが懸念される」と語る

 さらにCREの一部は、フルオロキノロン系、アミドグリコシド系などにも耐性を示すことから、「CREがMCR-1によるコリスチン耐性も獲得するようなことになれば、治療はきわめて難しくなるだろう」と、東邦大学微生物・感染症学講座教授の舘田一博氏は話す。ちなみに、これまでにもコリスチン耐性菌は確認されていたが、いずれもゲノム中の遺伝子変異によるもので、水平伝播できるものではなかった。

 CDCの報告書によると、女性患者には過去5カ月間渡航歴がなく、感染経路は不明とされる。予後については公表されていないが、CDCとペンシルベニア州保健当局は、患者と接触した相手や感染経路の特定などに乗り出しているという。

Next家畜に対する抗菌薬として汎用されるコリスチン
ヒトよりも家畜で多く使われてきたコリスチン
 環状ポリペプチドからなるコリスチンは、1950年代に福島県内で採取された土壌細菌に由来する成分として発見された。緑膿菌や大腸菌などのグラム陰性桿菌に対し、細胞膜の透過性を変化させることで強力な殺菌作用を発揮するが、腎毒性や神経毒性が強いために日本ではほとんど使われてこなかった。世界的には、既存の薬剤では効果の期待できないCREや多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクターなどに対する最終救済薬に位置づけられており、耐性菌が出ないよう使用制限等がなされていた。

 一方で、安価で効き目が強いことから、家畜に対してはコリスチンやコリスチンに類似した抗菌薬が使われてきた。例えば、動物用に力価の異なる複数種の硫酸コリスチン細粒が販売されている。その効能には「ウシやブタの細菌性下痢症」とあるが、実際には、細菌感染を防ぐことでより早く成長させる成長促進剤としての意味合いもあるようだ。


昭和大学内科学講座臨床感染症学部門の二木芳人教授は「コリスチンはバンコマイシンの時のように家畜に大量に使われることで耐性菌が発生する可能性がある」と指摘する。

 「家畜への使用量が特に多いのが米国や中国だ」。昭和大学内科学講座臨床感染症学部門教授の二木芳人氏はそう指摘する。すでに中国では、2015年11月に家畜由来とヒト由来の細菌株からともにMCR-1を含むプラスミド配列が確認されたことが報告されている(LANCET Infectious Diseases , DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S1473-3099(15)00424-7)。

 1986年にヨーロッパで分離され、院内感染菌として世界中に広まったバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、化学構造の似たアボバルシンを家畜に濫用したことで出現したとされる。バンコマイシン耐性遺伝子(vanA)もプラスミド上に存在していたことが明らかになっており、二木氏は「同じことがコリスチンで繰り返されかねない」と危惧する。

 日本にとっても、対岸の火事では済まされなくなりつつある。今年1月、国立感染症研究所が、国内の健康な家畜由来の大腸菌9308株の遺伝子配列を調べたところ、コリスチン抵抗性が90株みつかり、このうちの2株がMCR-1をもっていたと報告したのだ(LANCET Infectious Diseases , DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S1473-3099(16)00008-6)。しかもこのMCR-1遺伝子はプラスミド上に存在していた。まだ家畜由来微生物での発見ではあるが、今後、ヒト由来微生物に伝播する可能性はある。これは、国内における分布を調べる目的で日本医療研究開発機構(AMED)が構築中の「薬剤耐性菌ゲノムデータベース」(GenEpid-J)を利用して得られた結果だ。

日本は差し迫った状況にはないが
 国内においてコリスチンは発売中止となっていたが、世界の状況を鑑み、2015年に再承認された。現在は、点滴静注用150mg1瓶あたり8261円で、グラクソ・スミスクラインより販売されている。

 再承認に先立ち、日本化学療法学会は2012年に、作用機序、用法・用量、安全性、適応となる感染症と留意点などについて盛り込んだ「コリスチンの適正使用に関する指針」を作成していた。昨年、一部改訂が行われたが、指針委員長も務める二木氏は改訂のポイントについて、「この3年間に得られた最新の知見を反映させたもので、他系統の抗菌薬との併用で効果が高まり、かつ耐性獲得防止効果があることなどを盛り込んだ」と紹介する。

 実際のところ、国内の大病院で多剤耐性菌の出現はどのような状況にあるのか。舘田教授は「日本においては、CREが出たとしても治療困難になることは極めて少ないだろう。1000床ほどある我々の施設で、過去にCRE感染者が4例発生したが、いずれも大量のカルバペネムとアミノグリコシド系の併用投与などにより治癒が得られた。コリスチンを使う状況になったことはない」とコメントする。二木教授も「保険を持たない人が多い米国では、抗菌薬が十分に使われないことが多い。使い方も、まず強い抗菌薬を短期間使い、その後は有効範囲が狭くかつ安価な薬でやり過ごすといったものだ。その点、日本では必要な抗菌薬が十分な期間使われており、差し迫った危機にはない」と話す。

 ただし、渡航先での感染や来日する外国人旅行客からの感染、あるいは畜産動物からの感染などを契機に、突然、MCR-1をもつコリスチン耐性菌が出現する可能性は大いにある。

 「とにかく監視と防止策を徹底するしかない」。そう指摘する二木氏は、昭和大学病院内に日本では数少ない「Antimicrobial stewardship team(AST)」を設けている。「stewardshipには管理責任という意味合いが含まれている。米国では感染症学会(IDSA)と医療疫学学会(SHEA)がAntimicrobial stewardshipのガイドラインを公表し、チーム編成を推奨している。我々もそれに習い、感染症専門医、感染症のトレーニングを受けた看護師・薬剤師・臨床検査技師からなるチームを作った。抗菌薬使用への直接的な介入とフィードバックを行い、抗菌薬の適切な使用と患者の予後改善を図っている」(二木氏)。ポイントは感染症とその治療に詳しい人材がリードして対策を策定、実行することだが、現状では感染症専門医は全国に1500人しかおらず、感染症のトレーニングを受けた看護師と薬剤師もそれぞれ2300人、900人ほどしかいない。抗生物質の適正使用を徹底させることとともに、人材育成も急務と言える。
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連載: 廣橋猛の「二刀流の緩和ケア医」
巨泉さんモルヒネ報道の悪影響を懸念する
2016/7/22 廣橋 猛(永寿総合病院)

 大橋巨泉さんが82歳で亡くなりました。巨泉さんが残した功績は大きく、その死を悼む報道が続いています。その中で、医師として見過ごせない報道がありました。「モルヒネ系鎮痛薬の誤投与で体力を奪われた」という趣旨の報道です。

 「在宅介護中に処方されたモルヒネの誤投与により状態が悪化した」とご遺族は述べられました。経緯がどうであったかは分かりません。本当に適切ではない量の処方だったのかもしれませんし、医師と患者家族のコミュニケーション不足があったのかもしれません。いずれにせよ、巨泉さんとご遺族が「誤投与された」と思っていたのは事実のようです。

 モルヒネをはじめとする医療用麻薬は、癌患者の疼痛に対して「適切に」用いることで、極めて安全に苦痛を緩和することができます。この「適切に」というところがポイントで、疼痛の評価をしっかりとした上で、医療用麻薬が必要であると判断された場合に、正しく処方する必要があります。

 そして、詳しい使用方法や副作用対策など、患者家族に時間を掛けて説明することが不可欠です。筆者は医療用麻薬の開始時、説明に15分?30分掛けることも少なくありません。これだけ手間を掛けて初めて、モルヒネは医療者にとっても患者家族にとっても、安全な薬となるのです。結果的に巨泉さんのご遺族が「誤投与された」という振り返りになったということは、この「適切に」の部分や説明が欠けていたのかもしれません。

 今回、筆者が問題に感じているのは、マスコミがご遺族の言葉をそのまま強調するように報道していることです。「モルヒネ=怖いもの、体力を奪うもの」という誤解を、一般の方に与えてしまいかねないことを憂いています。

 これから癌の疼痛に対してモルヒネを開始すべき患者がいたとして、今回の報道により抵抗感を抱いてしまうのではないでしょうか。現在、癌と闘病されていて、モルヒネを使用している患者も多くいます。そのような患者や家族が今回の報道をみて、どのように思うでしょうか。

 「モルヒネを使うのは怖いことだ」「モルヒネのせいで体力が弱っている」と感じて、悲観的になるかもしれません。場合によっては、モルヒネをやめたがるかもしれません。

 マスコミは、インパクトのある記事を書かなければならないのかもしれませんが、記事が与える影響も考えてほしいと思います。例えば、巨泉さんのご遺族はこう話しているけれど、医療用麻薬は適切に用いれば安全な薬剤である、という論調まで含めて書いていただくこともできたはずです(マスコミの中には、このような配慮された記事を書かれていたものもあったことを記載しておきます)。全ての癌患者が疼痛から解放される世の中にするため、マスコミも正しく「適切な」報道をしていく責任があることを自覚してもらいたいですし、私たちも協力は惜しみません。

 さて、最後にモルヒネの影響について。巨泉さんは体力を奪われて…という受け止め方になってしまいましたが、むしろ逆に体力がついて元気になったという方も多くいることをご紹介したいと思います。

 ある卵巣癌の方は、モルヒネを「適切に」用いることで、これまでできなかった趣味に出掛けられるようになり、身体も気持ちも元気になれた、と喜んでくださいました。ある悪性リンパ腫の方は、モルヒネを「適切に」用いることで、これまでは無理と諦めていた海外旅行に出掛けることができました(注:モルヒネの海外持ち出しには、事前の申請が必要です)。

 もちろん、癌が進行すれば最終的には弱ってしまうことは避けられません。ですが、時期によっては、モルヒネが患者の生きる力を支える薬となることは疑いようのない事実です。緩和ケアは、死を待つだけではありません。『どう生きるか』を支える力だと信じています。

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/hirohashi/201607/547637.html#


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