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MRIで脂肪肝の状態が分かる(左=横浜市立大学医学部の今城健人医師)/(提供写真)
“様子見”で死に至るケースも 「脂肪肝」治療の誤解と対策
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/182453
2016年5月31日 日刊ゲンダイ
医師から「脂肪肝です」と診断され、危機感を覚える人はどれくらいいるだろうか? それが「最悪の結果」を招くかもしれない。横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室・今城健人医師(写真)に聞いた。
脂肪肝は、肝炎から肝硬変、肝臓がんと進行することもあり、肝臓がんに至ると手術でがんを切除できても再発率が高い。そのため、早期であっても5年生存率は50%超と高くない。
肝炎の原因は、大きく分けて「ウイルス性」と「非ウイルス性」がある。前者はC型、B型肝炎などで、肝臓がんの原因の圧倒的多数を占めていたが、画期的な薬が登場し、「治る病気」という認識も出つつある。近年、注目度が高まっているのが非ウイルス性だ。
■「アルコール性」よりタチが悪い「非アルコール性」
非ウイルス性には脂肪肝に伴う肝炎が含まれており、それらは「アルコール性」と「非アルコール性」がある。特に「非アルコール性」は、今、肝疾患の専門医の間で最もホットなテーマのひとつといってもいい。
「非アルコール性脂肪性肝炎である『NASH(ナッシュ)』は、断酒で肝機能が改善する余地があるアルコール性と異なり、打つ手が少ない。複数の因子が関係しており、全てゼロにするのは不可能だからです。NASHが原因の肝臓がんは今後増えると考えられています」
ところが、医師、患者ともにNASHの認知度は低く、医師から「様子を見ましょう」と言われ、放置されているケースは珍しくない。
「肝臓がんになる前に治療できただろうという人が、かなりいる印象です」
最新情報も含め、次のポイントを押さえておきたい。
【肝機能の数値だけで「深刻度」は判定不能】
脂肪肝は肝機能の数値でチェックする。
「しかし、脂肪が蓄積されているだけなのか、炎症や線維化を起こし進行しているのか、今後、より進行して肝硬変、肝臓がんへ至りやすいのか、検査をしなければ分かりません。数値と治療の緊急性は必ずしも一致しないのです」
【MRIの結果で治療計画を立てるのがベター】
前述の「深刻度」は、生検で調べる。しかし、問題点がいくつかある。
「まず、入院が必要。次に出血などの合併症の恐れがあります。さらに、生検で見る肝臓の組織は肝臓全体の5万分の1ほどなので、『本当の状態』が分かりづらいのです」
肝臓の左右の組織を取って生検した場合、それぞれの状態(脂肪肝がどの程度進行しているか)が一致するのは5割ほどとの報告もある。
今城医師らは最近、「NASHの状態をMRIで検査できる」という研究結果を発表し、高い評価を受けた。生検で指摘されていた問題点はクリア。生検では見えてこない「肝臓全体がどれくらい硬くなっているか(進行しているか)」が一目瞭然なのもポイントだ。
「肝臓は均一に硬くなっていくといわれてきましたが、MRIで硬い場所とそうでない場所があることも実証しました。今後はより詳細な重症度の分類に役立てられるでしょう」
【まずMRI、次に生検】
現段階では、脂肪肝の判定は生検が基本。それが、脂肪肝の状態をチェックできるMRIの普及で変わるかもしれない。
「MRIは、肝臓の脂肪の蓄積具合(脂肪化)、どれくらい硬いか(線維化)が分かる。しかし、炎症や肝細胞の破壊がどの程度かは、生検でないと分かりません。まずMRIで深刻な脂肪肝の有無を調べ、深刻であれば必要に応じて生検でさらなる検査をする流れが脂肪肝の適切な治療では望ましい」
診断技術や治療は進歩している。患者側は、まずは「脂肪肝の深刻性」を認識しなくてはならない。
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