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死を招く「危険な高血圧」とは?
死を招く高血圧 推定患者数は200万〜400万人
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160523-00000005-pseven-life
週刊ポスト2016年6月3日号
普通の高血圧と診断されながら、後に自分が本当は「危険な高血圧だった」と知ったのは、関西地方に住む吉岡康氏(61・仮名)だ。吉岡氏が職場の健康診断で「高血圧」と指摘されたのは1年前のこと。
かかりつけの医師の指導に従い、半年ほど前から降圧剤を服用して、食事も減塩メニューにした。週に3回、30分以上のウォーキングも続けている。
どれほど血圧が下がったかを確かめるため、家庭用血圧計で日々、計測を続けていたが、3か月ほど前から、「異様な数値」が現われ始めたという。
就寝前に測ると上(収縮期)142mmHg、下(拡張期)96mmHg程度の血圧が、朝起きて測ると上180mmHg以上、下120mmHg以上にまで急上昇していたのである。
その頃から、夜中に何度もトイレに行ったり、重い物を運ぼうとすると、急に腕の力が抜け、持っている物を落としてしまうなどを繰り返すようになった。
吉岡氏は一般的な高血圧患者ではなかった。近年、彼のようなもうひとつの高血圧に悩まされる患者が増えているという。
日本高血圧学会によれば、現在、自覚症状のない人や予備軍も含めると、日本で高血圧患者は約4300万人いると推定されている。そのうち9割を占めるのが、複数の原因が重なって血圧が上昇する「本態性高血圧」と呼ばれるタイプである。
生涯にわたって、降圧剤を飲み続けなくてはならないケースが多いものの、ただちに重篤な合併症を引き起こす可能性は低いと考えられている。東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌氏が解説する。
「原因の半分を占めるのが遺伝、残り半分をストレスや肥満、食塩摂取量の多い食生活など、いわゆる生活習慣が占めると言われています。約3800万人いると推計される本態性高血圧は最もポピュラーな高血圧です。医者から“あなたは高血圧です”と言われたら、このタイプと考えていい」
残りの1割が「二次性高血圧」と呼ばれるもので、原因が特定されている高血圧を指す。なかでも最も多いのが、「原発性アルドステロン症」である。高血圧患者の5〜10%を占め、推定患者数は200万〜400万人になる。実は、前出の吉岡氏はこれだった。自治医科大学循環器内科・主任教授の苅尾七臣氏が言う。
「左右の腎臓の上にある臓器『副腎』から、アルドステロンというホルモンが過剰に分泌される病気です。主に、副腎にできた腫瘍などが原因で起こると考えられています。
アルドステロンはナトリウム(塩分)を体内に蓄積する性質があり、過剰分泌によって血液中のナトリウム濃度が高くなると、濃度を薄めるため、体内の水分が血管内に流れ込むよう調整機能が働きます。すると血液循環量が増えるため、血管に加わる圧力も強くなって血圧が上昇します」
この原発性アルドステロン症は、かつては稀な病気と言われていたが、近年、状況が変わってきているという。前出の桑島氏の話。
「診断技術の進歩によって最近、本態性高血圧と診断されて複数の降圧剤を服用しているのに血圧が下がらない人の中に、原発性アルドステロン症などの二次性高血圧が、かなり含まれていることが分かってきました」
原発性アルドステロン症は、「普通の高血圧」として診断・治療されてしまうと非常に危険である。なぜなら同症の患者は、本態性高血圧の患者と比べて、脳卒中(脳出血・脳梗塞)の発症リスクが約4倍、心筋梗塞は約6倍、不整脈のひとつである心房細動は12倍も高まり、“死を招く高血圧”と呼ばれているからだ。
前出の吉岡氏は、別のクリニックでスクリーニング(ふるい分け)検査を受けたところ、原発性アルドステロン症と告げられた。
「高血圧の専門医がいるクリニックだったため、CTスキャンによる精密なスクリーニング検査がすぐに受けられたのですが、その結果、左副腎に6ミリの腫瘍が見つかりました。
外科手術で根治できると聞いたので、大学病院を紹介してもらい、腫瘍部を内視鏡手術で摘出したら、術後は降圧剤を飲まなくても血圧は正常範囲に収まるようになった。これまでクスリの副作用で日中に何度も眠気や 怠感に襲われていましたが、それらから解放され、毎日が快適です」(吉岡氏)
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