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右が「スーパーグル―治療」(榊原直樹医師提供)
体内に“接着剤”も 「下肢静脈瘤」治療事情が激変していた
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/181586
2016年5月19日 日刊ゲンダイ
足の静脈の弁が壊れる「下肢静脈瘤」の治療が激変している。米国で最新治療の研修を終え、帰国したばかりの東京血管外科クリニック・榊原直樹医師に聞いた。
血液は心臓から動脈を通って足へ行き、静脈を通って心臓へ戻る。静脈には血液が逆流しないように弁がついている。この弁がなんらかの原因で正常に働かなくなるのが下肢静脈瘤だ。
初期にはむくみや足がつるなどの症状があり、足の血管が拡張して浮き出る。さらに色素沈着や潰瘍が生じたり、血管内に血の塊(血栓)ができて心臓に飛び、突然死に至ることもあるエコノミークラス症候群のリスクが高まる。
従来の治療法は、医療用弾性ストッキングをはく「圧迫療法」、薬剤を注射する「硬化療法」、静脈瘤ができた血管を引き抜く「ストリッピング手術」などがあった。圧迫療法や硬化療法は根本治療ではなく、ストリッピング手術は神経障害などを起こす可能性があり、いずれもベストとはいえなかった。しかし2005年、「血管内治療」と呼ばれるレーザー治療が登場した。
「血管内にカテーテルを通し、静脈瘤ができている血管を熱で焼き、血管を閉塞する方法です」
2013年に保険適用になったレーザー治療は、下肢静脈瘤の治療で用いられるレーザーとしては「第2世代」と呼ばれる。ストリッピング手術では不可欠な半身・全身麻酔は不要。皮膚を切開しないので傷がつかず、日帰りも可能だ。しかし、複数の問題点が残っていた。
「術後は皮下出血や痛みがあり、100%鎮痛剤が必要。また、高熱のレーザーによって血液が沸騰状態になり、3秒で血栓ができてしまう。その率は要治療の血栓が7.4%、小さい血栓を含めると33%でした」
そこで、保険適用の治療として榊原医師が行っているのが「ラジオ波焼灼術」。熱で血管を焼くメカニズムは同じだが、低出力なので鎮痛剤が必要な率は20%、要治療の血栓ができる率は2.7%と大幅に下がった。
しかし、世界はもっと安全で確実な治療法が進歩している。保険適用外になるが、話題の最新治療が2つある。ひとつは第2世代から大幅に進歩した「次世代型」のレーザー治療だ。
「一定間隔の断続的なパルスレーザー照射方式のため、治療部位が高温にならない。問題視されていた皮下出血と血栓の率は0%。鎮痛剤が必要なのも3%程度です」
■“傷口は”絆創膏でペタリ
もうひとつは「スーパーグルー治療(日本では名称は未定)」。人体に害のない接着剤を血管内に入れ(写真@)、超音波の「探触子(センサーの役割を担う)」で静脈に圧を加え、静脈の血管壁をくっつけて血液の流れを遮断し(写真A)、血管を塞ぐ。
「レーザーやラジオ波のような熱を使わないので皮下出血、痛み、血栓ができない。皮膚にできる傷は、接着剤を入れるためにできた『刺し口』で、一般的な注射でできる針穴程度。多量の麻酔薬を必要とせず、患者の負担が非常に軽くなる」
最新の方法では30分程度で終了。刺し口を絆創膏のようなものを貼るだけで、治療後の生活の制限は何もない。米国では、従来のストリッピング手術は今後消えていくだろうという声もある。
日本でも、この先1年ほどで認可が下りるのではないかと期待が高まっている。下肢静脈瘤でいま治療を考えているなら、しばらく様子を見るのも手かもしれない。
榊原医師は東京血管外科クリニックや江戸川病院など数カ所で次世代レーザー治療とスーパーグルー治療を実施している。費用は自費で数十万円かかる。
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