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※2025年2月6日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年2月6日 日刊ゲンダイ2面
遅きに失し、さらなる醜態…(C)日刊ゲンダイ
フジテレビの第三者委員会が調査を開始したが、他局はとっくに類似案件の有無などは調べ始めている。自社の調査もおざなりで、会見にもマトモに答えられず、外資に辞任を突きつけられるなど、いよいよ、マトモな判断ができなくなったかと懸念の声。
◇ ◇ ◇
渦中のフジテレビをめぐり、動きがあった。物言う株主の3回目のお便りに、また慌てふためいているのだろうか。
先月23日に設置されたフジの第三者委員会がようやく社員を対象にした調査を開始。元SMAPの中居正広が引き起こした女性トラブルと類似事案がなかったか、メールでアンケート調査を実施したという。引責辞任する意向を明らかにしている遠藤龍之介副会長は5日、民放連会長について辞意を表明。「私が民放連会長を続けることは適切ではないと考えている。次期会長に職務を引き継げるようになった段階で会長職を退きたい」と民放連に申し出があったという。
一方、親会社のフジ・メディア・ホールディングスの社外取締役で構成する「経営刷新小委員会」が4日、フジに5項目の点検と調査結果を求める要望書を提出。刷新委は先月30日に取締役会のもとに設置された組織で、コンプライアンス確保の体制▽人権尊重の考え方と社内体制▽積極的な情報開示および対外説明による経営の透明性の確保方策▽平時および緊急時における社内の情報共有体制▽リスク管理体制──について点検・報告を求めたほか、改革プランの早期策定も合わせて要望したという。
他局は飛び火をスピード回避
こうした動きの前には、またもフジ・メディアHD大株主の米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」の圧力があった。
取締役会に宛てた「信頼回復に向けたガバナンス改革実施のお願い」と題した書簡(3日付)で、フジの取締役相談役も兼務する日枝久フジサンケイグループ代表を名指しし、辞任を要求。こう批判した。
〈マスメディア集中排除の原則は特定の少数者によって複数の放送局が支配されることを防止するものですが、なぜたった一人の独裁者がこの巨大な放送グループを40年近くも支配することが許されてきたのでしょうか。信じ難いことです!〉
それにしても、フジおよび周辺の腰の重いこと。他局はとうに類似案件の有無などを調べ始めている。
週刊誌報道を受け、ダルトンがフジに第三者委設置と説明を要求する書簡を送りつけたのは、先月14日付。焦ったフジの港浩一前社長が閉鎖的かつ、一方的な会見を開いたのが3日後の17日だった。テレビの存在意義を全否定する動画撮影禁止。港前社長がプライバシー保護を盾に「回答は控えさせてください」を連発したことで不信感が広がり、スポンサー離れを加速させた。中居トラブルの飛び火を回避すべく、他局は迅速に動いた。
副会長の進退うかがいに「お前らが辞めろ」
10時間超の「やり直し会見」も効果なし…(C)日刊ゲンダイ
TBSテレビは先月20日、2023年3月に策定した「TBSグループ人権方針」にのっとり、実態把握のための社内調査に着手したと発表。翌日、日本テレビが社内調査実施をアナウンス。翌々日、テレビ東京が社内調査開始を発表し、24年2月に人権方針を策定したテレビ朝日は調査が終了したとして、こうリリースした。
〈昨年9月に外部コンサルタント会社に委託し、社内の人権状況を調査するための全役職員を対象とするアンケート(無記名)を実施しました。質問の中には「取材先・取引先など外部から社員に対するセクハラ」の有無(受けたことがあるか、見聞きしたことがあるか)を尋ねるものがありましたが、食事会等での出演者からの不適切な行為の報告はありませんでした〉
〈一連の報道を受けて年明けから、出演者やその関係者と社員との関係性に問題がないか、その実態を把握するための第一次調査(対面ヒアリング)を制作現場やアナウンス部を中心に行い、終了しました。その結果、食事会等での不適切な行為の報告はありませんでした〉
中居トラブルが発生したのは23年6月。港前社長の耳に入ったのは、2カ月後の8月。この間、フジの社内調査は関与が疑われる幹部社員程度のおざなり。2回目の会見にあたって、被害を訴えた女性と協議することもない。メンツを増やしてやり直しても、ロクに答えられないわけだ。
「フジテレビの天皇」とも「フジテレビのドン」とも呼ばれる日枝相談役の差配なくして、巨大メディアグループは動かない。週刊新潮(2月13日号)によると、遠藤副会長と日枝相談役の間でこんなやりとりがあったという。
「遠藤さんが日枝さん自身の進退について“どうなさいますか?”とお伺いをたてた。“辞めるしかないのでは?”というニュアンスを込めて。それに対して日枝さんは“お前らが辞めろ”と言ったそうです」
なるべくしてなる後手後手対応には、目を覆うばかりだ。
応急措置もできない巨大メディア
「世間の関心はフジテレビの不作為に集まっているのに、不作為を重ねる一方。これじゃあ、フジそのものが『世界の何だコレ!?ミステリー』です」と指摘するのは、危機管理コンサルタントの田中辰巳氏(リスク・ヘッジ代表)だ。こう続ける。
「2回目の会見も1回目同様、目的と目標がキッチリと設定できていませんでした。何のために開き、どこを目指すのか。そうしたことが定まっていなかった。被害女性の処罰感情を薄め、スポンサーがCM出稿を再開できる環境づくりを目的とすべきでしたが、いずれも失敗。幹部社員の関与を否定するのであれば、少なくとも通信キャリアー発行の通信履歴を提示する必要があったでしょう。第三者委員会の結論に基づく施策は恒久措置にあたります。その間に、応急措置としてできることはある。まずは人権擁護局を立ち上げ、既存の社内コンプライアンス推進室、弁護士や臨床心理士などを配する新設の社外通報窓口を束ねる。性別を問わず、社員とタレントら社外関係者による1対1の会食などを当面禁じる。破った者については、社員は懲戒処分とし、社外関係者については一定期間取引をしない。さらに、人権侵害事案が発生した場合、被害者の意思を第一に尊重しつつ、刑事告訴を原則とする。被害者が望まない場合は民事訴訟を提起、それも避けたいということであれば示談での決着を探る。今後はウヤムヤにしないという決然たる姿勢を見せなければ、ダメージコントロールはできない。取り返しがつかなくなります」
経営陣がマトモな判断を下せていれば、こんな事態に至っていなかっただろう。「フジテレビの天皇」は一体どうオトシマエをつけるつもりなのか。遠からず、お台場を去ることになろうが、辞任タイミングは遅きに失したといっていい。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言った。
「そもそも、公共財である電波を利用する事業者のトップが独裁していること自体が論外。にもかかわらず、目障りな人間を蹴散らし、周囲を茶坊主で固め、半世紀近く君臨してきたのが日枝氏なのです。外資系ファンドに引導を渡されたところで、傲慢な人生観を持つドンがおいそれと身を引くことはないでしょう。そうして、粘れば粘るほど、強烈な矢が飛んでくる。フジとフジ・メディアHDの企業価値はどんどん下がる。日枝氏は晩節を汚す一方です」
外資系ファンドに辞任を突きつけられても地位に恋々とする「フジテレビの天皇」は、いよいよ正常な判断力を失ったのか。懸念は強まるばかりだ。
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