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※2025年1月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年1月28日 日刊ゲンダイ2面
40年を超える異例の長期相談役の日枝久氏(上)、まるで操り人形のようだった4人組(C)日刊ゲンダイ
「社長、会長しか辞任せず、新社長が「感謝」を口にする危機意識の欠落と、真相を語らず、ゴマカシに終始の会見でハッキリしたのは、フジの絶望的な今後だ。
ドン・日枝相談役を必死で庇う体質、プライバシーを理由に事件を放置、週刊誌報道後の対応など、この局はもう一度死ぬだろう。
◇ ◇ ◇
怒号と罵声が断続的に飛び交う異様なマラソン会見だった。大荒れのひと言では言い表せない。27日のフジテレビの会見は日付をまたぎ、計10時間超に及ぶ根比べの様相だった。だが、信頼回復には到底つながらず、いろんな意味で日本中が唖然とさせられた。
居直りの末、芸能界引退に追い込まれた元SMAPの中居正広の女性トラブルをめぐり、フジが開いた2回目の会見。編成幹部が関与した疑いが深まる中、本社内で午後4時に始まった。港浩一社長と嘉納修治会長(フジ・メディア・ホールディングス会長兼任)が同日付で引責辞任する人事を発表。事前申請したメディアは参加OKだったため約430人が集まり、質問や時間を無制限としたことできょう午前2時過ぎまで延々と続いた。前回のポンコツ会見の反動、「フジテレビの天皇」と呼ばれる日枝久取締役相談役の不在も要因と言っていい。78社、4法人、3美術館からなる国内最大級のメディアグループのフジサンケイグループを代表として率いる文字通りのドンである。
17日の会見は港前社長による「社長定例会見」の前倒しという体裁で、参加は関係記者クラブ加盟社に限り、動画撮影は不可。報道機関にあるまじき閉鎖的なやり方、「回答は控えさせてください」を連発した港前社長の態度が社内外で猛批判され、スポンサー離れを招いた。それで火消しのために会見を再セット。きょう付で新社長に就任するフジ・メディアHDの清水賢治氏、遠藤龍之介副会長、フジ・メディアHDの金光修社長も出席したが、どうにもならない企業体質を露呈しただけだった。
後世に残る危機管理ダメ見本
会見には191の媒体が参加(C)日刊ゲンダイ
港前社長はロクに視線を上げず、質問者と目を合わせようとしない。「とにかく事案を公にせず、他者に知られずに仕事復帰したいという強い意向があった」と被害女性のプライバシー保護を盾に、無責任対応を正当化。目に力が入ったのは、子飼いの編成幹部について厳しく追及された瞬間ぐらいだった。同席した上野陽一広報局長によると、「関与なし」とする理由は本人への聞き取りやスマートフォンのショートメッセージ、LINEの履歴などの確認。それに中居の証言だ。トラブルのきっかけになった会食に「関わっていない」と話したという。根拠は希薄。にもかかわらず、「被害女性のヒアリングなしに、なぜ関与がないと言い切れるのか」との質問に、港前社長は「言い切れます!」と目をむいていた。
元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士はこう言う。
「危機管理のダメな手本として後世に残る事例でしょう。きのうは前回の会見のやり直しという趣旨のものでしたが、失敗するのは目に見えていました。そもそも、なぜフジテレビは被害を訴えた女性に真摯に対応し、調査にあたらなかったのか。初動から大きな間違いを犯した上、株主に要求された後に港前社長が開いた会見はクローズド。事態が悪化する中で臨んだ会見なのに、新たに説明する材料を持ち合わせていなかった。せめて被害女性との協議後に臨むべきでした。社長と会長の引責辞任については、3月末をメドとする第三者委員会の結果を受けてから決めるべきことだった。前回の会見を乗り切れなかったがゆえに、手持ちのカードを1枚余計に切らざるを得なかった印象です」
そうして、社長と会長が中途半端に辞任。その隣で清水新社長は「叱責の中に温かいご心配をしてくださる視聴者の皆さま、広告主や広告会社の皆さま、ご出演者や制作会社の皆さまをはじめ、多くの方々に深く感謝申し上げます」と就任の挨拶。紋切り型なのだろうが、この状況で新社長が「感謝」を口にするあたり、危機意識の欠落が見て取れる。港前社長は「今日の会見での発言にウソはない」とも言っていたが、「STAP細胞はありま〜す」を思い起こさせた。11年前のあれだ。
「関係ない」連発 徹底した「日枝隠し」
女性トラブルが発生したのは2023年6月。港前社長が把握したのは2カ月後の8月。コンプライアンス推進室と共有することもせず、隠密に処理しようとしたところ、昨年末の週刊誌報道で明るみに出た。
存亡の機にあって、グループを牛耳るドンに全く相談しないとは不可解だ。週刊誌報道を受けた後手後手対応など、その場しのぎのぬるい体質にもかかわらず、「日枝隠し」だけは徹底していた。
日枝相談役に相談したのか、直接的関与はあったのか--。そう問われた港前社長は「していません。日枝は関係していない」とし、HDの金光社長も「相談役の日枝は関係していません」などと回答。嘉納前会長は「今回の人事等については、機関で取締役会で決定した事項でございまして、特段、日枝取締役相談役が何かということは全くございません」と言葉を選んでいた。「日枝相談役に関する発言を皆さん恐れているように見える」と指摘された遠藤副会長は、「日枝がここに来る、来ないというよりも、今後それぞれがどういう責任を取るかということが重要だと思っております」。その場にいないはずの日枝相談役の姿が4人の目には映っていたのか。
朝日新聞(25日付朝刊)のコラム「多事奏論」にこんな文章があった。
〈かつて長く日枝氏に仕えた元側近は、そう切り出し、ある人事を例に挙げた。
いまフジ会長の嘉納修治氏(74)は、2017年の会長就任後、19年に関西テレビ会長に転出。昨年フジに戻った。
「自ら系列局へ行く会長は普通いませんよね。人事権を持っているのは誰なのか、ということなんです」
枢要な案件は日枝氏に報告が上がり、その意向で会社が動いた。評価されていた人でも意見を言うと疎まれ、立場を追われるのを幾度となく見てきたという〉
黒幕3人組の辞意を一喝
スポーツニッポン(27日付)の特報は生々しい。23日に社員説明会を控える中、港、嘉納、遠藤の3氏が日枝相談役に辞意を伝達。すると、「こんなことで負けるのか、おまえたちは!」と一喝されたという。
日枝相談役は1980年に編成局長に就任。42歳の若さで抜擢された。88年に50歳で初の生え抜き社長になって以来、37年にわたってフジに君臨し、グループを牛耳ってきた。影響力は絶大だ。だからこそ、社員説明会では日枝相談役および経営陣の総退陣を求める声が上がった。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「黒幕の日枝氏が出てこない限り、問題は紛糾し続けるでしょう。端的に言って、フジテレビは公共の電波を特権的に利用して金儲けにかまけ、権力監視の役割を放棄し、安倍政権をはじめとする自民党を支えてきた。そうしたありようを形作ったのは日枝氏と言っていい。結果、民放キー局の中で放送局の存在意義から最も遠い位置にある。今回浮き彫りになったのは、性を利用して商売する反民主主義的な組織の姿。国民にとって有害無益です。放送免許を返却し、サッサと解散すべきです」
真相を語らず、ゴマカシに終始した会見でハッキリしたのは、フジの絶望的な今後だ。
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