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※2025年1月24日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
紙面抜粋
※2025年1月24日 日刊ゲンダイ2面
中居正広は引退で幕引きのつもり?地に堕ちたフジテレビ、信頼は戻らない(C)日刊ゲンダイ
まず問われているのは説明責任とその後の対応だが、そもそも染み付いた体質が腐りきっているのは明々白々。そんなことはわかっていたのに、我先にと逃げ出す番組スポンサーも勝手だが、解体でもしない限り、失った信頼は戻らない。
◇ ◇ ◇
「私、中居正広は本日をもって芸能活動を引退いたします。(略)私がこれまでに携わらせて頂きましたテレビ各局、ラジオ、スポンサーの皆さまとの打ち切り・降板・中止・契約解除等に関する会談がすべて終了し、本日となった次第でございます」
女性とのトラブルを起こし、問題が広がっていたタレントの中居正広(52)が23日、芸能界からの引退を発表した。
中居は有料のファンクラブサイト(FC)と公式サイトに報告文を掲載。「全責任は私個人にあります。これだけたくさんの方々にご迷惑をおかけし、損失を被らせてしまったことに申し訳ない思いでなりません。そして、改めて、相手さまに対しても心より謝罪申し上げます」とつづった。
週刊誌「女性セブン」(小学館)が中居と女性のトラブルを報じたのが昨年12月下旬。それから約1カ月という短い期間で芸能界引退に追い込まれた。1990年代に一世を風靡し、国民的アイドルグループなどともてはやされた「SMAP」の元メンバーの終わり方としては衝撃的な幕引き劇といえるだろう。
2016年に「SMAP」が解散して以降、テレビ番組MCとしての露出が目立っていた中居。近年は一人のタレントというよりも、芸能界のご意見番といった立ち位置が増えたためなのか、自身を「大物タレント」と勘違いし、過信した結果が今回のトラブルを招き、芸能界引退へとつながったのではないかと指摘せざるを得ない。
最低でも会見を開くのは当たり前
「こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。さようなら…。」
中居はFCの文書の末尾にこうつづっていたが50歳を越える大人が「ごめんなさい」と記しただけで、今回の問題がオシマイになると考えているのであれば幼稚性を疑ってしまう。自身が被害を訴えた女性に対して何をしたのか。なぜトラブルになったのか。コトの重大性を鑑みれば、ファンクラブサイトという限られた場所で「ごめんなさい。さようなら」と報告して済む話じゃないのは子どもでも分かるだろう。
「全責任は私個人」にある、と認めているのであれば、まさに自身をスターダムにのし上げたテレビカメラの前に立ち、自分の口から明かせる範囲で真相を話すのは当然ではないか。不本意な形での引き際が訪れたとはいえ、最低でも会見を開くのは当たり前。それが芸能界で長く活動してきた大人の所作というものではないのか。
中居の廃業は自業自得であり、当然なのだが、おそらく今後は「SMAP」が過去に出演した音楽番組やバラエティー番組なども扱いにくくなるだろう。それは「SMAP」という芸能史に残る圧倒的な存在感を放ったグループの存在自体を打ち消すことにもつながりかねず、中居以外のメンバーやファンを裏切る背信行為と言っていい。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「中居氏はこの期に及んでも罪悪感が乏しいというのか。引退を公表した文書の文言からは甘えやおごり、社会経験の薄っぺらさを感じざるを得ません。自分が何をしたのか。関わったフジ社員とともに表に出てきて話すべきです」
「お台場の置き屋テレビ」「女衒の幹部社員」と揶揄する声
人権意識の低さ、認識の甘さ(フジテレビの港浩一社長)/(C)共同通信社
課せられた責任を一切放棄し、トンズラ引退に追い込まれた中居だが、“唯一の功績”がある。
社員の人権、尊厳よりも、人気タレントのキャスティングを優先するという地に堕ちたフジテレビという悪辣企業の「膿」を露呈させたこと、同局のコンプライアンスやガバナンスを見直すきっかけをつくったことだ。
そもそもフジの経営陣は23年6月時点で中居と女性のトラブルを認識していながら放置。中居をレギュラー番組で起用し続け、「女性セブン」や「週刊文春」(文芸春秋社)が問題を報じても、他人事を貫いた。
事態が動いたのは外圧。フジの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」の株式7%以上を保有する米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」と関連会社が、取締役会に対して「第三者委員会による調査」と信頼回復を求める書簡を送付したからだが、そこに至ってもなお、経営陣が問題の本質を理解していたとは思えない対応だった。
「週刊文春」はフジ幹部が女性社員らに性的行為を強いる接待が常態化していたと報じているのだ。「お台場の置き屋テレビ」「女衒の幹部社員」と揶揄する声が出るほど、人権侵害に関わる自社の不祥事が指摘されているにもかかわらず、会見を開いた港浩一社長は「回答を控える」と繰り返すばかり。人権意識の低さと認識の甘さ、鈍感さに唖然呆然だった。
パリピ体質が抜けきれないフジ社員
23日、フジHDは臨時取締役会を開き、第三者委員会の設置を決めたと発表。批判を受けての対応か、今回は、日本弁護士連合会のガイドラインに沿った第三者委だと説明した。3月末をメドに調査報告書をまとめるという。さらに、フジは来週27日に再び記者会見を開くことを発表。こちらも「オープンな形式」で“やり直す”というが、後手後手がすぎる。
まず問われているのはフジの説明責任とその後の対応だが、一連の動きを見ていると、そもそも染み付いた体質が腐りきっているのは明々白々だろう。
「楽しくなければテレビじゃない」──。日本がバブル景気に沸いた1981年、こんなスローガンを掲げたフジ。若手女性アナをグループ化し、「花の3人娘」などと積極的に番組に起用。女子アナのアイドル化現象を生むきっかけをつくったとされる。
ドラマもバラエティーも絶好調。高給取りで有名だった当時のフジ社員は派手な業界の中でもイケイケドンドンで知られ、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったと言っていい。
フジの一部社員の中には、そんなパリピ体質がいまだに抜けきれず、過去の栄華の夢に酔いしれているのだろう。性接待などという仰天の言葉が平気で飛び交うわけだ。
そんなフジの体質が分かっていたのに、今になって我先にと逃げ出す番組スポンサーも勝手だが、フジは解体でもしない限り、失った信頼は戻らない。
元NHK政治部記者の川崎泰資氏は現役時代の経験などから「フジの問題は起こるべくして起きた」と言い、こう続ける。
「フジは昔から女性問題に緩いというのが個人的な印象です。男女を問わず、アナウンサーの不倫が目立つのもフジ。政治取材の現場に派手な女性記者を送り込み、政治を芸能化させた面も否めません。視聴率が取れれば、楽しければ何でもあり。そういう社風だったのでしょう」
「脱皮できない蛇は滅びる」(ドイツの哲学者ニーチェ)。巳年の今年、あちこちでささやかれている言葉だ。凝り固まった考え方や慣習、古い人間関係に縛られ、それを捨て去ることができない人間に成長はなく滅びる。
中居がやめても、社長がやめても、問題が収まるはずなし。
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