http://www.asyura2.com/16/hihyo15/msg/520.html
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家族を支援とNPO関係者に言わせつつ、「ひきこもり家族」と家族ごと中傷するのやめろよ NHK
https://gansokaiketu-jp.com/kaiw-forum2/NHK/wforum.cgi?mode=read&no=5&reno=no&oya=5&page=0#5
参照先 : https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190626/k10011968251000.html?utm_int=news_contents_netnewsup_003
「元事務次官の苦悩、我が身のよう」ひきこもり 家族の叫び
019年6月26日 16時58分
「子は自分を責め、親も自分を責め、八方塞がりです」(50代 父親)
「兄がひきこもりです。この先どうして良いのかわかりません」(30代 妹)
川崎で起きた殺傷事件や、農林水産省の元事務次官が長男を刺した事件のあと、NHKのひきこもりに関する特設サイトには多くのメッセージが寄せられています。中でも目立つのが、ひきこもっている人の親やきょうだいたちの声。その“心の叫び”をたどり、解決への道を探ります。
(ひきこもりクライシス取材班 ネットワーク報道部記者 高橋大地・管野彰彦)
次々に寄せられる 家族の“叫び”
「元事務次官の苦悩を我が身のことのように感じます。33歳になる息子がおりますが、現在同居しています。働いた事もありますが、続きませんでした。社会に対する不満を持っているように感じていますので、反社会的な行動に出ることだけは止めたいと考えています。最悪、息子を道連れに命を絶つつもりもできています。でも、本当は優しい息子なのでそこまでしなくても良いように欲張らず生きていきたい、最近そう考えています」(60代 父親)
「本人は塞がれた世界でもがき苦しんでいます。逃場はパソコンゲーム。勝手にカード使用30万の課金され、さすがに怒りました。事務次官の息子さんに対する苦しみわかります。親の責任です。親は何の働きかけもしてないわけではありません。あの手この手でも情報がない」(50代 母親)
「弟がひきこもりです。もう8年位仕事もせず、自宅でテレビを見たり、ゲームばかり。こんな家族が一人いるだけで、親戚からも見離され私自身も誰に相談も出来ず辛い毎日です。兄弟の為に犠牲にならないといけないのかとこの事件前からずっと考えてました」(40代 姉)
事件以来、NHKの特設サイト「ひきこもりクライシス“100万人”のサバイバル」に寄せられた投稿は400件を超えています。
ひきこもりの当事者だけでなく、同居する親やふだんは離れて暮らしている兄弟姉妹などの家族からの声も多くあります。
身近な家族であるがゆえの切実な不安、社会への疑問などの“叫びの声”がつづられていました。
私たちは、投稿に添えられたメールに連絡を取り、直接、そうした家族をたずねて声を聞くことにしました。
「どう声をかけていいのか」苦悩する親
「ひきこもりに長い間苦しむ親たちの心情を広く理解して頂き、支援対策を構築して頂きたい」こう投稿してくれた富山県の59歳の女性から話を聞かせていただくことができました。
女性には20代後半の息子がいます。アルバイト先でのいじめが原因でひきこもり、およそ5年間、その状態が続いているといいます。
まず直面したのは、子どもの変化に対するとまどいでした。
「名前を呼んでも応えてくれないし、何かを頼むと、大きな体なのに、布団にしがみついて震えているんです。子どもがつらいのは分かるし、変だというのも分かるんです。でも、どう声をかけていいのか、わかりませんでした」
そして、息子を励まそうと口にしていた言葉が、逆に彼を追い詰めてしまっていたといいます。
「頑張ってほしいという意味で、その仕事はもうやめなさいとか、ちゃんとした仕事をしなさいなどと言っていたのですが、結果的にその言葉があの子を責める形になってしまっていました」
家族だけで子どもを支えるのは難しいと感じ、行政に相談したものの十分な支援を受けることはできませんでした。
「行政にも就労支援はあるのですが、そこへ行けない人たちがたくさんいます。就労支援や居場所にひきこもっている本人をつなぐ人たちがいないんです」
不安にかられる兄弟姉妹 親とは異なる悩みを…
「今は、両親ともに働いていて、弟を扶養していますが、今の生活がいつまでも続くわけもなく、先の事を考えると、夜も眠れません」
30代の弟がひきこもっているという関西地方に住む女性に話を聞くことができました。女性は自分の夫や子どもたちと暮らしていますが、弟は70代の両親がいる実家に住んでいます。弟は、両親にたびたび暴力を振るい、突然、姉の家におしかけてきたこともあったといいます。
「弟の怒りの矛先が、どこへ向かうのだろうっていう不安が、今回の川崎の殺傷事件で強くなったかなというのがあります。両親は、恥ずかしいという思いもあって、家族の中のことを外や周りの人には言っていないと思いますね。本当なら子どもが20とか30歳になって、親の元を巣立っていって、2人で一緒に旅行したりとか、外食したりとかという生活もあっただろうに、それもできずに子どもの面倒を見つづけるというのはちょっとかわいそうだとも思います」
さらに、女性は、両親が年老いていったり、ゆくゆく亡くなったときのことを考えると不安になるといいます。
「年は離れていますが、子どものころには、弟と一緒に遊んでいた記憶もありますし、やっぱり放ってはおけないですよ。今はお互い別の家庭ではありますけど、逃れられない関係ですよね。私の子供もまだ小さいし、これから学費もかかる。親が年老いていったら、子どもと親と、弟と…っていったい何人養っていかないといけないんだろう。自分の家族の分は夫にまかせるけれども、せめて弟の分はなんとかしないといけないと思うので、私もいま、働いているんです。本当は不安になるし、考えたくないというのが正直なところなんですけどね」
自分も大人になって家を出ているし、きょうだいは別の家庭に暮らす存在。でもやっぱり家族は家族、なんとかしないといけない。長年暮らしていた弟への愛情をにじませながら、不安やつらいおもいを1つ1つ語ってくれました。
NPO理事長「家族の支援こそ最も重要」
多くの家族たちの声を聞いて分かってきたのは、ひきこもっている本人と一緒に、家族が苦しみ、ともに社会的に孤立していっている状況でした。何か解決の糸口をつかむことはできないか。山口県宇部市で「家族への支援を中心に据えた」取り組みが進められていると聞いて、訪ねました。
4年前からひきこもり支援に取り組んでいる「ふらっとコミュニティ」というNPO法人です。理事長を務めている山根俊恵さんは、長年、精神科の看護師として働き、今は山口大学大学院でひきこもり支援などの研究を続けています。山根さんが最も重要だと考えているのが家族ケアです。
「親御さんのなかには、子どもの心が分からないまま、一生懸命頑張って関わろうとして、でも反発を受けたり、無視されたりして心が傷つき、向き合えなくなってしまう人が多いんです。だから親の心をケアしながら、頑張る姿を見守り、背中を押していかないと、親も変われないし前に進めないんです」
山根さんは独自のプログラムを作成し、6回にわたって親に勉強会を受講してもらっています。このなかでは、ひきこもるきっかけとなった、背景にある「生きづらさ」の理由に気付いてもらうことから始まります。そして、その生きづらさを理解したうえで、本人の苦しさに寄り添うことが重要だと指摘します。
さらにその後は、ほかの家族も参加する月に1度の勉強会を継続して、本人との会話や接し方でうまくいかなかった点や、うまくコミュニケーションが取れた点を報告し合って、経験を共有していきます。
「子どもと会話もできなくなると、親がああだろう、こうだろうと思って、本人が動く前に先回りして動くようになってしまい、その結果、ますます子どもは動けなくなってしまいます。勉強会を通じて、子どもを理解できるようになると、それを子どもは敏感に感じ取り、少しずつ関係が変わっていくんです」
家族にとって大切なのは “聞く、受け入れる、待つ”
親が変わることで、子どもが変化したケースも出てきています。
山根さんが4年前から支援に関わっている80代の夫婦。45歳の次男が約14年間、ひきこもっています。
2人も当初は、子どもが理解できず、行政に支援を求めました。しかし、そこで言われたことは、「食事をあげるな、小遣いをあげるな、親が甘い」といった言葉でした。
打開策を見いだせないまま、年齢を重ねていくことで、焦りがつのるなか、出会ったのが山根さんや同じ境遇にある家族たちでした。
勉強会に参加するようになって、2人は仕事の話を持ち出すことをやめ、何時に起きてきたとしても、「おはよう」と声をかけるようにするなど、今の状況を受け入れるようになったことで、少しずつ会話もできるようになったといいます。
母親は「深い話ができるようになった訳ではないですけど、『ご飯おいしかったね』とか、それがいちばんうれしかったです」と話してくれました。
今では次男はNPOから派遣されてくる看護師とも会話ができるようにまでなりました。
「親も焦ると上から目線でものを言うようになります。でも今は、あの子が元気で過ごせたら、生きているだけで十分だと思うようになりました。『聞く、受け入れる、待つ』ということも大事じゃないかと思えるように、親も変わってきたと思います」(母親)
このほかにも、実際に親や家族が変わることで本人がNPOの集まりに参加できるようになったり、仕事に就くことができるようになったりするケースも増えてきているということです。
ひきこもりの子どもと親がともに高齢化し、社会から孤立を深めています。解決につながる道はないのか。家族はどうあればいいのか。「ひきこもりクライシス」取材班では、引き続き特設サイトに寄せられた声を手がかりに、取材を続けていきます。
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