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2月22日に発売されるASKAのニューアルバム『Too many people』(DADA label)
ASKAが再びマスコミ報道批判!「世間が面白がればいいという理屈だけ」「僕を病気にするのがいちばん面白い」
http://lite-ra.com/2017/02/post-2911.html
2017.02.11. ASKAが再びマスコミ報道批判! リテラ
昨年末、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕・拘留されたものの、嫌疑不十分で不起訴処分となり釈放されたASKA。いま現在マスコミは「なぜ彼は尿検査でお茶を入れたのか」という問題を検証するのに躍起になっているが、そんなことよりも大事なことがあるだろう。
この件をめぐってのマスコミの報道は本当にメチャクチャなものだった。テレビ各局はまだ逮捕状すら出ていない段階にもかかわらず、警視庁のリークに乗っかって「ASKA元被告 逮捕へ」と一斉に報道。当のASKAは自分のブログで逮捕も覚せい剤の陽性反応も完全否定したが、ASKAの自宅前にはマスコミが集結し、警視庁による身柄確保の瞬間まであらゆるメディアで実況中継されるという事態に発展した。
「SPA!」(扶桑社)2017年2月14日・21日号でインタビュー取材に応じたASKAは一連の騒動のことを振り返り、このように語っている。
「僕が再逮捕されたとき、大半のマスコミは「クロ」と断じました。自分が不起訴になったから言うわけではないのですが、世間の人が当たり前のように真実として受け取っていたメディア報道のあり方について、一石を投じたのではないかと思っています。大量に供給される情報について、深く追及したり考えたりすることをせず、文字面だけを眺めてイメージを抱くのが世間です。もちろん、これは僕も含めた人の習性なので、いつの時代も変わりませんが……」
そして、この一件の報道で問題だったのは前述のフライング報道だけではない。釈放されるまでの間、マスコミはASKAのことをまるでオモチャのように扱い続けた。
知られている通り、取材過程では常識的に考えてあり得ないことが平然と行われた。ASKAが逮捕前に乗ったタクシーのドライブレコーダーを“公開”。 “おかしい言動を繰り返すASKAの逮捕前の様子”として見世物にしようとした。
逮捕直前に放送された『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)のなかでは井上公造がASKAの未発表音源を無許可で放送。ミュージシャンの未発表作品を本人の許可もなく勝手に流すという有り得ない行動にASKAは過去のインタビューでもこのように憤っていた。
「絶対やっちゃいけないことですよね。というよりも、よくあんなことができたな、という気持ちです。僕は昔からそうですが、楽曲の反応を見るために、完成前の未発表曲を聴かせることがよくあります。もちろん、コピーなどしないことを大前提にです。数十年間、誰も約束を破る人などいませんでした。井上さんとも「絶対に公開しないでください」「もちろんです」とのやりとりがありました」(「SPA!」17年1月3日号)
ワイドショーによる大バッシング大会に多くのネットニュースも追随。メディアはASKAをいかに面白くイジり、視聴率やページビューなどの数字を稼ぎ出すかということに躍起になっていった。その一方、この間に「ASKAに関する本当に警察発表は正しいのか」ということへの検証はほとんどなされなかったのはご承知の通りだ。ASKAは前掲の最新インタビューでこのように怒りを吐露している。
「「世間が面白がればいい」という理屈だけで、僕のブログを素材に記事を構築してしまう。今、何を書けば面白いかといえば、僕を病気にするのがいちばん面白いんです。本当は笑って読み流すくらいの度量がなくてはいけないんでしょうが……」(「SPA!」17年2月14日・21日号)
結果的にASKAは不起訴処分となり、メディアがやっていたことは間違いであったことが改めて浮き彫りとなったわけだが、それに対してのメディアの反応は、自らの報道姿勢に対する反省などではなく、あからさまな「開き直り」であった。
たとえば、12月21日放送『ミヤネ屋』で宮根誠司はこのように語った。
「僕はちょっと反省しました。もし、本当に、もしもですよ、仮にASKAさんが無実ならば、謝らなくちゃならないことだし」
「(本当に無実なのか)このあたりが我々、わからないことですが」
表面上は一応謝っている風を装ってはいるが、「本当に」だの「もしも」だのとエクスキューズを付け、不起訴処分になってもなお自らの非を認めようとはしていない。
『ミヤネ屋』だけでなく、どのワイドショーでも似たようなものだ。そして「なぜASKAは尿検査のときにお茶を入れたのか?」という話題に論点をすり替え、本当に検証すべき問題をうやむやにしていく。
ようするに、こういう状況になってもなお、ASKAが「クスリをやる危ない人」というイメージをずっとほのめかし続けているのだ。
ASKAは、自分が置かれた状況の困難をこう訴えている。
「「こいつ嫌なヤツだな」って言葉が心の中に浮かんだ瞬間、その意味や理由は消化されて、いつの間にか印象だけが残るんです。そうなると、もうどんな曲を作ってもその人にたどり着かない。印象というのは本当に怖いです」(「SPA!」17年2月14日・21日号)
「報道に一石を投じた」と語るASKAだが、本当にマスコミは変わるのだろうか。
(新田 樹)
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