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2016.05.16
世界的に進んでいると言われる「テレビ離れ」。日本も例外ではなく、特に若者世代の間でテレビ離れが進んでいると言われています。メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』のQ&Aコーナーに、現代のテレビ業界に関する疑問を持つメルマガ読者から「なぜ日本のテレビはつまらないのか、今後はどうなるのか?」という質問が、世界を知る男・高城剛さん宛に寄せられています。海外のメディア事情に精通した高城さんが考える日本のテレビの現状と未来とは?
旧態依然とした体制を続ける日本のテレビは変わるのか?
今後のテレビについてお伺いします。
今の日本のテレビはものすごくマイナーな立ち位置にあると感じます。
ニーズすら汲みきれていないと感じます。
しかし、未だ影響力はとても大きく、出演者の給与や予算も一般社会からは大きくズレており、テレビで放送されることが世間一般の声のように放送されていることにも疑問があります。
高城さんはテレビが変われば日本は変わると仰っていますが、理想ではなく現実的には今後のテレビというのは、どうなるのでしょうか?
影響力は徐々に落ちていくとは思いますが、バグルスのVideo Killed Radio Starではないですが、テレビがインターネットに殺される日は来るのでしょうか?
現状では益々テレビの劣化が進んでいますが、レベルの低下は加速するのか? 影響力は弱まるのか? 業界として縮小するのか? などについて見解をお聞きしたいです。
また、海外でテレビが面白い、若しくは業界が健全で活発な国というのはあるのでしょうか? 世界的に日本と大差ない潮流なのでしょうか?
先日はラジオに出演されていましたが、ラジオもテレビ同様偏りが見られ、非常につまらないです。
J-WaveやInterFMでも若者世代をターゲットにしているのか、ひどい邦楽音楽が流れ、迎合するパーソナリティが出てたり、30分すら同じ局を聞いていることができません。
今ではセンスの良いぶっ飛んだ人はほぼ皆無で、非常に残念です。
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高城剛さんの回答
先日、テレビの電波を停波する可能性を示唆した日本の大臣がおりましたが、本当にテレビ局が恐れているのは、停波ではなく、電波オークションだと思います。
電波オークションは、ほとんどの先進国で導入されている制度で、日本は数少ない例外です。
いつ導入されてもおかしくありませんし、それに意を唱える国民はいないと思います。
いわば、現在は驚くべき安価で仕入れた国民共有財産である電波をテレビ局が独占し、その電波の時間割を寡占しているのが、広告代理店です。
このモデルを作り上げたのは自民党で、僕が言う「テレビが変われば日本は変わる」意味は、結果的に自民党の解党につながるのです。
逆に言えば、自民党が解党するまで、テレビは変わらないものだと思います。
その日まで、日本は疲弊しつづけるでしょう。
予々お話ししますように、日本はソフトな全体主義国家で、事実上いまも資本社会主義国家体制ですので、あえて左派政権になってもうまくいかないしょう。イタリアの例を持ち出すまでもなく、共産党が解党し、一度合同左派政権になってもうまくいかず(ただし、通過点として重要)、非政治家内閣が誕生もしくは保守分裂が、今後10年で起きるでしょう。テレビが変わるのは、その頃です。
ちなみに、ドラマをみればわかりますが、10年前にはハリウッド映画よりテレビネットワーク局のドラマのほうが面白くなり、3年ぐらい前からインターネット配信のドラマが最高に面白くなってきたと思います。
ですので、ご質問にあります「海外でテレビが面白い、若しくは業界が健全で活発な国」は、米国ということになります。
なにしろ、フィンシンルールがありましたからね。フィンシンルールとは、巨大な放送インフラを背景にコンテンツ製作までコントロールしてしまうことを防ぐために、プライムタイムの枠内の一定量は社外で製作することなどを定めた法令で、これにより俄然米国のテレビドラマが面白くなりました。
独占禁止法も機能せず、芸能プロダクションと自民党に上下から挟まれた日本のテレビが面白くないのは、当然です。
日本のインターネットも、このままでは同じようになってしまうと思えるのが、少し残念です。
まだまだ時を必要としますね。
takashiro 『高城未来研究所「Future Report」』
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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