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テレビ業界の知られざるNG事項! その最大にして意外なタブーとは?
http://biz-journal.jp/2016/02/post_14012.html
2016.02.26 文=JAPAN芸能カルチャー研究所 Business Journal
「おい、ジロジロ見るな!」
先輩放送作家のKさんは、普段はおどけたお調子者なのだが、この時ばかりは真剣な表情で鋭い声を発して、私を注意した。
テレビ業界には、タブーが多く存在する。
例えば、“共演NG”。犬猿の仲と呼ばれている2人を画面に並ばせることはできない。だから我々作家も、番組のキャスティング案を出す時はそのあたりをよく考えて 提案する。でなければ、考えに考え抜いたアイディアも徒労に終わってしまうからだ。
“アイドルの恋愛話”もタブーだ。 アイドルには恋人がいない。いや、いないハズ…。うーん、いないことになっている。 だから、ファンを失望させるような発言は決してしてはならないし、関係者もさせてはならない。台本にも、恋愛を想像させるような文句は、載せておかないに限る。 妄想はOKだが、過去の恋愛や現在進行形の相手の存在を匂わす発言をさせないように、細心の注意を払わなければならない。もっとも、そういうフレーズを台本に載せても、マネージャーからの厳しいチェックがあるのだが…。
そして、もっとも厄介なタブーがある。 それは、“カツラ”だ。この業界に入って、なぜ芸能人はお金があるのに、周囲にバレバレのカツラを被っているのだろうとしばし思うことがある。お金をかけて、もっと分からない自然なカツラを被れば、周囲も神経を尖らせずに 済むのにと思うのだが…。“頭隠して尻隠さず”とは言うが、芸能界には“頭隠しても 頭隠せず“の人たちがじつに多いのだ。
1本目の番組収録が終了し、我々はタレントの楽屋付近で無駄話をしていた時のことである。歌手のNさんが楽屋に戻ってきた。Nさんは歌も歌えば、芝居もするしバラエティもこなすマルチな人だ。収録が盛り上ったこともあり、大量に汗をかき、やけに濡れている襟足部分が目立つ。その姿に気付いたメイクさんが、気を利かせてNさんの汗を拭おうと手を伸ばしたその時だった。
「いいよ。いいから! いいって言ってるだろ!!」
スタジオの廊下中に響く、Nさんの怒声。
そこにいた誰もがその声に驚き、Nさんのほうに視線を移す。ほとんどの人が、何が起こったのか分からない状態の中、Nさんは 楽屋へと消えた。
それから10分後。ADが2本目の収録スタートを、Nさんに知らせにやって来た。マネージャーとともに楽屋を出てくるNさん。先程、よく分からない理由で怒鳴られたメイクさんはもうそこにはいない。
メイクさんを怒鳴った真意はどこにあるのか?
興味本位でNさんに目を向けると 何か違和感がする。汗は完全に引いている。心なしか、スッキリしたようにも見える…。
しかし何かが 引っかかるのだ。Nさんが我々の前を通り過ぎる時、私はその違和感の正体を見逃さなかった。だがその瞬間、先輩作家・Kさんが私の脇を小突いて、冒頭のような言葉を発したのである。
収録後、私はKさんと一杯やることになり、常々感じていた 芸能人のカツラに対する疑問をぶつけてみた。ビールから日本酒に変わった頃、Kさんはしごく簡潔に答えてくれた。
「今でこそお金持っているけど、Nさんだって貧乏な時代があったわけよ。 その時に被っていたカツラを途中で変えたら、余計怪しまれるだろ。 髪型が全く違っちゃったら、バレると思っているんだよ。変わらない方がバレているのに。だから、“ズレ”てはいたけど、“ブレ”ていないんだよ」
Kさんは、“どうだ上手いこと言うだろ、オレって”というような得意顔をして お猪口を空にする。
それから、しばし芸能界で誰がカツラであるかを教えて頂き、「今日のように被っている人の頭にかぶりつくな。消されるぞ!」と半ば冗談とも本気ともつかぬ御小言を私は頂いたのだった。
本日の日直:現役放送作家(13年目)
・「チーム・スパイス」とは… メディアで活躍している、ディレクター、放送作家、アシスタントプロデューサー、スタイリスト、ヘアメイクなど数名で構成されている、謎の酒好きテレビ業界人集団。西麻布、三軒茶屋界隈などで、夜な夜な業界話に花を咲かせている。
(文=JAPAN芸能カルチャー研究所)
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