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ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」
便秘対策、食物繊維不足の「手っ取り早い解消法」とは?
2019/04/03
佐藤達夫 (食生活ジャーナリスト)
(krisanapong detraphiphat/iStock/Getty Images Plus)
ない便は出せない!
便秘に悩む人は日本人全体の3〜5パーセント【※1】。男性よりも女性のほうが圧倒的に多く、高齢になるとその悩みは顕著になる。もっとも、この比率は「有訴者率」といって、有病者の割合ではなく「自分は便秘だと思う」という人の割合である。
そうはいっても、ビジネスパーソンの中にも便秘で悩んでいる人があるだろうから、今回はその解消に役立つ情報を提供する。便秘で悩んではない人にとっても、健康増進には役立つので、覚えておいてもらいたい。
便秘というのは微妙な症状で、きちんとした定義がない。便の状態(固いとか柔らかいとか)、便の量(多いとか少ないとか)、頻度(週に2度とか3度とか)などが、専門家の間でも定まってはない。客観的な定義は別にして「満足のゆく排便がない」と感ずる人が多いのだろう。
ただし、軽く考えてはならない。便秘には消化管の重大な疾病が隠れている場合もあるし、便秘が長く続くことによって、やっかいな疾病を招くこともある。頑固な便秘が長期間続く場合や、便秘と下痢を繰り返す場合などは、早めに受診することを勧める。
一般的に、便秘というのは大腸や直腸の中に便があるにもかかわらず排泄できない状態をいう。しかし、便秘だと主張する人の中には、腸の中に便がないので(当然のことながら)排便がない人もいる。これは便秘ではない。この人が(対応を間違って)下剤などを服用すると、排便が実現しないだけではなくきわめて不快な症状に襲われることになる。ここでは「便の量を増やす」対策を考えてみる。
基本的には、まず食べること。「ない袖は振れぬ」にたとえていうならば「ない便は出せぬ」となろうか。
便の主成分(?)は食物繊維
便の元(内容)は大きく3つある。1:口から入った物(食物繊維等)、2:腸内に住んでいる物(腸内細菌等)、3:体の構成物質(腸の粘膜や細胞など)の3つ。このうち2と3を増やすことは、そう簡単にはできないので、まずは1を増やす方法を考えよう。
食物繊維とは「口から入っても、体内に吸収されずに、肛門から出てくる物」である。いま「体内」といったが、胃の中や腸の中は、厳密にいうと「体内」ではなく「体外」だ。腸の粘膜に開いている小さな穴を通って中に入ると、そこが「体内」。私たちの体には、口から肛門まで「体外」というトンネルが通っていると考えてよい。
口から食べられて、消化・吸収作用を受け、体内に入って栄養的な働きをする物質を「栄養素」という。食物繊維は「体内」に入らないのだから栄養素ではない、と長い間考えられてきた(いまもそう考える栄養学者はいる)。しかし、体内には入らずとも、胃や腸の中で「栄養的な働きをする」ので栄養素として考えるべきだという説が、いまは有力である。
食物繊維の栄養的な働きというのは、余分な脂肪分や糖分や塩分を体外に(便といっしょに)排泄したり、便の量を増やして腸壁に付いている発がん物質などを(便といっしょに)肛門から排泄したり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したりする働きである。いずれも、糖尿病や高血圧症や脂質異常症やがんなどの予防に役立つとされている。
【※1】平成28年国民生活基礎調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28_rev2.pdf
食物繊維はスジスジ状の物とは限らない
食物繊維は植物性食品に多く含まれている。ただし、食物繊維は口当たりが悪かったり、なかなかかみ切れなかったりするので、料理の過程や食品加工の過程で取り除かれることが多い。ある意味では、食文化の発達は「食物繊維除去の歴史」といえるかもしれない。
玄米から食物繊維(ぬか層)を取り除いて白米にしたり、大豆から食物繊維(おから)を除去して豆腐にしたり、くだものを絞って食物繊維を除いたジュースにしたりなどは、その典型。いずれも、美味しく・柔らかく・簡単に飲食できるように工夫した結果である。
逆にいうと、食物繊維が豊富な料理は柔らかくはなく、食べるのに時間がかかり、美味しくない(美味しさは個人の好みだが)ことが多い。一般的に、昔の食べ物に比べて、現在の食べ物は栄養豊富で健康的である。惜しむらくは、食物繊維不足がいきすぎてしまった嫌いがあるので、意識的に摂取したい。
なお、食物繊維というとゴボウやタケノコなど「いかにもスジスジした物」を思い浮かべる人もあろうかと思うが、必ずしも線維状の物ばかりとは限らない。たとえば大豆やワカメなどはスジスジしてはないが、食物繊維を豊富に含んでいる。
手っ取り早くは「主食を変える」
厳密にいうと、食物繊維には「水溶性」の物と「不溶性(水不溶性)」の物があり、それぞれに、栄養的な働きも異なるといわれている。しかし、そういう細かいことは気にしないでいい。まずは食物繊維を多く含む食材である野菜類・豆類・いも類・海藻類・穀物類を積極的に食べよう。
とはいってもこれらの食材はチェーン店系の外食やコンビニ弁当などではなかなかお目にかからない。調理に手間がかかる割には価格に反映しにくく、売れゆきにつながらないためだ(前述した特徴=美味しさに欠ける・けっして柔らかくはない・食べやすくもない、を思い出してもらえればわかるだろう)。
もう1つ、これらの食材は、肉や魚と違って、「主菜=メインディッシュ」になりにくいこともある。となると、食物繊維不足にならないようにするコツは「副菜=小さなおかず」を食べるようにすること、になる。外食の際やコンビニでお弁当を購入する際は「小さなおかず」を追加したい。
そして最も手っ取り早くは「主食=ご飯やパンを精製しすぎてない物に変更する」という方法がある。ビジネスパーソンにはまずこの方法をお薦めしたい。具体的には、ご飯であれば、主食が白米ではなく、玄米や雑穀類が入ったおにぎりやお弁当、麦入りご飯の定食、などを選択したい。
主食がパンの場合には、白い食パンではなく、中まで茶色いパンを選ぶとよい。最近では、サンドイッチショップやハンバーガーショップでもパンの種類が選べるところを見かけるようになった。そういうお店を覚えておきたい。
(このように書くと「白い食品は健康に悪い」と拡大解釈する人があるが、そういうわけではないので、誤解しないでいただきたい)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15768
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