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ビジネス2019年4月2日 / 13:58 / 3時間前更新
アングル:うま味調味料、ネガティブイメージに変化 味の素は積極姿勢に転換
Reuters Staff
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[東京 2日 ロイター] - 味の素(2802.T)が「うま味調味料」の誤解の解消に向け、手応えを感じている。きっかけは2018年9月に米国で開催したイベントで、同社がモニターしている食の分野における影響力のある人の認識に変化の兆し出ているためだ。西井孝明社長は米国発で高まっているフェイクニュースへの関心を追い風に、今が風評払拭のチャンスと捉えており、コミュニケーションをさらに強化していく方針だ。
<うま味調味料と都市伝説>
「トランプ大統領の誕生でフェイクニュースへの関心が高まり、消費者が今まで正しいと思っていた情報が本当に正しいのかを調べ始めた。すごいチャンスが来た」──。西井社長はこう述べ、今こそうま味調味料に対する誤解を解く時期だと強調した。
社名にもなっているうま味調味料「味の素」は、グルタミン酸ナトリウム(MSG)が主な原材料。日本では、サトウキビなどから作られている。1908年に東京帝国大学の池田菊苗博士が昆布だしのおいしさの正体がグルタミン酸であることを発見。その味を「うま味」と名づけ、後に甘味、塩味、苦味、酸味に続く基本的な味として認められた。
グルタミン酸はトマトやチーズ、ノリなど様々な食品に含まれ、体内にも存在する。つまり、私たちは日ごろから意識せずにグルタミン酸を口にしているわけだ。
にもかかわらず、製造されたうま味調味料にだけ、拒絶反応を持つのはなぜか。原因の1つに米国の科学者が1968年に発表した論文がある。
中華料理店で食事をした後に顔のほてりや頭痛などの症状が出たのは、MSGが原因──。「中華料理店症候群」と名づけられたこの症状は、後にうま味調味料を大いに苦しめた。
その後、多くの研究によって中華料理店症候群とMSGに何の因果関係もないことが科学的に示されたが、「風評」は消えないまま、今日に至っている。
西井社長は「うま味調味料が身体に悪いというのは都市伝説に過ぎないが、安全性の論議に20年近くもかかってしまったために、一社では手に負えないくらいに風評が社会に根付いてしまった」と話す。
米国ではパッケージに「NO ADDED MSG」と書かれている食品がいまだに存在する。MSGを添加していないという意味で使用しているが、もとの成分にMSGが含まれている食品もあり、消費者に誤解を与えかねないとして見直す動きも進んでいる。
<無添加・無化調と安全>
日本はどうか。日本でMSGは食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認した「指定添加物」に登録されている。指定添加物は2018年7月3日時点で455品目あり、化学的合成品だけでなく、天然物も含まれる。
この指定添加物であるということが米国とはまた違った問題を引き起こしてる。「無添加イコール安心・安全」というイメージだ。
日本では「食品添加物不使用(無添加)」や「化学調味料無添加(無化調)」と書かれていると安心・安全だとイメージする消費者は多い。実際、「化学調味料は使っていません」、「無添加のつゆです」などと掲げ、無添加であることを売りにしているラーメン店やそば店もある。
こうした風潮に対し、内閣府・食品安全委員会の委員を昨年まで9年間務めたお茶の水女子大学・基幹研究院自然科学系食品貯蔵学研究室の村田容常教授は「添加物は安全性試験を通ったものしか認められていない。添加物を使うか使わないかは価値観の問題なので自由だが、使ったら危ないということは決してない」と述べ、「添加物イコール危険」とみなす考え方を批判した。 ただ、日本では安全性の問題とは別に、本来の味がわからなくなるといった否定的な意見もある。
<フードインフルエンサーに変化>
ニューヨークで2018年9月に開催された「ワールドUMAMIフォーラム」には、世界15カ国から229人が参加した。
西井社長はMSGを積極的に使うようになるには、まだ時間がかかるとしながらも「フォーラムで味の素という企業に対するイメージはポジティブに変わった」と手応えを感じている。
味の素は、食に関心の高い栄養士や料理人ら米国に1000万人いると言われる「フードインフルエンサー」の一部を対象に、MSGの認識に関する定点調査を実施しているが「この調査が動き始めた。まだ満足するレベルではないが、効果が少しずつ表れてきている」(西井社長)という。
味の素のインフルエンサー調査によると、2018年1月時点で39%あった「MSG入りの食品を避ける」との回答は、同年11月時点で33%まで低下した。
西井社長は「おそらくネガティブイメージはゼロにはならないが、約4割いる『MSGは何となく身体に悪い』と思っている人を半減させたい」と語った。
志田義寧 編集:田巻一彦
トップニュース2019年4月2日 / 15:43 / 42分前更新
米バーガーキング、植物原料の「人工肉バーガー」発売
Reuters Staff
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[1日 ロイター] - 米バーガーキングは1日、ミズーリ州セントルイス周辺の59店舗で「肉を使わないハンバーガー」の販売を試験的に開始した。食肉の代わりに植物を原料とした人工肉を使っており、こうした動きは世界中に広がりを見せている。
新たに販売されたバーガー「インポッシブル・ワッパー」は、バーガー・キングがシリコンバレーの新興企業インポッシブル・フーズと共同開発した。
インポッシブル・フーズのパット・ブラウン最高経営責任者(CEO)は「バーガーキングはわが社の製品を商品に採用しただけでなく、同社のブランドである『ワッパー』を商品名につけてくれた。これは大きな励みだ」と語った。
インポッシブル・フーズは2年前に人工肉のバーガーパティを発売。遺伝子操作した酵母がヘムと呼ばれる主成分を生み出し、まるで本物の肉のような味わいと、肉汁が滴るパティを実現させた。
こうした取り組みは他にもあり、ライバル企業ビヨンド・ミートは今年1月、植物を原料にしたハンバーガーを米ファーストフード店で発売したほか、米マクドナルドもスウェーデンで大豆を使ったハンバーガーをテストしている。またネスレは、欧州で同様の商品の発売を計画中だ。
インポッシブル・フーズのブラウンCEOは、同社研究施設にバーガーキングのものと同じ調理器具を導入。大量のパティを焼いて、味の再現に努めたと話す。
「われわれの商品はすでに6000を超える店舗で販売されている。バーガーキングで正式採用されれば、一気に全米に広がる。さらに7000以上の店舗が加わる見通しだ」と述べた。
4月1日、米バーガーキングは、ミズーリ州セントルイス周辺の店舗で「肉を使わないハンバーガー」の販売を試験的に開始した。写真は米カリフォルニア州レッドウッドシティーにあるインポッシブル・フーズの施設で3月撮影(2019年 ロイター/Jane Lanhee Lee)
植物を原料にした人工肉に注目が集まっているのは、大規模な食肉生産が環境に及ぼす影響に関心が高まっているためだ。
「インポッシブル・ワッパー」の気になるお値段だが、通常の食肉を使った「ワッパー」よりも1ドル(約111円)程度高く設定されている。
*カテゴリーを追加します。
https://jp.reuters.com/article/impossiblewhopper-idJPKCN1RE0HT
https://jp.reuters.com/article/ajinomoto-idJPKCN1RE0B3
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