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(回答先: うつ病の根底にある怒りと悲しみ 新型うつは甘えの構造 豊かになっても人は幸せになれない 投稿者 うまき 日時 2019 年 3 月 23 日 00:29:27)
オトナの教養 週末の一冊
発達障害と診断されない「グレーゾーン」の人たちの生きづらさ
『発達障害グレーゾーン』姫野桂さんインタビュー
2019/03/22
本多カツヒロ (ライター)
著名人が公表したり、メディアで度々取り上げられたりと広く知られるようになった発達障害。しかし、発達障害の傾向はあっても診断が下りず、いわばグレーゾーンで苦しんでいる人たちがいる。『発達障害グレーゾーン』(扶桑社)を上梓し、ご自身も発達障害当事者であるフリーライターの姫野桂さんに、発達障害とは何か、かれらとの接し方などについて話を聞いた。
(Motortion/iStock/Getty Images Plus)
――ここ数年、発達障害という言葉が話題になることが多くなりました。ひとつの「ブーム」とも言えるとも思うのですが、発達障害当事者として現状をどう見ていますか?
姫野:良い面と悪い面があるように思います。良い面としては、発達障害そのものが世間に広く認知されるようになったことで、これまで努力不足で仕事や勉強で力を発揮できなかったと思われていた当事者の方々が、発達障害かもしれないと気がつくことができるようになったこと。
その一方で、発達障害の当事者が集まる会にマルチ商法や新興宗教の信者が紛れ込み、後日勧誘されるケースがあるとも聞きますADHD(注意欠如多動性障害)の方々は、人当たりがよく、いつもニコニコしている人が多かったり、ASD(自閉症スペクトラム症)で物事を客観的に捉えられない傾向がある人は標的にされやすい。また、なにかあれば「お前アスペ(アスペルガー症候群)なんじゃない?」などと茶化す人が出てきたのは悪い面ですね。
――姫野さんご自身も発達障害と診断されているわけですが、そもそもどのような経緯で発達障害であることが判明したのでしょうか?
姫野:就職活動の際に、SPI(多くの企業が採用する適性検査)というテストを受けることが多いのですが、どう頑張っても数学の点数が低かったため、やむなく数学が得意な友人に指導してもらいました。しかし点数が上がることはありませんでした。当時は仕方がないと思いSPIテストがない企業の一般職に就き3年ほど働きました。その後、フリーライターとして働き詰めになった末過労で倒れ、心療内科を受診した際に受けた心理検査で発達障害と診断されたんです。
――基本的なこととして発達障害とは、どんな病気なのでしょうか?
姫野:生まれつき、つまり先天的な「脳の偏り」「能力の偏り」で日常生活や仕事に支障をきたす障害です。もちろん先天的な病気ですから、治ることはありません。
一口に発達障害と言っても、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)の3種類にわけられます。ADHDは、注意が散漫になり集中力を欠き、仕事上では記入漏れが多いなどの特徴があります。ASDは、本音と建前、比喩が理解できなかったりとコミュニケーションに問題を抱える特徴があります。LDは、知的な問題がないにもかかわらず、読み書きや計算が苦手です。私の場合は、このLDのために数学ができなかったのです。
ただ取材をしていて感じるのは、人それぞれ程度の差はあれ、ADHDとASDが混ざっている場合が多いですね。
――発達障害の診断基準とは、心理検査で診断されるとのことですが、どんな検査なのでしょうか?
『発達障害グレーゾーン』(姫野桂, OMgray事務局、扶桑社)
姫野:臨床心理士の質問に口答で答える「WAIS-V」という心理検査が使われることが多く、その他にも別の心理検査を組み合わせ、幼少時代や家庭環境の聞き取りを行い、綿密な検査の末、診断する場合もあります。医療機関によっては小学校時代の通知表や中高時代の成績表を取り寄せるところもあるようです。
――姫野さんの場合は過労で倒れ、心療内科を受診し発達障害であるとわかったわけですが、どういったことをきっかけに発達障害であることがわかる人が多いのでしょうか?
姫野:発達障害と診断された方々の9割以上が、うつ病や睡眠障害、双極性障害、自立神経失調症などの二次障害を患っています。それらの症状に悩まされ、心療内科を受診し、はじめて発達障害と判明する場合が多いようです。
二次障害がなくても、仕事でミスが多いなどの理由で調べていくうちに発達障害と診断されるケースもあります。
――ミスが多いということのほかに、発達障害の方が仕事で困ることはありますか?
姫野:マルチタスクが苦手な人が多いですね。たとえば、電話の対応をしながら、メモを取ると言った行為です。また、短期記憶が苦手な傾向があるため、話している間に最初に何を話していたかを忘れてしまうことも多々あります。そうなると会議や打ち合わせなどで話についていけなくなります。
――日常生活においてはどんなことがありますか?
姫野:ゴミの出し忘れや公共料金の払い忘れ、家事の段取りがうまくできずに悩む当事者もいます。ゴミの出し忘れが重なりゴミ屋敷になってしまう人もいます。
――それは今回の本の主題である発達障害とは診断されていないが、その傾向があるグレーゾーンの方々にも当てはまるのでしょうか?
姫野:程度の差はありますが、グレーゾーンの人たちは、時間やお金を費やし、努力をすればこなせてしまうことも多いのです。グレーゾーンの人たちの特有の悩みは、発達障害の傾向はあるけれども診断が下りていないがために、会社の同僚や上司に言うことができない。そうなるとまわりからは「仕事ができない」「怠慢だ」などと思われてしまうのです。
――職場に発達障害やその傾向があるグレーゾーンの同僚・上司・部下などがいる場合、どのように接すれば良いのでしょうか?
姫野:腫れ物に触れるように接するのではなく、苦手なことは手伝ってあげてほしいと思います。ケアレスミスが多いので、書類をダブルチェックしてフォローしたり、ですね。他には得意なことに集中させるのも良いと思います。一番良くないのは、仕事を取り上げることです。それにより、自己肯定感が下がりますから。
――たとえば、どんな作業が得意なのでしょうか?
姫野:人それぞれですが、ASDの方のなかには細かな作業が得意で、経理で能力を発揮している方もいます。また、プログラムのバグをチェックするような一般的には単調な作業が得意な方もいます。重度の発達障害の知人がいるのですが、マニュアル化された仕事が得意で、マクドナルドでのアルバイトが一番向いていたと言う人もいます。得意なことは本当に人によって様々です。
――最後に、特に本書を薦めたいのはどんな人たちでしょうか?
姫野:生きづらさを感じていない、非当事者の方々にも読んでもらいたいと思っています。グレーゾーンの人たちは、職場ですごく怒られることが多いんです。怒られることで自己肯定感が下がってしまう。本書を読んで、発達障害やそのグレーゾーンの人たちがいることを理解し、もし職場にそういう人がいる場合、かれらへの叱り方やフォローの仕方を工夫していただけると良いですね。
■イベント告知■
生きづらいけど生きのびたい!「発達ハック」コンテスト
日程:2019年3月31日(日) OPEN 12:00 START 13:00
会場:ShibuyaLoft9
チケット:前売り1700円 当日2200円(税込・要1オーダー500円以上)
【ゲスト】
姫野桂(ライター/『発達障害グレーゾーン』『私たちは生きづらさを抱えている』著者)、
鈴木悠平(「LITALICO発達ナビ」編集長)、
オム(OMgray事務局代表)、
光武克(発達障害バー「The BRATs」代表)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15706
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