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花粉症患者が間違えている薬の使い方!8割の人は1種類だけではダメ 花粉症で薬が効かない理由 今日は調子がいいから薬は飲ま
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投稿者 うまき 日時 2019 年 3 月 09 日 00:22:50: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

2019年3月8日 羽根田真智
花粉症患者が間違えている薬の使い方!8割の人は1種類だけではダメ
花粉症で薬が効かない理由
今日は調子がいいから薬は飲まなくていいや……と思っている人は要注意です! Photo:PIXTA
花粉症のシーズンに本格的に突入している。東京都の場合、スギ花粉は3月まで、ヒノキ花粉は5月のGWまで飛散するというから、花粉症の人は数ヵ月にわたり、つらい日々が続く。今年は例年よりも飛散量がやや多め、という報告もあり、先が思いやられる。花粉症対策の記事はさまざまな媒体で例年掲載され、実際に対策を行っている人は多いが、それでも花粉症の症状に苦しまされるのはなぜか? 花粉症治療に力を入れる日本医科大学耳鼻咽喉科学教室准教授の後藤穣医師に、この苦しみから確実に開放されるために何をすべきか、話を聞いた。(聞き手/ライター 羽根田真智)

花粉症の薬が効かない人は、
処方と使い方が適切でない可能性大
後藤穣
後藤 穣
日本医科大学耳鼻咽喉科学教室准教授
1991年日本医科大学卒業。日本医科大学千葉北総病院医局長、日本医科大学耳鼻咽喉科学講師などを経て、2008年9月〜2010年6月まで日本耳鼻咽喉科学会千葉県地方部会理事を務める。2010年7月より日本医科大学附属病院復帰。2011年日本医科大学耳鼻咽喉科学准教授、2013年日本医科大学多摩永山病院耳鼻咽喉科部長、2014年日本医科大学多摩永山病院教授、2018年8月より現職
――マスクをつけ、室内に花粉を入れないように心掛け、薬も飲んでいる。それなのに花粉症の症状に苦しむのは、どうしてなのでしょうか?

「薬が効かない・効き目が不十分」とおっしゃる患者さんの話をよく聞くと、たいていの方は、薬を適切に処方されていない、あるいは薬を適切に使えていません。両方に当てはまる患者さんもかなりいます。

 昨年4月にも皮膚に貼る新しいタイプのアレルギー性鼻炎治療薬が発売され、薬の選択肢が増えました。上手に薬を使えば、よほどの重症例を除いて、日常生活に支障が出ない程度まで効果を抑えることは可能だと思います。

――「薬を適切に処方されていない」とのことですが、そもそも処方薬でないと花粉症の症状を抑えるのは難しいのでしょうか?

 ごく軽症であれば、市販薬でも症状を抑えられます。抗ヒスタミン薬成分であるエピナスチン塩酸塩は「アレジオン」、フェキソフェナジン塩酸塩は「アレグラ」という商品名で、医療機関で処方されていましたが、医療用から一般用に切り替わりました。つまり、薬局・ドラッグストアでも購入できるようになりました。

 一方、この薬は今でも処方薬としてもあり、成分量もまったく同じです。処方薬なら健康保険が適用されるので値段が安くなりますが、通院時間や病院での待ち時間を考えると、市販薬を利用するのも問題ありません。

 ただし、風邪薬とアレルギー性鼻炎薬の両方の側面を持っている市販薬は、長期的な服用をおすすめしません。眠気などの副作用や長期的に服用することのリスクが指摘されている「第一世代の抗ヒスタミン薬」が含まれており、また、眠気を覚ます目的のカフェインなどさまざまな成分も含まれているからです。長期的服用が、身体に何らかの影響を及ぼすかもしれません。

 ここまでの話は、最初に申し上げた通り、「ごく軽症であれば」という条件付き。問題は、花粉症患者の8割以上は、重症度でいうと中等症以上であるということです。

花粉症患者の8割以上は
2種類以上の薬の併用が必要
――それほど多いとは驚きです。

 2011年5月11〜18日に「花粉症と思われる症状がある」などの条件に該当する3382人を対象にインターネット調査を行い、鼻アレルギー診療ガイドラインの重症度分類に従って調べたところ、判明しました。性別で関係なく、20歳以上では実に9割以上が中等症以上だったのです。

 軽症であれば、1種類の花粉症の薬でも症状を抑えられるでしょう。その中でもごく軽症なら、本当につらい時だけ市販薬で対処するのも一つの手だと思います。

 ところが、中等症以上の花粉症は1種類の薬では対処できません。2種類以上は必要であり、医療機関を受診しないと手に入れられません。理想を言えば、自分の花粉症が軽症、中等症、重症・最重症のどれに該当するのか? 病型として、「くしゃみ・鼻漏(鼻水)型」か「鼻閉(鼻詰まり)型または鼻閉を主とする完全型か」を知ると、より適切な薬を医師も処方できますし、自分でも選びやすくなります。

 ただそれを知らなくても、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが頻繁に起こるようなら、1種類の薬で対処可能な軽症ではなく、2種類以上の薬が必要な中等症/重症と考えるべきです。

――なぜ2種類以上の薬が必要なのですか?

 花粉症の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりです。くしゃみや鼻詰まりが特に苦しい人には、抗ヒスタミン薬とともに鼻噴霧用ステロイド薬がよく効きます。ステロイドと聞くと危険視して飲みたがらない人もいますが、鼻噴霧用ステロイド薬は非常に安全な薬なので、安心して使って大丈夫です。

 また、鼻詰まりが特に苦しい人にはこれらの薬に加えて、抗ロイトコトリエン薬や抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬がよく効きます。抗ヒスタミン薬ひとつですべての症状にOK、というわけにはいきません。

 なお、鼻炎用のスプレーが市販されていますが、これはステロイド薬ではなく、当然ながら、処方する鼻噴霧用ステロイド薬とは全くの別物です。そして鼻炎用のスプレーは、私は花粉症に対し、おすすめしません。市販の鼻炎用のスプレーは血管収縮薬であり、長期的に使うと、下鼻甲介腫脹などが起こり、鼻詰まりがひどくなるからです。これを薬剤性鼻炎と呼んでいます。

「症状がひどい時だけ飲む」はダメ
継続使用しないと効き目は落ちる
――もう一点、指摘されている「薬を適切に使えていない」とはどういうことでしょうか?

 例えば、抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬を処方されたとしましょう。患者さんによく見られるのが、「症状がひどい時だけ飲む」という行動です。特に、鼻噴霧用ステロイド薬はそういう使い方をしている人が珍しくありません。

 花粉症の治療薬は、花粉の飛散量が多い日も少ない日も関係なく、毎日、決められた回数使用することが基本。花粉症の点眼薬も同様です。1日4回点眼するとされている点眼薬を、1日2回しか使わないのは「間違った使い方」です。

 花粉はシーズン期間中、飛散量は変化するものの、毎日飛んでいます。薬を今日飲んで明日は飲まない、というやり方では、血中薬物濃度が一定せず、効き目も落ちるのです。スギ花粉に反応する人は3月末まで、ヒノキ花粉にも反応する人は5月のゴールデンウイーク明けまで継続して飲むことが、「正しい」花粉症対策の薬の使い方になります。薬の止め時は、新聞、ニュースの花粉情報で飛散量が少なくなっており、かつ、症状も落ち着いているタイミングです。

眠気が少ない薬を使っても、
効果は低くならない
――花粉症の薬を飲むと眠気に襲われ、仕事にならないという人もたくさんいます。なんとかなりませんか?

 その場合、使っている抗ヒスタミン薬はどの世代のものでしょうか?

 抗ヒスタミン薬は第一世代、第二世代とあり、第二世代はまた前期(鎮静性)と後期(非鎮静性)の2タイプに分かれます。ヒスタミンは花粉症にとっては「害」ですが、脳にとってはなくてはならないもの。ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬は、どれくらい脳のヒスタミンを抑えるかによって、眠気の程度が変わります。第一世代の抗ヒスタミン薬は脳のヒスタミンを70〜80%抑えるため、眠気が強くなるのです。

 一方、第二世代後期(非鎮痛性)の抗ヒスタミン薬は20%以下に統一されています。だから眠気が少ない。20%以下の中でも、薬によっては0%に近かったり、10%程度だったり、20%に近かったりするものがあります。今使っている抗ヒスタミン薬がどの世代のものかをチェックし、第二世代後期のものであっても「それでも眠い」という場合は、医師に相談してください。第二世代後期の中でもより眠気が少ない薬を紹介してくれるでしょう。

 ただ、眠気が本当に抗ヒスタミン薬によるものかは、確認が必要です。単なる寝不足かもしれませんし、睡眠環境が悪かったり、アルコール摂取による睡眠の質の低下、または睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に呼吸が何度か停止する病気)をはじめとする何らかの病気が関係しているかもしれないからです。

――眠気が少ない薬は、効果も低いように思うのですが、どうでしょうか?

 かつてはそう言われた時もありました。しかし今は違います。第二世代後期の薬は、眠気が少ない一方で、効果も高いといえます。

 残念なのは、今でも第一世代の抗ヒスタミン薬を出している医師が、私が思っている以上にいることです。インターネットによる医師調査で明らかになった結果です。第一世代の抗ヒスタミン薬は眠気や口の渇きといった副作用だけでなく、この薬の服用によって眠りの質を下げることが明らかになっています。催眠作用を求めて第一世代を使う人もいると聞きますが、かえって眠りの質を下げることにつながるのでやめるべきだと考えます。

「貼るタイプ」花粉症薬も登場
夜に貼って朝の症状に備えることも
――昨年4月に発売した新タイプの薬はどういうものでしょうか?

 世界で初めての経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤で、商品名は「アレサガテープ(一般名:エメダスチンフマル酸塩貼付剤)」です。これまで抗ヒスタミン薬は飲む薬(経口薬)、点鼻薬しかありませんでした。しかし飲むのが苦手な人や、飲み薬では服用を忘れてしまう人などがいます。そこで開発・販売されたのが経皮吸収型、つまり貼るタイプの抗ヒスタミン薬なのです。食事による投与タイミングの制限がないのも特徴。アレルギー症状は一般的に朝出やすいと言われますが、夜から貼って朝の症状に備えるという使い方もできます。

 今は成人に対してのみ承認が下りていますが、飲み薬を嫌がるお子さんにも使えるのではないかと、今後は臨床試験が行われる見通しです。

――花粉症で苦しむ人に対して一言いただけますか?

 ここまで述べたように、花粉症の薬を適切に用いれば、症状はかなり抑えられます。また、貼り薬も登場し、治療の選択肢が増えました。花粉症には手術や免疫療法などの手段もありますが、手術はハードルが高く、免疫療法は治療期間が年単位と長く、かつ、どれだけ効果を得られるかは人それぞれで、治療が終わらないとそれが分かりません。花粉症の現実的な治療としては、薬物治療が最も大切だと考えています。

 かつては「花粉が飛散し始める2週間前から薬を服用しないと効かない」とも言われていましたが、今の薬は、飛散してから服用しても効果があります。それでも、飛散量が少ないうちから飲み始めた方が、花粉症の症状で苦しむ期間は短いことは間違いありません。まずは医療機関を受診し、どの症状に最も困っているかを医師に伝え、薬を処方してもらってください。
https://diamond.jp/articles/-/196257?
 

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