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<水分摂取の重要性>
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/678.html
投稿者 SHO 日時 2018 年 12 月 25 日 17:19:49: cVuKYKDVsuOXM gnKCZ4Ju
 

■口渇感という幻
通常、人体は脱水状態に陥らないため、口渇中枢と呼ばれる脳の働きによって口渇感という幻をつくりだす。しかし、幼少期はその機能が未熟であるためか、体が脱水に傾いていても、さほど口渇感を覚えない場合がある。同様に、肉体の老化に伴い、口渇中枢の機能が衰退することで口渇感が不足し、十分な水分摂取を怠ってしまうようになる。男女ともに30〜40代頃からその傾向が現れ始め、60代以降ではそれが顕著となる。口渇感が不足するということは、喉の渇きを満たすだけの水分摂取では脱水が必発であるということだ。即ち、老化とは体が渇いていく現象だということができるだろう。

■線維筋痛症と心不全
その一方、さほど高齢でなくとも、日常の雑事に追われ、多忙な生活を送る人々の場合、口渇感を満たす飲水行為を後回しにして日々を過ごしてしてしまうため、危険な状態に陥ることがある。喉の渇きを満たすことなく睡魔に襲われて眠る生活が続けば、慢性的な脱水状態となるからだ。たまに喉を潤すことがあっても、それがコーヒーなどのカフェイン類であったり、アルコール類であったりすれば、その利尿作用でさらに脱水傾向は顕著となる。こうして脱水が慢性化することで筋組織内脱水を来して筋肉の弛緩不全を招くと、全身の関節や筋肉があちこち痛むようになる。これが線維筋痛症の正体だ。こむらがえりなどの筋痙縮を生じやすくなるのである。外来では、画像所見や血液生化学所見で明らかな異常を示さない原因不明の背部痛を訴える患者のほとんどが、筋組織内脱水によって症状を来している印象がある。なぜなら、それらはすべからく適量の水分摂取を継続することで治癒に至るからだ。この他、慢性の脱水状態は心機能に影響を及ぼす可能性も示唆される。原因不明の不整脈や心不全は、脱水に伴って電解質バランスが失調し、心房細動や心室細動を生じたものかもしれない。慢性的な脱水状態が存在することで、通常なら問題にならない程度の飲水の不足やアルコールの摂取であっても、急激に致命的な状況を引き起こしてしまうと考えられるのだ。

■慢性脱水症がもたらすもの
四肢の骨間筋に症状を来すほど慢性的な脱水状態が続くようであれば、血液の粘性もまた増大し、血管が目詰まりを起こす心筋梗塞や脳梗塞をも招来する可能性が高くなる。また、慢性的な脱水は便秘症の原因ともなり得る。十分な水分が口から入ってこなければ、人体は大腸の内容物から可能な限り水分を得ようとするので、便が硬化してしまい、便秘を生じるのである。のみならず、摂取水分量の不足は排尿量の低下を伴って尿濃縮を生じ、腎臓にかかる負担が大きくなって腎機能低下を招く。そして、そこから種々の老廃物が体内に蓄積される傾向が生じると、痛風や偽通風、石灰沈着性腱板炎など、結晶誘発性の炎症性疾患を来すようになる。尿道が短い女性の場合、尿流が減少することで易感染状態となり、膀胱炎を生じることが多くなる。そして膀胱炎を患うに伴い、膀胱の内壁が過敏状態となって頻尿や残尿感を生じ、膀胱それ自体も縮小する。授乳婦は水分の必要所要量が増大しており、これに飲水が追い付かない場合は脱水に陥り、線維筋痛症を生じてしまうことがある。また、頭痛薬が効かない難治性の頭痛には、慢性脱水によって生じた脳脊髄液圧減少症に伴う髄膜刺激症状で、いわゆるケルニッヒ徴候に等しいものがある。さらに、慢性的な脱水によって脳それ自体の萎縮をも生じ、びまん性の脳梗塞と相まって認知症の原因となるケースも考えられるだろう。

■水は第一選択の治療薬
かくのごとく、水こそ百薬の長であり、適量の水を飲み続けるだけで、随分多くの病気を未然に防ぐことができるのに、意外とその重要性が強調されることはない。それは、優れた生活習慣ほど医療業界の収益を損ねてしまうからかもしれないが、既に指摘した通り、線維筋痛症の特効薬は水に他ならない。そもそも、生物はすべからく水から生まれ、そこで育まれた後、陸上を生活圏とするものが現れるようになったのであり、水分摂取を疎かにすれば、健康に支障を来すのは当然である。水さえ飲めば治るものを、あれやこれやと症状を抑える薬を飲めば、体はさらに病を患うことになるだろう。水の代わりになる錠剤など存在しないのだから。

■脱水のモニタリング
慢性的な脱水があるか否かを診る目安は皮膚の湿潤状態をみる他に、第一肋間の圧痛の有無が重要だ。重篤な筋組織内脱水を呈しているような症例では、そこに著明な圧痛を示すからだ。体重50キロあたり、1500ml(食物中の水分込み)が一日の最低摂取水分量の目安となるが、個々の生活状況に応じて必要量はそこから増えることになる。屋外で過ごす時間が長ければ必要量は増大するし、発汗量の多い環境なら尚更だ。そういう場合は、尿量と尿の色で脱水状況をモニタリングすればよい。少なくとも二時間前後でまとまった量の排尿があり、尿の色が透明に近ければ問題ないが、数時間排尿がなかったり、排尿があっても少量で濃い色をしているようなら脱水だ。夏季は子供とお年寄りが脱水で死んでしまう季節であり、飲水量に関しては特に注意が必要である。

■水と塩を摂ること
実は、発汗量の多い運動選手にとって最適な飲み物はスポーツドリンクではない。スポーツドリンクは甘すぎる上にナトリウムが不足しているからだ。スポーツ選手は発汗によってナトリウムを大量に喪失するので、スポーツドリンクで水分を補うと血糖ばかりが高くなる一方、低ナトリウム血症を来して必要なだけの水分を摂ることができなくなってしまう。要するに胃にもたれて水分を欲しがらなくなってしまうのだ。人間の口渇感は血中の塩分濃度でコントロールされているため、低ナトリウム血症に陥ると、脱水状態であっても喉が渇かなくなってしまう。ラーメンのスープをすすった後で喉が渇くのは、この逆の現象だ。よって、真水だけで水分を摂ると低ナトリウム血症に傾いて必要なだけの水分を摂る事ができなくなってしまうので、適度に塩分を含んだ飲み物が必要になるわけだ。故に、発汗量の多いアスリートなら経口補水液の摂取が推奨される。食事の際にお椀物をつけると良いだろうし、お茶であれば昆布茶や麦茶を交互に摂るのもお勧めだ。但し、一度に大量の水分を摂取しないこと。急激に大量の水分を摂取すると、下痢をしたり、循環器に過剰な負荷となって血圧の上昇を来す恐れがあるからだ。勿論、利尿作用の強いカフェインを含む飲み物やアルコールは控えた方が良いし、それらを摂取する場合、必要量にその分を上乗せしなければならない。

■タイムラグ
さて、かくのごとく毎日水分摂取に努めたとしても、慢性的な脱水状態が改善されるのには時間がかかる。急性の脱水で問題となる循環血漿流量の減少は水分補給で速やかに回復するが、過剰分がすぐに排泄されて血圧が維持されるため、慢性の脱水を反映する筋組織内脱水の補正には、40歳位で約1週間、70歳位で約2週間程度かかる印象だ。ゆえに、MDS(Medical Dynamic Stretching)も、その間は効果が乏しいが、筋組織内脱水が補正されれば、著効するようになる。厄介なのは、整形外科を受診する初診の外来患者のほとんどが、この慢性脱水状態であるため、MDSの効果が乏しく、なかなかこれで治るという実感を得てもらうのが難しい場合のあることだ。治す方法を伝えることはできても、それを実行してもらう難しさと直面せざるを得ないのである。
 

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コメント
3. SHO[10] gnKCZ4Ju 2019年1月11日 08:33:58 : JFXPHuI0xM : 2SHe7Ks@RNM[1] 報告
脳脊髄液圧減少症⇒脳脊髄液減少症に訂正

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