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ギラン・バレー症候群 免疫抑制の薬で重症患者の70%余が回復
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180423/k10011413961000.html
急に手足の筋力が低下して後遺症が出るおそれがある病気「ギラン・バレー症候群」の治療で、従来の方法に加えて免疫の働きを抑えるとされている薬を投与すると重症患者の70%余りが回復したという研究結果を千葉大学などがまとめました。
ギラン・バレー症候群は、かぜや下痢など感染症の症状が出たあと、急に手足の筋力が低下する病気で、細菌やウイルスに感染したことをきっかけに、体内で作られた抗体が誤って自分の神経を攻撃することが原因と見られています。
血液製剤などを投与するこれまでの治療法では、患者の20%ほどにまひなどの後遺症が出ることが課題となっていました。
千葉大学医学部附属病院など全国13の医療機関で作る研究グループは、発症から2週間以内の重症患者34人を対象に、従来の治療法に加えて「エクリズマブ」という薬を投与した際の効果を調べる臨床試験を行いました。
エクリズマブには免疫機能の一部を抑制する効果があるとされ、半年後には、投与した患者の74%が走れるようになり、ほぼ後遺症がなかったということです。
千葉大学医学部附属病院の桑原聡教授は「新たな治療法の可能性を確認できた。さらに研究を進めて、実際に医療の現場で利用できるようにしたい」と話しています。
国内で年間1400人が発症
ギラン・バレー症候群は、手や足などの神経に障害が起きる病気で、急にしびれや脱力などの症状が出て、重症の場合、呼吸不全を起こすケースもあります。
細菌やウイルスに感染したことをきっかけに、体内で作られた抗体が誤って自分の神経を攻撃することが原因と見られ、国の研究班の調査では国内で年間1400人ほどが発症しているということです。
症状が治まれば再発は少ないということですが、血液製剤などを使った従来の治療法では患者のうち20%近くに後遺症があり、発症直後に神経へのダメージをいかに抑えるかが課題となっていました。
千葉県内に住む69歳の女性は、26年前に40度近くの高熱が出たあと手足に力が入らなくなり、1週間ほどで首から下が動かなくなりました。
リハビリを続けた結果、手すりなどにつかまって歩けるようになりましたが、今でも移動の際には車いすなどが必要で、早期の診断と適切な治療の重要性を訴えています。
女性は「自分が発症したときにはリハビリしかありませんでした。若い人でも発症することがあると聞いているので、新しい治療法ができれば、すばらしい」と話しています。
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