http://www.asyura2.com/16/health18/msg/500.html
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【第65回】 2017年4月22日 工藤 渉
五月病を侮るな!不安障害やうつ病に悪化することも
症状があるのなら五月でなくとも何らかの疾患を疑ったほうが身のためだ
環境変化への不安が高まる5月
一時的にうつ状態を引き起こすこともある
「木の芽どき」や「新緑の季節」と呼ばれるこの季節は、一年を通して最も気持ちのいい時期だ。気持ちの浮き立つ時期と考える人が多いだろう。だが木の芽どきには精神状態が不安定になりやすいとの俗説もあるように、悪い意味で気持ちの浮き立つ時期とも言えるかもしれない。それに加え就職や進学、企業などでは配置転換もよく行われる時期でもある。まさに(期待と)不安の時期なのだ。いわゆる「五月病」の季節でもある。
「五月病」とは医学上の正式な病名ではない。環境が変わってしばらくたった新入社員や新入生を中心に、五月頃になるとやる気が出ない、気分が沈みがちという状態がよくみられることから名付けられたものだ。
新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。多くの人が経験したことがあるはずだが、気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともある。とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えない。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼす。
例えば、気分が落ち込み体調も優れず会社を休んでしまったが、そのことにより自分を責める、他者の視線も気になり出社しにくくなる、あるいは心身の調子が悪いのに無理して働いているうちに本格的に体調を崩し精神状態も最悪になる、などの影響だ。症状を深めるように悪循環を引き起こすと、「うつ病」と呼ばれる状態になってしまう。病院へ出向けば、うつ病などの「気分障害」か、適応障害などの「不安障害」と診断されることになるだろう。
将来起こり得る危険や苦痛に対する不安が
心身を押しつぶす「不安障害」
仕事にも学業にも不安はつきものだが、とくに慣れない環境での不安は「不安障害」を引き起こすことが多い。将来起こる可能性がある危険や苦痛に対する不安が心身を押しつぶすのだ。
不安の原因を除けず対策が取れないと、不安は増大してしまう。困ったことに、精神状態が良くない場合は不安を特定して対策をとるといったプロセス自体が非常に困難なものに思えてしまい、後回しになる。その結果不安は払拭できずさらに増大するという悪循環に陥ってしまうのだ。
このような状況では、交感神経、副交感神経といった自律神経系の働きに乱れが生じ眠れなくなっていることが多い。脳内の「興奮を鎮めるメカニズム」がうまく働かないためだ。不眠による疲労が心身に与える悪影響により、ここにも悪循環への入り口が開いてしまう。
不安障害は抑うつ状態やうつ病と症状は似ているが、原因(ストレスの要因)が比較的はっきりしているという点が異なるとされる。つまり原因を除くことができれば症状も良くなるということだ。だが気分障害(うつ病など)と不安障害(適応障害など)は共存していることが多いとされるため、完全に切り分けることも難しいようだ。
五月病症候群の予防は「健康への万能薬」
自覚したら早く病院へ
これらを含む可能性がある「五月病症候群」の予防法だが、まず規則正しい生活、バランスのとれた食事、適度な運動、といった健康への万能薬が挙げられる。さらに趣味の時間を確保したり、友人と楽しく過ごしたり、可能なら人に相談することも重要だ。だが五月病を「発症」してしまうような状況では、多忙の中で時間が足りず予防法の実行そのものが難しい場合も多い。
あなたが自分の症状を自覚できたら、あるいは幸いにも誰かが指摘してくれたら、医師に相談するのが結局は五月病から逃れる早道だろう。その時間すら作りにくい、その気力も湧かない状態かもしれないが、ここだけは無理してみよう。何らかの病気が疑われるのならあれこれ考えるより、まず病院へ。これはすべての症状にいえることで、周囲の人々はもちろんあなた自身のためになることだ。
(ライター/工藤 渉)
参考URL:
厚生労働省 こころもメンテしよう 五月病
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/case/my/my_06.html
湧永製薬株式会社 五月病
http://www.wakunaga.co.jp/health/month/post_56.html
http://diamond.jp/articles/-/125760
【第205回】 2017年4月22日 降旗 学 :ノンフィクションライター
「自慰1回で罰金100ドル」米テキサス州で珍法案提出の意図
のっけから映画の紹介で恐縮だが、好きな映画のひとつに、ケヴィン・スペイシー主演の『アメリカン・ビューティ』がある。
ケヴィン・スペイシーと言えば、ブラッド・ピットやモーガン・フリーマンと共演し、猟奇的な殺人犯(ブラッド・ピット演じるミルズ刑事の奥さんを殺害して切断した生首をミルズ宛に送りつけるような殺人犯)を演じた『セブン』や、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアーズらと共演し白尽くめのスーツで固めた伊達な刑事役を演じた『LAコンフィデンシャル』などがあるが、『アメリカン・ビューティ』のケヴィン・スペイシーも捨てがたい。
この映画でのケヴィン・スペイシーは、年頃の娘にも嫌われる冴えない中年親父を演じているのだが(事もあろうに娘の同級生アンジェラと恋に落ち、アンジェラの“マッチョになった彼と寝たい”の一言で目ざめ、取り憑かれたように筋トレに励むコメディ)、劇中では妻キャロリンとのこんなやり取りがある。深夜の夫婦の寝室で、何やらもぞもぞと動く夫にキャロリンが声をかける場面だ(掲載の都合上、夫婦の台詞は一部“伏せ字”にしてあります)。
「何してるの?」
「何も」
「オ×ニーをしてたとか?」
「違うよ」
「そうよ」
「いいとも、オ×ッてた。せ××りをこいてた。ハンドポンプでモミモミしてた」
「いやらしい」
「ぼくの血管には血が通っているんでね」
「わたしもよ」
「だからムズムズを発散させてたんだ」
「もう嫌、こんなの結婚生活じゃないわ」
「ずっと前からさ。だがぼくが黙ってりゃきみはハッピー。ところがぼくは変わった。きみが応えないから自分で××をかいたのさ」
「欲求不満は自分だけだと?」
「じゃ来いよ、ぼくはOKだぜ」
奥さんに相手にされず自慰にふける旦那というのも惨めなものだが、まるで映画のケヴィン・スペイシーをなじるかのように、先ごろ、テキサス州では民主党の女性議員が“男性の自慰行為一回につき一〇〇ドルの罰金”法案を議会に提出した。愛の国スウェーデンではカップルの愛を深めるため“一時間のセックス休憩”を求める法案が提案されたが、こちらは逆だ。法案は――、
〈男性が女性の膣内あるいは不妊治療などのために医療機関で精液を採取する場合以外に射精した場合(=オナニーした場合)、一律一〇〇ドルの罰金を科す〉
というもの。こういうばかげた法案を提出するあたりがいかにも民主党っぽくて面白いが、法案提案者はテキサス州議会のジェシカ・ファーラー氏という下院議員だ。おそらくフェミニストなのだろう。
「テキサス州が女性に対してやってきたことに目を向けてほしい」(CNNのインタビューより)
ファーラー議員はこのようにコメントしている。テキサス州は全米でもっとも人工中絶手術を受けにくい州として知られ、医師に対する規制が強化された二〇一四年以降、中絶手術を施す医療機関は四十四施設から十八施設へと約三分の一に減った。他方では、妊娠関連の合併症で死亡する妊婦が急増してもいるのだそうだ。
「テキサス州政府は中絶を禁止する理由に“命の尊厳を守ることができない”をあげています。男性のオナニーは、命を作ることに貢献しない、まったく無駄な行為です。命の尊厳を守らなかった精液から得た資金を子どもの命を守る運動に使いたい」(ワシントンポスト紙のインタビューより)
ファーラー議員は、自慰行為を“生まれる前の子どもにとって良くない行為”とも言っている。この決めつけのような発言に反論したい男性諸君もあまたおられることだろう。私も、自慰行為が生まれてくる子どものために良くないとする説は初めて目にした。
コンドームのような避妊具は性病などの感染防止においては意味があり、角度を変えて見れば、コンドームは大量の精子を留め置くのだからこれもまた“命を作ることに貢献しない”立派な行為になるが、ファーラー議員はそのあたりには触れていない。ペッサリーも同様だ。おまけに、ペッサリーには殺精子剤が使われている。
また、成長期や思春期、青年期の男性が性行為をはじめ長らく自慰もしなければ“夢精”という生理現象を来すが、こちらは問題視しないのか。夢精を解消するには適度なマスターベーションが良い――、とする説もあるのだが。
このへんの説明が省かれているから、テキサス州共和党のトニー・ティンダーホルト議員に批判されるのだろう(ティンダーホルト議員は中絶手術を行なった医師と妊婦を殺人罪に問える法案を提出)。
「テキサス人として恥ずかしい。彼女は人間の生物学に関する基本的な理解が欠けている。中学校の生物学教室からやり直したほうがいい」(地元紙『テキサストリビューン』より)
テキサストリビューン紙が“法案は男性のオナニーの新しい習慣を目指す”と題したこの法案には、一〇〇ドルの罰金の他、男性が精管切除手術(パイプカット)を受ける前や勃起障害(ED)治療薬「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」などを購入する際、男性に“二十四時間の待機”を義務づけることも盛り込まれている。
共和党が推進している“中絶規制法案”には、中絶手術を受ける女性は、手術前に膣内超音波検査を受けるために“二十四時間待機”しなくてはならないとあるため、これに対抗する法案としてファーラー議員は提案したらしい。
「手術前に二十四時間待機し、膣内超音波検査を受けるのは医学的に必要のない手続きで、女性に屈辱を与えることが目的です。もし男性が同じような手順を踏まなければならないとしたらどうなのか」(テキサストリビューン紙のインタビューより)
女性に屈辱を与えることが目的――、と断定する物言いから判断しても、ファーラー議員はフェミのようだ。あるいは“ミサンドリー”なのかもしれないが、中絶手術を受ける女性が二十四時間待機させられるのだから、パイプカット手術やバイアグラを購入するときは男性も二十四時間待機しろ、が法案提出の背景にあるらしい。ファーラー議員が続ける。
「たとえ法案が成立する見込みはなくても、テキサス州の女性が置かれている困難さを男性に理解してもらうために風刺を込めました。特に州議会の男性議員には女性に行なってきたひどい仕打ちを自ら味わってほしい」
先日のフォーブスジャパンが伝えたところでは、アメリカでも“セックス離れ”が深刻化しているそうだ。一九九〇年代の年間のセックス回数の平均は七十三回だったが、二〇一四年の調査では五十五回に減少し、さらにこの平均値は未婚者の年平均五十九回を下回る結果にもなったとのことだ。つまりは、夫婦より独身者のほうがセックスをする機会が多いということだ。
夫婦のセックス回数が減れば、ひいては少子化を加速させることにもなるため、子作りを怠って自慰にふけった場合は罰金一〇〇ドル――、という理屈ならまだしも、法案の提出理由が“自慰行為は命を作ることに貢献しないから”では、この法案が議会を通過することはないだろう。
でも、もし法案が議会で承認され法律が施行されたら、自己破産ならぬ“自慰破産”する男性も出てくるのだろうか? というか、この法案だが、自慰をしていたことを誰がどのように証明するのだろうか。子どものマスターベーションを見つけたら、親は警察に通報しなければならないとか?
映画『アメリカン・ビューティ』に当てはめると、布団の中でもぞもぞしている夫を見とがめた妻キャロリンが警察に電話して、もしもし警察ですか、急いで来てください、いま主人がオ×ニーしています、と通報するのかしらね。
アメリカで“自慰に罰金”論争がわき起こっているそのころ、イギリスでは“情熱的な一夜を過ごした”カップルの“不始末”が報じられていた。二十歳のベンと一八歳のエイミーが甘い夜を過ごした翌日のことである。
メイシーちゃんという二歳になる姪っ子がエイミー宅へ遊びに来た。メイシーちゃんは、ピンク色のブレスレットのようなものを手首につけ、“新しい腕時計よ”と言って家族に見せびらかせていたという。それを見たエイミーは驚き、慌ててメイシーちゃんの手首からその腕時計のようなものを取り上げ、家族の目につかない場所に隠した。そして、ボーイフレンドのベンにメールを送り、こんなやり取りをしたそうだ。
〈ちょっと、冗談じゃないわよ〉
〈なんだよ〉
〈昨日の夜、アレをベッドの横のテーブルに置いたままだったでしょ〉
〈しまった、そうかも。でも、それがどうかしたの?〉
その“アレ”をメイシーちゃんは手首にはめて喜んでいたのだが、アレというのは、前夜のセックスの際、ベンが男性器に装着したリング型の“大人のおもちゃ”だったのだそうだ。
五〇歳を過ぎて勉強不足というか経験不足というか、性器に装着するリング型の大人のおもちゃというものを知らなかったので、アダルトグッズ専門サイトを覗いてみた。すると、私は本当に勉強不足というか経験不足だったようで、初めて見るような“器具”が通販サイトの商品紹介よろしく並んでいたのはいいが、どうやって使うのかわからないような器具や、果たしてこんなものを使って気持ちいいのだろうか、と考え込んでしまうような器具のオンパレードに悩まされた。
それでも、二歳児が腕時計と間違えて手首にはめるくらいのサイズで男性器に装着するリング型の大人のおもちゃを探してみるのだが、さっぱり見当がつかない。イギリスでは二十歳と一八歳のカップルが使っているというのに。お心当たりのある方は教えてください(利用経験のある方は、その使い心地も教えてくださると助かります)。
大人のおもちゃと言えば、そのむかし、NHKに『連想ゲーム』という番組があった。男性チーム女性チームに分かれ、キャプテンが出したヒントから答えを“連想”するクイズ番組で、たとえば、キャプテンは“振り子”“背面キャッチ”“二〇〇本安打”といったヒントを出すのである。答えはすぐにわかると思うが。
ある回で、女性チームのキャプテンが“電動”とヒントを出したとき、回答者が“こけし”と応えたという有名な都市伝説があるのだが、この話は本当なのだろうか。あるアイドルが空港の手荷物検査に引っかかってバッグを開けたら中に大人のおもちゃが入っていたという都市伝説もあるのだが。
さて、お気に入りの“腕時計”を取り上げられたメイシーちゃんだが、泣きながら家中の引き出しという引き出しを開けてピンクの腕時計を探し回ったそうだ。二歳児を泣かせたのは二十歳と一八歳のカップルである。
アメリカでは“自慰一回につき一〇〇ドルの罰金”などというばかげた法案が提出されたが、法案が承認されたと仮定して、煙草貯金に倣い“自慰貯金”なんてことを始めてみてはどうだろう。私は煙草をやめて間もなく三年になるが、煙草貯金はとうのむかしに一〇〇万円を突破した。
だから、自慰一回ごとに一〇〇ドル(約一万円)は無理だと言う人でも、毎回一〇〇〇円を貯金してみたら、一年後には大金持ちになっているかもしれないぞ。
というわけで、冒頭で映画を紹介したので最後も映画のお話から――。
ジョージ・クルーニーとヴェラ・ファーミガが共演した『マイレージ、マイライフ』とう映画では、遣り手のビジネスマンとビジネスウーマンを演じる二人の、互いに干渉しない、深入りしないことを前提とした“大人の関係”が描かれていて、劇中の二人はこんなメールのやり取りをする(ストーリー説明は割愛します)。
〈 Can't fall asleep. 〉
〈 You should rub one out. 〉
〈 Way ahead of you. 〉
〈 Have sweet dreams about me. 〉
大人の女は、“自分でやっちゃいなさいよ”みたいなことを言うんですね。世の中には、自慰を無駄な行為と断じる女性政治家もいれば、いやらしいと糾弾する奥方もいて、かと思いきや“ You should rub one out. ”なんてことを勧める女性もいるわけです。
そして、大人のおもちゃは、使ったら子どもの手の届かないところにしまいましょう。
参考記事:CNN3月14日付、ハフィントンポスト3月14日付、J-castヘルスケア3月16日付、フォーブスジャパン3月22日付、metro.co.UK4月13日付他
(ノンフィクションライター 降旗 学)
http://diamond.jp/articles/-/125691
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