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治療は点眼薬が中心です。症状が自覚しにくく、気づいた頃にはかなり進行していることがあります
失明原因第1位!40歳過ぎたら「緑内障」に要注意
http://diamond.jp/articles/-/117603
2017年02月11日 工藤 渉 男の病気 ダイヤモンド
■日本人の失明原因、第1位は緑内障
自身や身近な人が患者である場合、あるいは自身がその恐れありと診断された場合をのぞけば「緑内障」に関心のある人は少ないのではないだろうか。しかし、日本人が失明する原因の1位はこの緑内障なのだ。
失明するという時点で怖いが、一説には40歳以上の日本人の20人に1人の割合で患者がいる。初期の段階では自覚症状がほとんどないため、緑内障に関する知識を持っておくことや、定期的に検査を受けることが重要だ。スマホ等によって目を酷使する現代では、少子高齢化もあいまって患者数が増えると予測されている。
■自覚症状が出にくい点も恐ろしい
緑内障とは、日本緑内障学会のガイドラインによれば「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」とされている。もっと簡単に、「主に眼圧がその人の絶えられる値より高くなることにより視神経に障害が起こり視野が狭くなる」病気だと考えてもよい。
視野が狭くなる、見えない場所(暗点)が現れるといった症状があるが、緑内障は一般にゆっくりと進行するので、症状を自覚しにくい。自覚症状が現れた頃には病気がかなり進んでいることになる。さらに恐ろしいことに、緑内障の治療はあくまでも進行を抑えるためのものであり、いったん失った視界を取り戻すことはできないのである。
■目薬による治療が一般的
そもそも眼圧が上がる原因は、加齢による機能低下などにより主に目の中の「房水(ぼうすい)」という水の流れが悪くなることにある。房水には目の中の組織に栄養を運ぶ役割があるが、眼圧を維持して眼球の形を保つためにも重要だ。この流れが悪くなりたまると眼圧が高くなり、角膜がむくむこともある。その際に瞳が(緑というより)青っぽくみえることから病名がついたともいわれる。
緑内障の治療は、眼圧を下げることでこれ以上視神経に障害を与えないことが基本である。実は日本では眼圧が高くないのに発症する「正常眼圧緑内障」の患者も多いのだが、もともと視神経の眼圧への抵抗力が弱いため、比較的低い眼圧でも障害が起こるのだと考えられている。よって正常眼圧緑内障でも、眼圧を下げる治療は有効である。
治療方法には「薬物療法」「レーザー治療」「手術」がある。他の病気と同様に緑内障のタイプやそれぞれの病状に合わせて治療方針が決定されるのだが、多くの場合、点眼薬による治療が行われる。点眼薬には心理的抵抗が少ないので、これは吉報と感じる人が多いのではないのだろうか。
■とりあえず眼圧検査と眼底検査を毎年受けること
恐ろしい病気ではあるが、前述のように治療により進行を抑えることはできる。ならば早期発見が重要だ。症状を自覚しにくいのでなおさらだが、急激に症状が進行するタイプの緑内障でないかぎり、人間ドックを受けていればまず大丈夫だ 。
というのは一般的な人間ドックで行われる「眼圧検査」や「眼底検査」で眼圧の異常や視神経の障害がみつかれば、専門医の診察を受けることになるからだ。また急激に症状の進行するタイプの緑内障なら、あからさまに自覚症状が出るので人間ドックを待たずに専門医を訪ねざるをえない。
人間ドックではなく定期健康診断しか受けないの場合は、眼圧・眼底検査は検査項目に無いだろう。そういう人には、年に一度、眼科を受診することをおすすめする。
緑内障の診断と治療の技術は日進月歩だから、よほどの難治性の緑内障にかかってしまったか、長期間にわたって自分の体調に無頓着というのでないかぎり、「失明」にいたるケースは少ない。失明原因が1位であるのは、病気による失明自体が比較的少なく、対して緑内障の患者は非常に多いということだろう。
(工藤 渉)
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