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過剰な健康管理、かえって長生きできないというパラドックス…特に50代以降は逆効果?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/357.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 2 月 01 日 00:59:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

過剰な健康管理、かえって長生きできないというパラドックス…特に50代以降は逆効果?
http://biz-journal.jp/2017/02/post_17894.html
2017.02.01 文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表 Business Journal


 お金と健康は共通点がある。私の専門は年金や資産運用、行動経済学などですから、経済については常々高い関心を持っていますし、さまざまな専門家の意見を聞くことも多くあります。一方では、60歳を過ぎるといやでも健康のことを考えるようになります。そうすると実に不思議なことに気がつきます。実は、お金と健康というのは意外に多くの共通点があるのです。

(1)どちらも人にとっては大切なものである
(2)どちらも手に入れるために努力をする
(3)どちらも人生を楽しく過ごす手段なのに、往々にして目的と化す
(4)どちらも専門家がいてそれなりに発言しているが、いい加減なものも多い
(5)どちらも死んだら役に立たない

 このうち、私もお金については専門家の端くれですから、(3)を思いついたときは思わず苦笑してしまいました。実は専門家とまでいわなくても、両方とも俗説があって、誰もがその俗説に惑わされているというケースがあります。お金に関してはそういう俗説をあげていけばキリがないので、今回は健康に関する俗説の矛盾みたいなことを考えてみたいと思います。

 年をとると、誰もが体のどこかに具合の悪いところが出てきます。そこで多くの人が健康を維持するために食事に気をつけたり、運動したりします。最近は健康志向が高まり、テレビの番組でも健康に関するものは大変高い視聴率を得ているようです。特に最近の特徴は平均寿命よりも健康寿命に関心が高まっていることです。それは確かにそうだと思います。いくら生命的に長生きをしても、寝たきり状態になるのは誰も望んでいません。寝たきりで長生きするよりは、元気で過ごしながらある日突然逝くということを望むのは当然かもしれません。

■PPKのパラドックス

 そんな風潮の中で、PPKという言葉がときどき話題になります。これは「ピンピンコロリ」のローマ字表記の頭文字をとった言葉です。先ほど述べたように、死ぬ間際まで元気に活動して最後を迎えたいという願望を表した言葉だといえるでしょう。一昨年には、この問題を扱った作家・久坂部羊氏の小説が原作のテレビドラマも放映され、話題になりました。

 ところがこのPPKには実は大きなパラドックスがあるのです。誰もが健康に気をつけて体を鍛える最大の理由はまさにこのPPKを望んでいるからなのですが、皮肉なことにそうやって体が丈夫になっていくと、そう簡単には死ねないからです。

 そもそも突然亡くなるというのは、どんな病気の場合でしょうか?

 それはおそらく脳卒中や心筋梗塞等の心臓病が多いと考えられます。こうした病気の多くは、動脈硬化などの血管の障害や高血圧などといったことです。こうした症状の原因の多くは、生活習慣によるものです。つまり食べすぎ、飲みすぎ、運動不足という不摂生をすればするほど、こうした突然死を招きやすくなるともいえます。逆にいえば、生活習慣を正し、運動や食事に気をつけていれば、こういう病気にはなりにくいため、突然死もなくなるということです。

 これはまさしくパラドックスです。極端な言い方をすれば、ずっと元気で普通に活動していてポックリ逝きたければ、不摂生をしたほうが脳卒中や心臓病でポックリ亡くなることができる、というおかしなことになってしまうからです。これでは一体、なんのために運動や食事に気をつけているのかわかりません。

 ではずっと不摂生をしていたほうがいいのか、といえばそうともいえません。ポックリの時期が問題です。若いうちから不摂生を続けていれば平均寿命近くまで行かず、もっと早い時期の40代や50代で突然死を迎える可能性が高くなってしまうからです。これはこれで非常に大きなリスクといえるでしょう。

■自然体を心掛けるのがイチバン

 では、一体どうすればいいのでしょう。私は基本的には健康に留意して食生活にも気をつけ、適度な運動を続けるという正しい健康管理はすべきだと思います。ただ、そういった健康維持活動を過剰にやり過ぎる必要はないと考えています。

 世の中には健康オタクのような人がたくさんいて、健康維持に関して強迫観念のようなものを持っている人もいます。でも無理をして食べたいものを我慢したり、つらくても無理して運動したりするのは、なんだかむなしいような気がします。特に年をとって以降は無理をする必要はないと思います。

 食べたいものを制限するというのは、精神的にストレスがかかります。過激な運動も体に負担を与えかねません。結局、いつまで生きることができるか、どんな死に方をするのかは事前には誰にもわかりません。だとすれば、若いうちは節制をしたとしても、60歳以降になれば自然体で無理することなく、食事や運動もできる範囲内で留意するという程度にしておくべきだというのが私の考えです。

 残念なことに多くの人は逆で、若いうちは仕事のストレスで暴飲暴食、運動不足に陥りがちな反面、年をとると過剰な健康管理に走りがちになってしまいます。過去を取り戻すことはできませんが、少なくとも人生後半の50代以降は無理をせず、自然に任せて食べたいものを食べ、楽しく運動できるようにするほうが、結果として楽しい人生を送りながら長生きできるのではないでしょうか。

(文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表)
 

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