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理想の睡眠法とは(写真はイメージ)
「がん」や「生活習慣病」のリスクを減らす 理想の睡眠法とは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170105-00515304-shincho-life
「週刊新潮」2016年12月1日号 掲載
■万病から身を守る「理想的な睡眠」の新常識(2)
われわれの健康と大きな関わりをもつ、睡眠。前回は、睡眠の質の低下によって、各種がん、高血圧、糖尿病などの発症リスクが高まることを取り上げた。また、睡眠不足は肥満にも直結するので、相乗効果で生活習慣病のリスクも高まるという。
「満腹中枢を刺激し、食欲を抑制するレプチンと、食欲を亢進させるグレリンというホルモンがあって、十分に寝るとレプチンが分泌されるのに対し、睡眠時間が短いとグレリンの分泌量が増える。このため食べる量が増えてしまうのです」
こう説明するのは、管理栄養士で順天堂大学医学部助教の丸山広達氏だ。
「2011年に発表された調査では、男女30人に4時間睡眠と9時間睡眠をそれぞれ5日ずつ体験してもらった結果、4時間のときは1日平均2813・6キロカロリー分食べたのに対し、9時間のときは2517・7キロカロリーと、300キロカロリーも差がありました。成人女性を16年間追跡調査したら、7時間睡眠の人の体重が15キロ増えるリスクを1として、5時間の人は1・3だったという海外の調査結果もあります。筋肉の量を維持、増加させたり、代謝を促進したりする成長ホルモンも、寝ないと十分に分泌しません」
■分泌の相乗効果を
それでは、病気のリスクを減らす理想の睡眠とはいかに。医師でハーバード大学教授の根来秀行氏は、
「地球の自転に合わせて生きてきた人間には“体内時計”が備わり、それにもとづいて、身体の制御機能である自律神経と一部のホルモンは動いている。この二つを最大限に活かすのが理想の睡眠です」
と言って、こう具体的に掘り下げる。
「自律神経は、交感神経が優位になる昼は、身体の中心部にある脳や心臓などの深部体温が高くなる。一方、夜に副交感神経が優位になると毛細血管が開き、身体の末端は血液が集って体温が上がり、逆に、深部体温は1度ほど下がる。すると血液が身体の隅々にまで行きわたり、ホルモンや免疫細胞を届け、傷なども修復してくれるのです」
次にホルモンだが、
「朝起きて朝日を浴びると体内時計がリセットされて、眠りを誘発するメラトニン分泌開始のタイマースイッチが押されます。そして15〜16時間後に分泌が始まり、さらに数時間後にピークを迎えます。だから起きたら5分でも10分でも朝日を浴びて、前日に作られたメラトニンの働きを抑え、その日の夜にメラトニンとなるセロトニンを作り始めるスイッチを入れてあげるのです。日中、日光を浴びることができない人は、ガムをかんだり腹式呼吸をしたり、リズム運動でセロトニンを分泌させてください」
ちなみに、身体を修復させる成長ホルモンは体内時計に従わず、何時に眠っても、深いノンレム睡眠に入るとき、入眠して1、2時間で分泌されるという。だから、
「朝6時に起きると、メラトニンの分泌が始まるのが21〜22時。だんだん眠くなって23時に就寝すると、2時間後の午前1時ごろにメラトニンが分泌のピークを迎え、そのころ深い眠りに落ちていれば成長ホルモンも分泌されます。それぞれのホルモンはたがいに働きを促し、相乗効果が期待できます」(同)
■理想的な夜の過ごし方は
しかし忙しい現代人、眠る時間がとれないのもさることながら、眠りたくても眠れないことも。そこで理想的な夜の過ごし方を根来氏に尋ねると、
「食事は就寝の3、4時間前までに済ませておきたいです。寝る前に食べると胃に固形物が残り、交感神経を刺激してしまいます。ウォーキングなどの運動も交感神経が優位になるので、夕食前後に終えてください。お風呂は寝る1時間前には上がりましょう。睡眠は深部体温が下がると誘発されるので、入浴で体温を上げ、下がったところで寝ると寝つきがよくなります。また、リラックスするのはいいけれど、寝る前にカフェインやアルコールをとるのはNGです」
日本人は寝酒の習慣がある人が多いが、
「脳波を見ても、アルコールをとって寝たときのものはちゃんとした睡眠ではなく、意識を失った気絶に近い状態。アルコールが分解されて生じるアルデヒドにも覚醒作用があり、身体が休めません」(同)
就寝前の喫煙も同様に、避けるべきだという。
■テレビ、スマートフォンに注意
一方、入浴と似た効果がある飲み物が、
「ホットミルクです。飲むと身体の深部体温が上がって、その後、身体が体温を下げようとするので眠くなります。牛乳に含まれるカルシウムにもリラックス効果があります」
そう話す雨晴クリニック副院長の坪田聡氏は、寝る前の環境も大事だと語る。
「明るい光を浴びるとメラトニンが減るので、寝る前には、テレビやスマートフォンなどの明るい画面を見るのを避けたほうがいいです。また、日本のオフィスビルやコンビニの明るさは500ルクス以上あって、メラトニンを減らしてしまうので、就寝前には近づかないようにして、寝室はブルーライトだとメラトニンが減るので、暖色系のライトを使うことを勧めます」
とはいえ、無理は禁物だと日本大学医学部精神医学系の内山真教授はこう話す。
「とくに不眠症を予防するためにも、眠たくないのに無理に眠ろうとして床に就かないことが重要です。身体が眠る準備を始める時刻は、体内時計によって人それぞれだいたい決まっているので、眠たくなってから就床するのが一番。早く眠れるようにするには、起床時間を早めることです」
次項では、睡眠時間とアルツハイマー型認知症との関係、そして理想とされる「7時間睡眠」について取り上げる。
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万病から身を守る「理想的な睡眠」の新常識(3)へつづく
特集「がん・糖尿病・アルツハイマー……万病から身を守る『理想的な睡眠』の新常識」より
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