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新説「唐揚げダイエット」〜最新の研究から生まれた驚異の減量法 油を摂らないと、人間は痩せない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50054
2016.10.28 週刊現代 :現代ビジネス
健康のために油は摂りすぎないほうがいい――そんな常識は捨てたほうがいい。最新の研究で明らかとなった、油の秘めたる「力」とは。驚異の減量法「唐揚げダイエット」でみるみる体重が落ちていく。
■油で脂肪が燃える
「皆さんがダイエットをするときに、真っ先に控えるのは油ものでしょう。でもそれはまったくの誤解で、油を控えた食事を続けていると、逆に太りやすくなるんです」
そう話すのは、『日本人だからこそ「ご飯」を食べるな』などの著書をもち、これまで延べ3000人以上の患者の健康改善やダイエットを成功に導いてきた、沖縄徳洲会こくらクリニック院長の渡辺信幸氏だ。
肥満や糖尿病といった生活習慣病を解消するために、油を控えた食事を心がけている人は少なくない。だが、最新の研究ではこれがまったくの間違いであるということが明らかになりつつあるのだ。渡辺氏が続ける。
「肥満の原因となる中性脂肪を生み出すのは油ではなく、糖質なのです。それなのに油=悪という図式が、多くの人々に刷り込まれていたのには、根深い理由があります」
'50年代、当時生理学の権威であった米国のアンセル・キーズ博士の研究によって、「油の摂取量の多さが心臓病死と関連している」という発表がなされると、確たる検証を行わないまま大々的にマスコミによって報じられた。
これが社会問題化したことで、'77年には米政府によって「マクガバンレポート」と呼ばれる食事目標が示され、「米国人は食事における油の摂取比率を減らすべき」という風潮が人々の間に波及していった。
こうして油の摂取量は目標通りに減る一方、炭水化物の摂取量は増加傾向をたどっていくのだが—そうして、この国家ぐるみで行われた大規模実験は図1のような散々な結果をもたらすことになる。渡辺氏は言う。
「30年の間に、アメリカ国民の脂肪摂取量は下がったものの、肥満率は減るどころか倍増しています。つまり、油脂を制限した代わりに炭水化物(糖質)の摂取量が増大し、結果肥満率を押し上げることとなってしまったのです」
ここ最近になってようやく、過去の研究結果の見直しが行われるようになり、油を控えることが、血中の中性脂肪を減らすのに有益でないことが続々と報告されるようになっている。
現に、日本国内でも油に対する見方は大きく変化しつつある。厚生労働省が5年毎に発表する「日本人の食事摂取基準」でも、'10年版では30代女性の脂肪エネルギー(1日の摂取エネルギーのうち脂質が占める割合)の上限が25%だったのに対し、最新の'15年版では30%に引き上げられているのが、その証拠だ。
「糖質過多の状態でなければ、油に含まれる脂質によってむしろ身体の代謝がアップし、脂肪燃焼の働きも良くなるので、痩せやすく太りにくい体質に変わっていきます。つまり体内の脂肪燃焼の着火剤となるのが油だと考えればいいのです」
渡辺氏が言うように、食事で摂る脂質が多いほど中性脂肪が下がるという研究も行われている。もはや「油を摂らないと、痩せない」のはダイエットの新常識なのだ。
■動物性油が特にいい
糖質を控え、脂質を中心とした食事にすることで脂肪の燃焼はより活発化する。そのカギとなるのが、「ケトン体」と「糖新生」だ。渡辺氏が詳しく解説する。
「糖質の多い食事ではブドウ糖が身体のメインエネルギー源となりますが、糖質を除いた食事を習慣づけると、油(脂質)が身体のメインエネルギー源へと変わっていきます。体内にブドウ糖がなくなると、身体は脂質の一種である脂肪酸を分解して『ケトン体』という物質を作り出します。これがまず一つ目の脂肪燃焼作用です。
すると、不思議なことに脳が肝臓に対して『ブドウ糖を合成せよ』という命令を発します。その合成に必要な材料こそ脂質やたんぱく質であり、その際二つ目の脂肪燃焼が行われるのですが、この作用を『糖新生』と呼びます。これこそまさしく油で痩せる理由となる二つのメカニズムなのです」
とはいえ、近年ココナッツオイルやオリーブオイル、エゴマ油など、市販の油の種類も増え、どのような油を摂ってよいか迷っている人も多い。そんな中、渡辺氏はこう断言している。
「私は動物性油脂を摂るべきだと考えています。原則的に人間は肉食です。人間が植物を食べるようになった歴史は、つい最近の事です。その観点でいくと、動物由来の油のほうが人体に馴染むわけです。
『植物性のほうが動物性よりも健康にいい』という考えが未だ広く浸透していますが、サラダ油などよりも、バターなど動物性油のほうが実は安全で健康的だというデータが日本脂質栄養学会で発表されています。ことダイエットに絞るのであれば、ずばり『唐揚げダイエット』が効果的です」
唐揚げというと、「油と肉の塊」のイメージが強く、ダイエットには不向きと思えるが、すでに海外ではその驚異的な減量効果が証明されている。
'08年にイスラエルの研究グループによって実施された、様々なダイエットに関する臨床実験がその一つだ。
この実験では3つのダイエット方法について、最も減量効果があるものを調べている。(1)油を控えて、カロリーも控える「低脂肪食」、(2)オリーブ油(植物油)を中心に油を摂取しつつ、カロリーは控える「地中海食」、(3)糖質だけを控え、カロリーは無制限で、空腹時に鶏の唐揚げを食べる「ロカボ食」の3つだ。
ここで紹介されている「ロカボ(ローカーボ)食」とは、糖質を多く含む炭水化物(カーボ)の摂取を控える代わりに、高脂質・高たんぱく質の食べ物をたっぷり摂ることで体重を減らす、近年注目を浴びているダイエット方法の一つで、この実験では、高脂質・高たんぱく質の食品として唐揚げが採用された。
これら3種類のダイエット法を322人の被験者に2年間にわたって行ってもらったところ、驚くべき結果が出た。
図2のグラフでは3つのダイエットによる減量の推移を示しているが、油を控えた(1)の「低脂肪食」がもっとも減量効果が薄く、カロリーを制限せずに鶏の唐揚げを食べ続けて油を摂取した(3)の「ロカボ食」が、もっとも高い減量効果を発揮した。まさに唐揚げは、ダイエットにきわめて効果的な食べ物なのだ。
■マトンもおすすめ
では具体的にどのように「唐揚げダイエット」を実践すれば、油を上手に摂取して痩せることができるのか。渡辺氏はこう説明する。
「『唐揚げダイエット』というネーミングではありますが、何も唐揚げだけ食べ続けろというわけではありません。基本的にこのダイエットは、私が考案した『MEC食』がベースとしてあります。
肉(Meat)、卵(Egg)、チーズ(Cheese)の3つに絞って摂取することで、糖質をほぼゼロに抑えつつ、人の活動に必要なエネルギーを生み出す脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの必須栄養素をカバーすることができます」
MEC食では、一日に肉200g、卵3個、チーズ120gの摂取が求められる。渡辺氏自身もこのMEC食を実践する一人で、朝食を食べず、昼食にはベーコンや唐揚げ、ゆで卵、診察の合間にチーズをつまみ、夕食は在宅時には豚しゃぶやポークソテー、外食時にはステーキや焼き肉をたっぷり食べているという。こうした食事を心がければ、油(脂質)が十分に摂れ、痩せることができるというのだ。
「ダイエット食として、鶏肉を使った唐揚げを一例として挙げましたが、一日の目安さえ守っていただければ、牛肉、豚肉、羊肉など好きな肉を選んで食べてもらって構いません。
ダイエットにこだわる方であれば、個人的にマトンもオススメします。マトンは脂肪酸と結合することでより脂肪燃焼効果を高めるL-カルニチンの含有量が他の肉類と比較して非常に多く、100gあたり208・9mgも入っています。
また、肉の調理方法についても油で揚げる以外に、焼いたりするのも自由です。まず食べることが先決なので、自分の好みに合わせていただいて大丈夫です。ただし、茹でるのはあまりオススメできません。極力肉の脂は落とさないことがこのダイエットでは重要だからです。脂身があることで、満腹感が生まれ、食事量そのものを自然と減らす役割を果たします」
また、唐揚げをつくる際には揚げ油にも気を付けたいところ。渡辺氏が揚げ油として推奨するのはなんとラードだ。
「あまり馴染みがないかもしれませんが、唐揚げに使う油としてダイエット効果に一番寄与するのは動物性油脂のラードであると私は考えています。一度に二つの動物性油脂を摂取することができるので、相乗効果でより効率的な脂肪燃焼が可能になります。
私の病院がある沖縄県ではラードを食べる文化が古くから根付いています。そのため受け持った患者の多くにはラードを揚げ油として使うことを積極的に勧めるようにしています」
とはいえ「唐揚げダイエット」に不安がないわけではない。これだけ油を摂ったら、大量のコレステロールが体内に蓄積し、健康に悪いのではないだろうか。渡辺氏はこのように答える。
「基本的に摂りすぎたコレステロールなどの脂質は自浄作用で水分と二酸化炭素として排泄され、多くは下痢になるだけで終わりです。コレステロールが動脈硬化の原因という話も、実は100年前の学説を基にしたもので、『悪玉』のイメージはまったくの誤解なのです」
■運動も必要なし
他にも、唐揚げダイエットを行う際の食べ方で気を付けておきたい点を渡辺氏は指摘する。
「食事の際には、毎回30回以上よく噛むようにしてください。咀嚼によって大量の唾液が分泌されることで、満腹感を得ることができます。そのため、比較的時間に余裕のある夕食時がこのダイエットに適しているといえるでしょう。
また、甘いものが欲しくなったら、和菓子などは控えて、牛乳やバターを原料としたシュークリームやバニラアイスがいいですね。
ちなみに、野菜を食べないと、栄養バランスが狂うのではないかという意見もいただきますが、MEC食で十分栄養学的な必須栄養素はカバーできているので問題ありません。むしろ野菜や果物は単体で摂ると、必須栄養素を補うのにたくさんの組み合わせが必要になってしまい、バランスをとるのは難しいんです。
そうは言っても、野菜ゼロの食生活をするのも現実的ではないので、まずは、肉・卵・チーズで必須栄養素をすべて摂取することを最優先し、その後に唯一の弱点であるビタミンCを補給するつもりで葉野菜などを摂ることをオススメします」
さらにこのダイエットには長続きする大きな要因がある。なんと、これだけ食べながら、ジョギングなどの運動はまったく必要ないのだ。
「このダイエットでは運動の必要はありませんし、むしろ余計な運動は食欲を増進させるので、逆効果になりかねません。『唐揚げダイエット』の原則は、あくまで唐揚げを楽しむこと。ただ、それだけでいいのです」
油と正しく付き合うことで、無理なく簡単に痩せられる。そんな夢のようなダイエット、試してみて損はない。
「週刊現代」2016年10月29日号より
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