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子供のタブレットPC利用、禁止するのが最善
「利用時間の制限だけでなく視聴内容にも注意を」米国小児科学会
子供によるタブレットの利用に関する新たな指針が発表された ENLARGE
子供によるタブレットの利用に関する新たな指針が発表された PHOTO: GETTY IMAGES
By CHRISTOPHER MIMS
2016 年 10 月 24 日 15:58 JST
筆者宅でタブレット型端末の平日利用を禁止し、週末も利用時間を制限したところ、6歳と4歳の子供たちに興味深い変化が見られた。怒りっぽかった2人は笑顔が増え、まわりの出来事に反応するようになり、より想像力を使う遊びを楽しむようにもなった。おもちゃを使って再び遊ぶようになり、外出時に駄々をこねることが減り、自分の感情をよりコントロールできるようになったようにも思える。
22日に米国小児科学会が発表した新指針によると、これらの変化には根拠がありそうだ。学会は18カ月未満の子供はタブレットなどの利用を控えるべきだと新たな発表で推奨。2歳児から5歳児に関してもこれまでの指針の半分にあたる1日1時間の利用に制限すべきだとし、その上でタブレットを利用する際は、親と一緒に「質の高い番組」を視聴することを勧めている。また5歳超の子供については特に制限はないが、就寝前の利用やその他の活動に影響を与える場合は注意すべきだとしている。しかしほとんどの親はこのような制限を守れていないだろう。
子供のタブレットやスマートフォン利用は、いまや大きなビジネスだ。アプリストアのデータ分析を手掛ける調査会社アップアニーによると、グーグル・プレイストアの「ファミリー」カテゴリーで販売されているアプリの使用時間は、過去1年で倍増しているという。2歳から11歳の子供は、1日平均4時間半の動画を視聴しているという調査結果もある。動画配信大手ネットフリックスの広報担当者によると、同社の全アカウントの半分以上で子供向けコンテンツが視聴されているという。
スマートフォン登場から10年
10年前にスマートフォンが登場しタブレット型端末も普及していく中で、われわれは子供を対象とした壮大な社会実験を今まで行ってきたといえる。しかしテレビの見過ぎが肥満や注意力散漫につながるとする研究はすでに多数存在するが、タブレットやスマートフォンが子供に与える影響の研究はまだ少ない。
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シアトル小児病院で子供の発達などについて調査を行い、米国小児科学会の新指針作成にも参加したディミトリ・クリスタキス氏は、この分野の研究が「まだ始まったばかりだ」と話す。同氏によれば、タブレットなどは利用時間だけでなく視聴している内容によっても子供が受ける影響が変わってくるという。
クリスタキス氏によればタブレットなどもテレビのように受け身の姿勢で見続けるのは有害だという。筆者と同様、夕飯の準備をする間や下の子を着替えさせる際に子供にスマートフォンを与えて邪魔をさせないようにする親にとっては、耳が痛い情報だ。クリスタキス氏はこのような利用方法を少しでも改善させるため、大人も子供と一緒に動画を視聴し、指さしなどを使って2人で同じ対象を認識する「共同注意」を発達させるべきだという。
3歳になるまでの間に子供が視聴する娯楽番組の累積時間は、成長後の注意力に影響を与えるともクリスタキス氏は話す。研究によれば、この期間の累積時間が1時間増えるごとに、7歳の時点で注意力に関する何かしらの問題を抱える可能性が10 %増えるという。「流れる動画を淡々と見続けるだけでは、共同注意を体験できる機会を失うことになる」とクリスタキス氏は話す。
量より質が問題か
しかし視聴している番組の内容が教育的なものである場合は、この公式は当てはまらない。俳優で子供向け番組「リーディング・レインボー」のプロデューサーもつとめるレバー・バートン氏は去年、タブレット向けのアプリ「スカイブラリー」を発表。「メディアはある意味どれも教育的だが、大切なのは何を教えるかという点だ」と同氏は話す。
子供が成長すれば利用するコンテンツもよりインタラクティブなものになり、単純にその影響を計算することも難しくなる。ビデオゲームの使用などは睡眠に悪影響を与えるとする研究はあり、それが学業や個人の記憶力の低下にもつながるとされている。しかし「マインクラフト」のように問題解決や建物を組み立てることが目的のゲームは、果たしてレゴで遊ぶよりも悪影響なのだろうか?
この疑問を提唱するのが、3人の子供の父親でありモバイルゲーム「ワーズ・ウィズ・フレンズ」の共同クリエーターであるポール・ベットナー氏だ。プレイフルの設立者でもあるベットナー氏は、ビデオゲームをしている時は「視覚的な情報と手の反射的な動きが必要だし、ゲームにはストーリー性もあるから物語に集中したり、いろいろ学んだり、さまざまなスキルを習得できる」と話す。同氏は子供たちのモバイル型端末の利用を1日あたり2時間から3時間に制限しているが、動画を見るならばゲームをするように教えているという。
子供によるモバイル型端末の利用は、時間制限ではなく内容の工夫をする方が重要だとだと示唆する研究結果もある。小学校1年生を対象に「ベッドタイム・マス」という算数のアプリを使った実験を1年間行ったところ、寝る前にアプリを利用した生徒は平均して他の生徒よりも3カ月分ほど勉強が進んでいたという。
iPhoneではなくハグを
英イースト・アングリア大学のテレサ・ベルトン氏は、「退屈な時間」が子供の想像力やクリエーティブな面の発達にどのような好影響を与えるかを研究している。同氏は子供の動画視聴時間を制限するにはまず保護者側も努力しなければならないと指摘。お手本となるために「自らもモバイル端末の利用時間を制限するべき」だと話す。
筆者はスマートフォンなどを使ったソーシャルメディアやメールの確認時間を減らすことで、子供たちと一緒に過ごす時間が増えたように思える。またタブレットの使用などが子供にどのような影響を与えているのかも垣間見えたし、今後どのようにこれらモバイル型端末と付き合わせていけばいいのかも考えさせられた。使用時間を制限するなどの工夫を行ったことで、思いがけない発見もあった。子育て中の世帯ならば、いろいろと気づかされることが多いかもしれない。
「小児科医として最も心配なのは、予防接種をした子供に対して親がiPadやiPhoneを与えて落ち着かせようとする場面だ」とクリスタキス氏は話す。「大抵の場合はそれでうまくいくが、よく考えてみてもらいたい。その場で子供が必要としているのは、iPhoneではなくハグではないだろうか」
(筆者のクリストファー・ミムズはWSJテクノロジーコラム「キーワーズ」のコラムニスト)
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