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林業から観光まで、「宇宙の目」が地方を救う
宇宙商売 ビッグバン
JTBが宇宙ビジネスに取り組む理由
2017年1月19日(木)
飯山 辰之介
2017年1月16日号の日経ビジネスの特集「宇宙商売 ビッグバン」では、宇宙の商用利用が進んでいる現状を詳報した。宇宙にロケットを飛ばしたり、衛星を打ち上げたりするのは限られた企業しか手掛けられないかもしれない。一方で、衛星データをうまく活用すれば、地上からでも宇宙は十分に活用できる。その利用方法は幅広い。「宇宙の目」をどう使うか。工夫次第では地域産業の活性化につながるかもしれない。
2016年12月21日、熊本市内にあるホテルで内閣府宇宙開発戦略推進事務局が主催する「スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)」の第1回分科会が開かれた。S-NETは宇宙をキーワードに新産業や新しいサービスの創出を目指すネットワーキング組織で、全国の関心ある企業が参加している。
昨年12月に熊本市で開かれた宇宙活用の分科会
議論された主要テーマの一つは熊本県で盛んな「林業」だ。特集でも触れた通り、既に農業では衛星画像を使って農作物の生育状況を分析する技術の実用化が進んでおり、漁業では海水温や潮流などの衛星データを集め、養殖の効率化に結び付けようとする試みがある。同様に林業でも「衛星データをうまく使えば競争力を高められる」と分科会で登壇したウッドインフォ(東京都中野区)の中村裕幸代表は期待する。
宇宙の目で森林資源を把握
ウッドインフォは情報通信技術(ICT)を活用し、林業の効率化を進めようと取り組むベンチャー企業だ。森林を3次元レーザースキャナーで計測し、地形や立木の位置、樹木の種類や形状などを細かく正確に把握できるシステムの開発を手がけている。このデータを基に付加価値の高い木を選び出して伐採することで、林業の生産性を高めようとしている。
この地上のレーザーを使った森林資源把握の弱点は、カバーできる範囲が限られることだ。人が歩き回って計測する必要があるため「1日2〜3ヘクタールが限度」(同)という。衛星画像があれば広大な森林を俯瞰し、土壌の質や日当たりなどが良く、立木の生育に適したエリアを見分けられる。伐採するエリアに目星をつけて、細かい状況把握には地上でやるという合わせ技を使えば、レーザー計測の弱点が補えるわけだ。
鹿児島大学農学部の寺岡行雄教授は「昭和30年代に植林されたスギなど、国内には利用可能な豊富な森林資源がある」と指摘する。だが、実際に利用できるのは全体の3割程度といわれる。山から製材所に木材を輸送する手間を考えると、林道に近いエリア以外で伐採しても、採算が合わないからだ。
残りの7割を使っていくためには、林道を通して搬入の手間を省いていく必要がある。この課題を克服するのにも「生育状況を俯瞰して育ちの良いエリアを特定できる宇宙の目が生きる」(ウッドインフォの中村代表)という。衛星画像があればこうしたエリアに効率よく林道を通す計画を立てられるからだ。
ウッドインフォは既存の計測システムに衛星のデータも取り込めるよう足元で開発を進めている。農業、漁業に加え林業まで、1次産業の多くの分野で衛星の活用が見込めるようになってきた。うまくいけば、こうした産業に頼る地方経済の活性に繋がっていくだろう。
準天頂衛星使って町おこし
地方活性という切り口でもう一つ、衛星の活用が見込めそうなのが観光だ。
JTBコーポレートセールスは2015年10月、石川県金沢市の湯涌温泉で、衛星を使ったイベントが楽しめるツアーを実施した。この温泉地は人気アニメ「花咲くいろは」の舞台となった。いわゆる「聖地巡礼」需要を取り込もうと、2011年から観光協会などが中心となってアニメで登場する架空の「湯涌ぼんぼり祭り」を実際のお祭りとして再現。毎年1万人以上が訪れる人気イベントに育てた。
JTBはスマートフォンの専用アプリを作り、金沢市内のアニメにゆかりのあるスポットを回るとオリジナル画像が手に入るツアーを合わせて実施。100人のアニメファンが参加し、好評を博したという。
JTBが手がけた準天頂衛星を使ったツアーのパンフレット
位置情報を取得するのに活用したのは準天頂衛星という日本独自の測位衛星だ。米国のGPS(全地球測位システム)より精度が高く、高い建物や山々に囲まれていても正確な位置情報を取得できる。現在は2010年に打ち上げられた「みちびき」の1機しか運用されていないため、サービスを利用できる時間帯が限られるが、2018年度からは4基体制となり、いつでも利用できるようになる予定だ。
「正確な位置情報を活用して、国内外の観光客に向けトイレの場所を示したり、(建造物などの)情報を提供できるようなサービスが展開できるようになるだろう」とJTBコミュニケーションデザインの古関和典・プロモーション事業部JTBピクチャーズマネージャーは準天頂衛星に期待を寄せる。
宇宙から見れば、地方と都市の差はわずかなもの。農林水産など一次産業の生産性改善から観光イベントまで、業種、地域の別なく幅広く宇宙は「使える」。今後、その利用のハードルはますます下がっていくだろう。この究極の飛び道具をどう活用するかが、幅広い産業にとって成長のカギになりそうだ。
このコラムについて
宇宙商売 ビッグバン
2017年、宇宙を舞台にしたビジネスが一気に拡大するビッグバンが到来する。ロケットや衛星の打ち上げ価格が劇的に下がり、 企業によるデータ活用や輸送、資源開発などに無限の可能性が広がる。あらゆる産業を変える「宇宙商売」の最前線に迫る。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011300103/011800003
キモイ奴の名刺は、シュレッダーにかけなさい!
職場を生き抜け!
2017年1月19日(木)
吉田 典史
nikkeiBPnetの人気コラム「職場を生き抜け!」は2017年1月から、日経ビジネスオンラインで掲載することになりました。これからもよろしくお願いします。過去の記事はこちらからご覧ください。
「うちの会社は、労使が難しい関係でして…」
キモイ奴の名刺をシュレッダーで処分する。このことがいかに大切であるかー。今回は、私の経験をもとに考えます。
まず、一例を挙げましょう。私は昨年、精神を破壊させられそうになりました。ある出版社の男性編集者と組んで、連載を数か月にわたり書いたのです。編集者が時間や予算、それぞれの記事の内容などについて一定のコントロールをします。書き手である私に助言などを機会あるごとにするのです。
ここまでは多くの出版社で見られることであり、問題はありません。精神破壊の作用が働くのは、ここからです。結論から言えば、編集者の話すこと、メールで書くことのほとんどが信用できなくなったのです。
例えば、労働組合の役員を取材し、記事として掲載したところ、メールを送ってきます。「部内で、この記事は左翼的という声がある。今後は、経営サイドの記事にしてほしい」。
ところが、ほかの連載には労働組合の役員が登場しています。編集者に質問をすると、メールで回答がありました。「うちの会社は、労働組合と経営陣が難しい関係でして…」とあります。なぜか、電話では説明をしないのです。
記事の内容と、会社の労使関係が何の関係があるのか、意味がつかめません。どうにも理解ができないので、この出版社の退職者数人に電話で確認すると、こう話していました。「労働組合は、はるか前に御用組合化している。役員らと関係が悪いなんてありえない」。
どちらの言い分が、事実関係として正しいかは断言できないものがあります。ですが、少なくとも私からすると、釈然としない思いが残りました。
嘘の上に嘘をぬり固める編集者
さらに気分が悪くなったのは、こんなメールです。「(原稿の中の)この言葉は、全国紙のA紙、B紙では使われていないので、うちでも使用しないようにしています」。
奇妙に思いながらネットで検索すると、2つの新聞社はもちろん、ほかの全国紙も通信社もその言葉を使用しているのです。急いでこの編集者にメールで確認しました。
今度は、「編集長がこの言葉を使うな、と言っています」と返信をしてきます。その都度、回答や話す内容が違うのです。本人も嘘の上に嘘をぬり固めるからなのか、何が事実で、嘘であるのか、自分にもわからなくなっているようでした。
とどめは、こんなメールです。「今回の記事について、〜という指摘の電話が読者からありました。したがって、〜という方向で記事を書くのをやめてください」。
正確にいえば、この編集者は数年前からこのようなことを書いて送ってきます。「読者からの電話やメールが…」というものです。なぜか、男性のところだけに電話やメールが集中するようです。魔訶不思議なことです。
ここ10数年で90〜110人の編集者と仕事をしましたが、こんなことをメールに書いてくる人はほとんどいません。この編集者はサイレント・マジョリティー、つまり、電話やメールを送ってこない多くの読者には配慮をしないのです。こちらは考えるほどに、後味が悪く、沈んだ気分になります。
編集者は暗闇の中、灯りのような存在となり、書き手をリードしていくのが使命です。この編集者は書き手がどこに進むべきか、わからないようにします。自分自身も心得ていないようです。ただ、社内や部内の空気などには敏感で、おびえているような感じはします。
お酒で愚痴っても、潜在意識には残ってしまう
私はたまらず、退職者数人に改めて電話をして確認しました。10年近い付き合いになるある方の解釈は、このようなものでした。
「本人の性格によるもの、だと思う。神経症な一面があるのかもしれない。社内の雰囲気や世論めいたものを観察し、先回りをしているのではないか。それが深読みになっていて、嘘や妄想に近いものになっているのかもしれない。
あの会社は、出版界の一流とまでは言わないが、その次に位置するセカンドグループ。一流出版社への屈折した劣等感やその反動の優越感からか、社員は自尊心が高く、互いにけん制し合いながら仕事をする傾向がある。こういう中では、空気を読んで生きていくことが必要と本人は考えているのではないか」
私は、イメージが湧いてくるように気がしました。男性編集者は周囲が自分をどう見ているのか、と不安になりがちだったのかもしれません。それがエスカレートし、疑心暗鬼になっていた可能性もあるのでしょうか。その結果として、部署や社内の空気や世論などを先回りし、嘘や創作の回答や返信をしていたのではないか、と思えるようにもなりました。
それにしても、気分を悪くする人でした。さすがに、よその会社である全国紙の記者のように振る舞い、語ることには、あきれました。私はその出版社と仕事をしているのであり、この際、他社のことは関係がないはずです。少々の嘘はともかく、その内容や頻度がここまでくるともはや、一線をこえているように思えたのです。
昨年末の大掃除のとき、この編集者の名刺をシュレッダーにかけました。お酒を飲んで、「あんな編集者は…」と愚痴をこぼすことはしませんでした。それでは、意識の中に残ってしまいます。
もう、一切の存在を消したかったのです。そのままにしておくと私の意識がいよいよ、おかしくなりそうでした。嘘だらけに見えて、何を信じるべきなのか、わけがわからないのです。
シュレッダーで “断ち切る”
やや話が広がりますが、フリーのライターや物書きは、数年以内に多数が消えます。仕事がなく、収入が少ないからです。書くことの収入のみで生きている人は、ごく少数です。では、なぜわたしは、かろうじて生きていくことができているのか。
理由の1つは、キモイ編集者の名刺をシュレッダーにかけているからだと思います。この“儀式”により、「マトモな人」とだけ仕事をするのだという意識を、繰り返し自分に刷り込んでいるのです。その反復が、本当に大切なのです。
自分に何をインプットしているのか―。それがどれほどに多いか。質が高いか。フリーの身である私にとっては、これらが勝負です。
インプットにより自己像を高いものにするためには、日ごろから、マトモな編集者で、一定のレベルを超えている人とだけ、仕事をするようにしていくことです。必ず、「仕事でつきあっていい人といけない人」の間に線を設けるのです。その線がないと、あらゆる編集者に「お客様は神様」と言わんばかりにすり寄っていかざるを得なくなります。
「つきあっていい人といけない人」の間に線を設けると、先の男性のような編集者に違和感を覚えます。「マトモではなく、一定のレベル以下」と判断するようになります。すると、自分の潜在意識が「こんな奴の名刺はシュレッダーにかけろ!縁を切れ!」と指示をしてくるのです。ためらうことなく、シュレッダーで名刺を処分するようになります。
縁が切れることは、一時期、その仕事の収入を失うことであり、痛手となりますが、心配はいりません。インプットの蓄積があれば、数か月以内にマトモな編集者で、一定のレベルを超えている人が不思議と目の前に現れます。しかも、はるかに上のレベルであり、収入も増えていくのです。気がおかしくなりそうな人と我満して仕事をしていると、不幸しか訪れません。
私は自分の力を顧みず、ハイレベルなものをインプットすることが多いかもしれません。結果として、自己像を実際以上に高いものにしているはずです。
ただ、それは、実力以上でかまわないのです。自己像を強力にするために、それを裏付けることをインプットしまくるのです。そのために、自己像を高めてくれる人とコミュニティーを作るべきなのです。
すると、「こんな人と組まない」と思えるボーダーラインなどがますます明確になります。これが短期的には損をするものの、中長期的には大きな得をする「生き残り戦略」です。
名刺を処分して困ったことは一度もありません
とはいえ、多くのフリーランスも会社員も、すぐには目の前の取引先や上司、先輩、同僚らとの関係を切ることはできないでしょう。だからこそ、シュレッダーで名刺を処分するのです。これで、少なくとも潜在意識の中での「服従」や「理不尽な関係」はしだいに弱くなっていくはずです。
私は、今回のような編集者から、強烈な負のエネルギーや波動を感じるのです。いったん、それに影響を受けると、自分の心や意識、感情がマイナスの方向に向かいます。 シュレッダーで名刺を処分すると、「こんな奴は、どうでもいい」と思えるようになり、一気に爽快な気分になります。本当に、空が青々と見えるようになります。
そのマイナスの波動を引き寄せてしまうのは、実はあなた自身なのです。「俺はこの上司の下につかざるを得ない」「ほかの会社に移ったところで、通用しない」「自分は結局、ここで埋没する」などと、潜在意識として決めてかかっているだけのことです。
これらには、何ら根拠がないのです。まさに幻想であり、妄想であり、思い込みでしかありません。間違ったものをふだんから潜在意識にインプットしまくっているから、ゆがんだ自己像を持つのです。所属するコミュニティーも誤りである可能性があります。自分を否定したり、へこませたりするような集団には入るべきではないのです。
あなたの評価は、上司や取引先などがします。しかし、値打ちや価値はあなた自身が決めること。潜在意識に、そんな輩たちを無断で入れさせ、価値まで下げさせてはいけないのです。
人との出会いに、別れはつきものです。会うは別れ、と言います。その儀式として、「シュレッダーで名刺を処分しなさい!」と機会あるごとに呼びかけています。昨年夏、私立大学の大学院で話す機会に恵まれた際も、力を込めて訴えました。「キモイ奴の名刺は、シュレッダーにかけなさい!」。
私は、この20数年で通算500〜600人ほどの名刺をシュレッダーにかけました。名刺を処分して、その後、困ったことは1度もありません。つまりは、そのレベルのつきあいだったということです。
今年、何枚の名刺をシュレッダーにかけたか、競い合いませんか?そもそも、この世の中のつながりのすべてが、「かけがえのない、切っても切れない関係」なんてありえないでしょう。1枚もないというのは、問題かもしれません。
筆者愛用のシュレッダー
このコラムについて
職場を生き抜け!
「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで――。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011600039/011600002/
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