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米デトロイトの自動車ショーで登壇したトヨタ自動車の豊田章男社長 (c)朝日新聞社
中小企業に影響、株価は軒並み下落? トランプが次に狙う日本企業〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170117-00000215-sasahi-bus_all
週刊朝日 2017年1月27日号より抜粋
待ちに待ったというよりはついにこの日が来てしまったか、という感じだろう。1月20日(日本時間21日未明)に米ワシントンで、次期大統領になるトランプ氏の就任式が開かれる。過激な発言を繰り返し、トップリーダーにふさわしくないとの批判もあるなかでの登場だ。就任前からトヨタ自動車を“口撃”するなどし、日本企業は戦々恐々としている。
トランプ氏のつぶやきは、「トランプ砲」「ツイッター砲」と例えられ、破壊力は抜群だ。日本企業として最初に狙い撃ちされたのはトヨタだったが、次なる標的はどこか。
トランプ氏がこだわるのが、メキシコに進出する大手自動車メーカー。米、カナダ、メキシコの3カ国間では北米自由貿易協定(NAFTA)がある。メキシコから米国に輸出される自動車は関税がかからない。このため賃金などのコストが安いメキシコに、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)などが相次いで工場をつくっていた。
これが米国の雇用を奪っているとして、批判を続けてきた。11日の会見でも、メキシコに移転した自動車工場などを念頭に、「米国の工場を閉鎖して多くの労働者を『殺害』した企業には国境税をかける」とした。
メキシコではトヨタのほか、日産自動車やホンダ、マツダの国内大手もそろって出ている。規模が大きいのは日産で、トヨタの約8倍の80万台超を15年に生産したとみられる。
大手証券のアナリストは「規模を考えれば、トヨタよりも日産やホンダが標的になってもおかしくない。日本企業の代表としてトヨタの名前をあえて挙げたのではないか」とみる。
トヨタが“口撃”されるのを目の当たりにして、国内大手の各社とも火の粉が飛んでくることを恐れている。「今はなるべく目立ちたくない」(大手幹部)として、取材への対応も消極的だ。
部品会社など多くの日系企業も活動する。調査会社の東京商工リサーチによると、16年11月時点でメキシコに日系企業の拠点は529ある。1割超が自動車の部品関連だ。
デンソーや豊田合成といったトヨタ系、日産との関係が深いカルソニックカンセイやジヤトコ、ホンダ系のケーヒンなど、さまざま。化学大手の三井化学はバンパーなどをつくる原料の工場があり、生産ラインを増やす予定だった。
部品会社が直接の“口撃”を受ける可能性は低いが、自動車大手の動きがすぐに波及する。大手証券のアナリストは「メキシコは自動車関連の進出ラッシュが続いていたが、発言を受けて計画を見直すところも出てくる」と分析する。
進出していない企業も安心できない。東京商工リサーチの原田三寛情報本部部長によると、自動車大手の生産計画に支障が出ると、部品の供給網全体が滞る恐れがある。「国内の中小企業にも影響が広がりかねない」と警告する。
電機業界も要注意だ。メキシコでエアコンをつくる三菱電機は、生産台数を増やす計画がある。パナソニックは換気扇の工場があり、ソニーはCD-Rなどを生産する。トランプ氏は米空調機器大手キヤリアのメキシコへの工場移転を「阻止」した実績を持つ。
さらに深刻なのは、トランプ氏が中国の工場も問題視していることだ。中国の拠点から米国へ輸出する電機メーカーは多い。「アメリカで売るならアメリカでつくれ」と迫られれば、生産が立ちゆかなくなる。
意外なところでは、製薬会社も影響を受けている。トランプ氏は11日の会見で「製薬業界はひどい状況にある」として、薬の値段を抑制する考えを示した。
薬価への不満を取り込む戦略だが、突然の発言に企業側は戸惑った。米国で販売する会社は利益が減る恐れがある。12日の東京株式市場ではアステラス製薬や塩野義製薬など、関連銘柄が軒並み値を下げた。
どこに飛んでくるかわからない「トランプ砲」に、経済界から反論もある。
日本商工会議所の三村明夫会頭は12日の会見で、「ツイッターで企業の個別戦略に影響を及ぼすというのはよくない」と明言した。大手メーカートップが発言しにくいのを受けて、あえて指摘したかっこうだ。
一方で、日本政府は表だって反論していない。「まだ就任していないので、政府として会見の発言についてコメントすることは控えたい」(菅義偉官房長官)
安倍首相も10日夜に都内であった財界人らとの会合で、フィリピンのドゥテルテ大統領やロシアのプーチン大統領との会談については上機嫌に語ったが、トランプ氏のことに話が及ぶと口が重くなったとされる。
正式に就任すれば改善するとの期待があるようだが、そうもいかなそうだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「保護主義の動きが強まり、メキシコ、中国の次に日本への圧力が高まる恐れがある。政府はこれまでも米国に反論できておらず、従うしかない」という。
政府も頼りにならないなかで日本企業の逃げ場はなさそうだ。「ふざけるな」と言いたいのは狙われる経営者のほうかもしれない。
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