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雑感。英国のEU離脱とダボス会議
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52902524.html
2017年01月17日 在野のアナリスト
安倍首相が4ヶ国歴訪から帰国しました。今回はバラマキとともに、トランプ米次期大統領と会った、との実績を誇るトラの威を借る…ならぬ、トランプの威を借る外交、といえるのでしょう。しかしTPPの早期成立を確認しあうなどしましたが、英国のEU離脱に対して「よいことだ」などと発言する人物が、日本政府の説得ぐらいで翻意し、TPPの成立に動くはずがありません。トランプの意を変えられない、もしくはトランプの意を理解していない外交、ということにもなるのでしょう。
そんな英国のメイ首相が、EUからの離脱にむけた基本方針を語り、英国の単一市場からの離脱がほぼ決定的になりました。今後はEU側とFTA、EPAなどの経済協力をむすびながら、新たな関係を模索するのでしょうが、それで済むならそうしたい、と考える欧州各国は多いはずで、それこそ今年相次ぐ選挙で、離脱派が勢いをもつことが確実です。かといってEU側としても、英国との関係を完全に切れるか、というとそんなこともできません。
問題は、EUというシステムは加盟国すべてが幸せを享受できるものではない、ということです。富が集中する独国のような国もあれば、ギリシャのように危機から脱け出せない国もある。伊国の金融不安はずっと燻ったままで、解決の道筋さえつけられない。金融政策と財政政策を切り離してしまっているため、有効な対策もうちにくく、逆に富が集中する独国が支援や解決に向けた手助けを拒否してしまえば、苦しむ国は泣き寝入りするしかないのです。これでEUが崩壊に向かうなら、それはグローバル化の失敗例として歴史に刻まれ、今後も折にふれてとり上げられることでしょう。
個人的には、保護主義とグローバル化、どちらも行き過ぎたら悪弊しかない、と考えています。そして好景気のときはグローバル化が、不景気なときは保護主義が有利にみえる、ということでもあり、今はまだ景気後退も起こっていませんが、それは超金融緩和によって支えられたためであり、金融にかかわる部分以外への波及が少ない。そのため多くの国民が不安、不満を抱いており、それが反グローバル化の流れを生む。結果的に、どちらもより過信して邁進すると、その反動も大きくなり、より保護主義の流れが強まるということでもあるのでしょう。
ダボス会議での要人発言が市場を動かしています。トランプ政権で上級顧問になる、とされる人物がドル高牽制発言を行い、ポンド売りの流れとともに円高が加速しました。しかし今後、トランプ政権になればより強くドル高牽制をとってくるでしょう。米国で売るものを米国内でつくらせても、コストアップにより売価が上がる。輸出してその分を稼がないといけないためで、それにはドル高がネックになる。金利が上昇しやすい米国では、ドル高にもなり易いのであって、それを口先介入で止めたい誘惑があります。
しかしそんなダボス会議で、中国の習主席が「保護主義は共倒れ」と述べたのは、皮肉といえば言えるのでしょう。これまで自由主義経済の恩恵をうけ、自国は保護主義をとりながら成長してきた中国が、相手の保護主義化により、最大の懸念が生じるのですから。しかし逆に見れば、保護主義と自由主義が斑模様になると、自由主義をとる国は富の簒奪に遭う、ということでもあります。それでも成長し、にこにこと笑って許してくれていた自由主義経済の国、米国が態度を転換する、このインパクトは計り知れません。
トランプの尾を踏むのを恐れ、企業は一見するとトランプ氏に屈したようにみえますが、トランプ狸の皮算用なのでしょう。米国の周辺の国々が低成長、マイナス成長に陥れば、その影響はもっとも米国が強くうけます。米企業や金融機関は、世界的に活動しているのですから。トランプは死して皮を残すのか? むしろISILばかりでなく、中国にも不都合な存在になったトランプ氏、皮を残す間もなく暗殺される、との見方もあり、それに怯えてますます引き篭もるのなら、トランプの穴に入って得られるのは、コジレを得ず、という世界を混乱させる要因だけ、ということにもなるのでしょうね。
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