★阿修羅♪ > 経世済民117 > 794.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
菊池英博<特別寄稿3> 経済政策は覇権衰退国の理に適っている 日本はトランプ政策をわかっていない(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/794.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 15 日 16:35:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           


菊池英博<特別寄稿3> 経済政策は覇権衰退国の理に適っている 日本はトランプ政策をわかっていない
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197461/1
2017年1月14日 日刊ゲンダイ

  
   中国と手を結ぶ(トランプ次期米大統領と中国アリババの馬雲会長)/(C)AP

 米国には大統領のために国際情勢の現状分析と長期的な展望を分析する「国家情報会議」という諮問会議がある。この会議は大統領が政策を実行するための資料として、4年に1度の頻度で、「グローバル・トレンド」という報告書を作成して公表している。その最新版は、2012年12月に発表された「グローバル・トレンド2030」。米国が国際情勢の現状と未来をどのように認識しているかを知る上で、大変参考になる有益な資料だ。この文書の要約は次の通りだ。

 1991年のソ連邦崩壊で米国は世界の一極覇権国家となったが、2001年からのアフガニスタンなどへの武力介入で米国は6兆ドルを喪失し、2008年にはリーマン・ショックで米国は経済面での国際信用を失ってしまった。冷戦終了後の米国は中国を支援していくことが世界経済にとっても有益であると判断。2000年には中国のWTOへの参加を承認し、最恵国待遇で加盟させ、その結果、中国は世界における生産拠点として投資が集まり、経済成長を加速させることになった。中国は経済大国として大きく成長してくると、軍事力を強化する政策をとって太平洋の覇権を要求するようになってきた。

 面白いのはここから先で、報告書では、「2030年までに米国は覇権国家としての地位を失うであろう」と正式に認めているのだ。経済面では、2020年代に中国が世界最大の経済大国になり、2030年の米国は「同レベルのなかでのトップ」(The first among equals)の地位にいるであろうと予測している。米国にとって今後の「最善のシナリオ」は「米国と中国が協力していくこと」との認識も公表している。オバマ政権のケリー国務長官は上院において、「中国はアメリカと敵対関係にあるのではなく、両国はパートナーとして、共存共栄関係になるべきである」と演説し、米中のパートナーシップを提唱した。ヘンリー・キッシンジャーは、「覇権国家の衰退と新興国家による台頭によるパワーの不均衡が戦争を引き起こす。米国の衰退と中国の台頭が、このような事態を引き起こすのを回避すべく、米中は協力関係の構築に向けて努力すべきである」と述べている。

■ニクソン・ショック再来の可能性も

 さて、衰退していく覇権国には共通点がある。

 第1に、国際システムの構造を維持し権威を保持するために、自国の国力を増強すること、第2に、同じ目的で覇権国家としての経費を削減することである。今の米国に当てはめてみると、国際システムの構造を維持することは、「通貨ドルの権威(決済)」を維持することだ。トランプ新大統領が「アメリカは核武装を強化する、日本やNATOなどの同盟国は軍隊の維持費を払え」と言うのは、覇権衰退国の理にかなった発言である。

 中国は米国債を1.2兆ドルも保有しているので、米国は中国に「首根っこ」を握られており、動きが取れない状態にある。この原因は中国の対米貿易が輸出超過で年2000億ドルの黒字になることだ。そこでトランプは、「貿易不均衡の是正」を求めている。

 思い切ったことをするトランプは、日本に課したニクソン・ショック(1971年、日本輸入に一律15%の関税を課す)のように、短期間に効果が出る政策を打ち出すかもしれない。大騒ぎになるだろうが、これも覇権衰退国の巻き返しであり、新たな米中関係の始まりと見るべきなのである。

(おわり)


菊池英博
1936年生まれ。東京大学教養(国際関係論)卒、旧東京銀行を経て文京女子大学(現文京学院大学)経営学部・同大学院教授。2007年日本金融財政研究所所長。近著「新自由主義の自滅」(文春新書)。



 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 佐助[4181] jbKPlQ 2017年1月15日 18:43:22 : xycDENzAlY : QRRRzMIJdWw[98]
ほぼ同感です,経済の先生が見抜いていることに少しホットしています。が

基軸通貨の交代期に発生する,世界的信用収縮を認識し対策しないことが根因です。

そして
2008 年のリーマンショック後も、世界の政治と経済の指導者は、自国の農業畜海産と対外競争力の低い中小企業を犠牲にしても、関税障壁を低くし、外資を導入し、土地や株のバブルを復活させれば、恐慌にはならない、と錯覚し,1%の富みと99%の不幸政策を続けた。

そのために
関税を高くしたり、通貨を切下げたり、自国経済の救済のみを優先させたために、恐慌は発生したと総括した。

しかも政府は,大企業と金持ちだけは救済してパニック発生を避け、貧乏人は自己責任だから救済しないために、世界信用恐慌発生の日付は、1998年から2008年に先送りされアベノミクスでさらに2017年〜2019年に先送りされたのです。そして「予期していない危機」に遭遇することになります。

1972年のニクソンのキンドル交換停止から40年目の2012年、ユーロ通貨バブルははじけ(欧州各国の債券バブルが弾けた)、ブラジル・中国・インドのバルブもはじけた。ユーロ危機は、域内域外の高金利の債券の支払い停止が避けられないことが、最大の原因となっている。


世界信用縮小恐慌の収束を、古い経済学の常識にまかせたので、三年ごとに三段階で世界と各国の信用が縮小し、2017年〜2019年には、株式市場・為替市場・銀行窓口の一時閉鎖が避けられなくなること。その世界経済の傷口が回復するのに、2025年〜2030までかかることになる。

日本のバブルが弾ける最後の段階は、各レベルが自己防衛のために、利己的行動と思考に走るのに「日本の国土は狭小なので、必ず上昇する」という信念はマダ崩れていない。

どんな政治体制も経済体制も、個人と企業と国家レベルごとの利己的な行動と思考が不一致になり、矛盾が拡大分裂する。そのため、40 年ごとに改革し、80 年ごとに大革新が必要となる。80 年以上継続した体制は、改革と革新を繰り返し継続してきた。

だが対策せずに,このままでは三百年以上の長期政権も、40 年ごとに改革され80 年ごとに革新されたが、最後は停滞し自己崩壊する。

そのため、自由経済システムそのものも腐敗堕落が避けられなくなる。

再び、中東と東南アジアに、激しい憎悪の国家の対立が発生している。ドルとユーロと円が世界の75%のキンとリンクさせると、通貨の信用縮小は収束する。そして、次産業革命を、20 年前倒しさせるなら、高度成長路線を復活できる。そうなれば、過去のように、世界大戦という巨大な殺人消費需要の助けを借りなくても、恐慌から脱出することができる。

次産業革命とは,「放射能・CO2を発生させない動力」への転換革命です。すでに実用化されています。


2. 2017年1月15日 21:06:56 : 1hFwhl5XF6 : A44FqszPm3Y[149]
トランプの勝利を予測できなかった知識人が、彼の表面上の言動で経済政策を言うのは「一昨日来いよと言っている」ことと同じだ。

ケリー国務長官やキッシンジャーを出すところなんか、ニューヨークのロックな不動産屋が、「何故、大統領なんかになろうとしたのか」理解していないことを証明するものだ。

菊池英博のような御用エリートには、一生わからないだろう。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民117掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民117掲示板  
次へ