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セブン&アイ・ホールディングス(3382)の過去2年間の株価推移
株価急騰のセブン&アイ。何が起きているのか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170115-00002546-toushin-bus_all
投信1 1/15(日) 12:20配信
■第3四半期発表翌日、株価は急騰
セブン&アイ・ホールディングス <3382> の株価が2017年1月13日に約9%上昇しました。同日のTOPIXの上昇率は+0.6%ですので、その急騰ぶりが際立ちます。
注目されていたトランプ会見が終わり、貿易収支の不均衡が意識されて円高傾向になりましたので、投資家のなかには内需銘柄を買いたいという方も多かったことでしょう。しかし為替だけを理由に一日に+9%の上昇を説明するのは少し無理があります。
1月12日に発表された2017年2月期第3四半期(以下、Q3累計)の決算から、急騰の理由を探ります。
■Q3累計決算の評価される3ポイント
同社のQ3累計(3-11月期)決算をみると、営業収益は対前年同期比▲5%減、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、純利益)は同▲40%減となっており、一見ぱっとしません。
しかし、将来の収益改善に備えた構造改革のための多額の費用を特別損失として計上しています。むしろ営業利益が同+5%増、経常利益が同+7%増と増益を達成したことが評価されてたと思われます。
もう少し具体的に見てみましょう。
第一に、全社の営業利益の増益(同+130億円増益)をスーパーストア事業が牽引したことです。とりわけ、「GMS衰退」が喧伝されるなか、イトーヨーカ堂の営業利益が同+100億円改善したことが評価材料でしょう(ただし営業利益額は▲44億円の赤字にとどまっています)。懸案だった衣料品の在庫削減も着々と進んだことも好材料です。
第二に、国内コンビニエンスストア事業が堅調なことです。セブン-イレブン・ジャパンの営業利益は同+4%増益になりました。ライバルをみると、ファミリーマートとサークルKサンクス合算ベースの営業利益は実質的に同▲9%減益、ローソンの営業利益が同▲7%減益になりました。業界の集約が進みましたが、利益面で他社とは一線を画していることがわかります。
第三に、経営体制の変更です。建て直しの急がれるイトーヨーカ堂やセブン&アイ・フードシステムズの社長交代が決まりました。
■株価は「100日プラン」発表前に戻ったばかり
以上をうけて急騰した株価は2017年1月12日4,832円で終わりました。この株価水準は、実は同社が井阪新体制のもとで策定した「100日プラン=中期経営計画」を発表した2016年10月7日の前日終値である4,827円に並ぶ水準です。
株価はこの中期経営計画発表後軟調に推移してきました。中期経営計画に対する事前の期待が高かったため、その発表が「材料出尽くし」と認識されたのだと思います。
■井阪社長へ高まる期待
このように、株価は直近急騰しましたが、中計発表前まで株価がもどったと理解するべきではないでしょうか。井坂社長の腕が試されるのはこれからと言えるでしょう。
消費マインドが厳しいなかで、人件費の上昇といった実店舗を運営するには難しい経営環境が続くでしょう。
このような経営環境のなかでも、国内コンビニエンス事業の利益成長を加速できるのか、イトーヨーカ堂を黒字化だけで終わらせずさらに高い水準の収益性を目指すのか、不採算の百貨店事業の抜本対策を打てるのか、オムニチャネル戦略の再構築が可能かなど、関門が多いのも事実です。
しかし中期経営計画では、不採算事業についてはエリアと業態の「選択と集中」を進めることや不動産再開発を活用することなどの基本方針が定められています。あとは実践あるのみですので、いかに早く懸案を片付けるかがポイントです。
井阪社長の年頭挨拶をみると「PDCAを回し続ける」ことを強調しています。2017年2月期の営業利益会社予想は3,530億円に対し、中期経営計画で示された2019年度の営業利益は4,500億円。この目標にむけての進捗を市場は注視しています。
椎名 則夫
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