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宅配問題を解決!メルセデスの新型バンの衝撃 2017年CESリポート
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8632
2017年1月13日 土方細秩子 (ジャーナリスト) WEDGE Infinity
ガイ・カワサキ氏は元々アップル社のエバンジェリストで、その後グーグル関連で働き、現在はコンサルタント、起業投資も行い、IT業界では名のしれた人物だ。そのカワサキ氏がCESでメルセデス・ベンツのトークセッションに登場した。内容はベンツが提唱する「ラスト・マイル・ソリューション」である。ラスト・マイル・ソリューションという言葉は米の交通業界では良く聞かれる。
■ラスト・マイル・ソリューション
メルセデスの「ビジョン・バン」
例えば公共交通を推進する運動の中で、特にロサンゼルスのような都市では「ダウンタウンから家の最寄り駅まで鉄道を利用したとしても、そこから自宅までの交通手段がない」という問題が発生する。これを解決するためにライドシェアや自転車などのシェアサービスが生まれたと言っても過言ではない。
ただしメルセデスのラストマイルはやや意味が異なる。ここで語られたのは配達を念頭に置いてメルセデスが開発した新しいタイプの商用車、「ビジョン・バン」である。このバンには屋根にメルセデス製のドローンが2基備わっているのだ。
ビジョン・バンは後部コンパートメントが貨物になっており、配達する品物を収納する棚がずらりと並ぶ。メルセデスのバン部門のトップ、ヴォルカー・モーンヒンウェグ氏はビジョン・バンの開発理由について「グローバルな経済開発の上で人と物の動きは非常に重要なものだ。デジタル化とIoTにより、現在我々は再び産業、経済革命に直面している。オンラインコマースが隆盛となり、物流にもデジタル化の波が押し寄せている。インテリジェント・コネクティビティにより新しいサービスを可能とし、エンド・カスタマーの満足度をますとともに効率的なデリバリー・オペレーションを考える必要がある」と語る。
ビジョン・バンのコンセプトは単なる配送バンではなく、貨物の積み込みの段階からすでにインテリジェント、つまりすべてがコンピュータ制御され配達の順番、ルートまで考えた上で物品の積み込みがロボットによって行われる。ドライブトレインはEVで、継続走行距離は270キロ。このバンによって配達地域まで移動し、残りの個別配送はドローンによって自動的に行われる、というアイデアの提供だ。
もちろんバンそのものもインテリジェントで、常にデータセンターとつながっており、自動運転機能は備えていないもののそれに準じたコミュニケーションを周囲の車、あるいはドライバーと交わす。配送のため停止する場合車の前後に取り付けられたLEDパネルに情報が示され、後続のドライバーあるいは歩行者が常に車が停止する、あるいはスピードを緩めるタイミングを知ることができる。
車内のパネルには現在の速度、ルートプランニング、ドローンの位置などが示される。貨物の取り出し口にも情報センターがあり、歩行者が近づいている、などの警告を出す。またドライバーのスマートウォッチとも連携し、配達先の住所、もし電子ロックがかかっている場合はその解除コードなどが示される。
このビジョン・バンとドローンの組み合わせにより、注文したその日に配送、あるいは細かい時間指定の出来る配送が可能となり、顧客満足度を上げると同時に配達の効率性、クオリティを増すのが目的だ。
■配送が完全にドローン化される日
バンを配送センターと位置づけ、そこから「ラストマイル・デリバリー・システム」を構築するのが最終的な目標になるが、それにはまだ障害も多い。まずドローンによる配送は数々の規制があり現実的には困難だ。カワサキ氏の「いつか配送が完全にドローン化される日は来るのか」という質問に対しモーンヒンウェグ氏は「イエス、しかし場所による」と答えた。広い庭がある一軒家が並ぶ郊外では可能でも、コンドミニアムが立ち並ぶ都市中心部ではドローンが物品をドロップする場所の選定など、具体的な課題は多い。
しかしCESという場で自動車メーカーがドローンを展示し、バンとの組み合わせで未来の配送システムを考える、というのは非常に斬新な内容だ。AIはますます業界同士の壁を低くし、様々な形の複数業界に渡る協力関係が生まれる可能性がある。今回の発表はビジネスアイデアを生み出す上での一つのお手本と言えるかもしれない。
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