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半導体市場における中国の脅威、米政府が報告(EE Times Japan)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/724.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 13 日 01:40:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

半導体市場における中国の脅威、米政府が報告
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170112-00000111-it_eetimes-bus_all
EE Times Japan 1/12(木) 23:00配信


■米政府が報告書を発表

 米国のホワイトハウスは2017年1月6日(現地時間)、米国の半導体産業に関する報告書を発表した。同報告書は、「半導体市場の世界的なリーダーを目指す中国の野望が、米国の半導体産業にとって脅威となる」とはっきりと指摘している。

 同報告書は、大統領科学技術諮問委員会(PCAST:President's Council of Advisors on Science and Technology)がバラク・オバマ大統領に宛てて作成したもので、「自国に有利になるように市場をゆがめる中国の政策がもたらす脅威に対処するために、米国の半導体業界は、よりスピーディーに技術革新を進める必要がある」と説いている。

 PCASTの共同議長であるJohn Holdren氏とEric Lander氏は、同報告書を添付してオバマ大統領に宛てた文書の中で、「この報告書でお伝えしたい最も重要な結論は、米国は最先端技術を革新し続けることによってのみ、中国の産業政策による脅威を緩和し、米国経済を強化することができるということです」と書いている。

 同報告書は、3本の柱で形成される戦略を提言している。「技術革新を阻害しようとする中国の産業政策に対抗すること」「米国の半導体企業のビジネス環境を改善すること」「次の10年間の半導体技術を変革させるような革新を促すこと」だ。だが、それには、新たな生体防御システムや医療技術の開発という“壮大な挑戦”に向けた資金が必要となる。こうした技術は、技術自体にメリットがあるだけでなく、半導体技術の進歩や適用性の拡大につながる。

 オバマ大統領は2016年10月、半導体の専門家を集めて、米国の半導体産業に影響を及ぼしている重要課題に関する調査を行っている。以来、その報告書の発表が待たれていた。Wall Street Journalは今週初め、「ホワイトハウスが発表した報告書は、米国の半導体関連企業への中国の投資を抑制する戦略を提言している」と伝えた。

 同報告書は、米国の半導体産業への中国の投資を制限するための具体的な提言は行っていない。だが、「対米外国投資委員会(CIFUS:Committee on Foreign Investment in the U.S.)のような国家の安全を守る組織を活用し、競争の阻害につながる政策を進める中国が、先端技術や米国に拠点を置く企業に簡単にアクセスする機会を与えないよう同盟国と協力すること」を提言している。

 「中国の政策は、技術革新を妨害し、米国の市場シェアを減少させるような形で市場をゆがめている。米国の国家安全を危険にさらされる可能性もある」と同報告書は指摘している。

■大統領令を発して、M&Aを阻止した事例も

 米半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)のプレジデントを務めるJohn Neuffer氏は、EE Timesのインタビューの中で、「この報告書は、米国の半導体業界が直面している2つの大きな課題を明確に指摘している」と述べた。2つの課題とは、技術革新を起こすにはコストや複雑性が増しているということと、中国が世界半導体市場に参入していることだ。

 Neuffer氏は「中国が、自国の半導体産業を強化することそのものについては、積極的に支援したい。だが、そうした強化政策はきちんとした市場原理に基づいて行われるべきだ。中国がこれまで行ってきた強化政策の中には、公平に見えないものもある。率直に言えば、一部の業界関係者は、中国のやり方に辟易(へきえき)している」と述べた。

 中国は、自国の半導体産業を強化するという野心に燃えている。自国の大規模な市場を支えられる巨大な半導体産業を構築し、グローバルプレイヤーとなることも狙っている。中国政府は2016年、今後数年間で1610億米ドルを半導体産業の強化に投入すると発表した。

 過去2年間、この強化政策は、政府の資金力にものを言わせて、欧米の半導体メーカーを買収する方法で行われてきた。そのため、米国は中国企業によるM&Aに対して慎重になっており、実際、幾つかの買収案件は、CIFUSのレビューに基づき却下されている。

 2016年12月には、オバマ大統領が大統領令を発して、中国企業による買収を阻止している。具体的には、中国のFujian Grand Chip Investment Fund(福建グランド・チップ・インベストメント・ファンド)が、ドイツ半導体メーカーAixtronが米国内に持つ子会社を買収しようとしていた案件だ。だが、買収の対象に軍事用技術が含まれていたことから、米国の安全に関わるとして大統領が直接、買収を却下した。

 ホワイトハウスの報告書には、「米国は、中国の動きに過剰に反応する必要はないが、中国企業が市場のルールを破って買収などの政策を採ろうとしてきた場合は、断固たる態度で阻止すべきだ」としている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

 

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