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なぜアメリカの下流老人は日本の老人より幸せなのか(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/693.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 12 日 08:13:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


なぜアメリカの下流老人は日本の老人より幸せなのか
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6701.php
2017年1月12日(木)06時31分 印南敦史(作家、書評家) ニューズウィーク


<日本では高齢者の貧困が社会問題となっているが、『日本より幸せなアメリカの下流老人』によれば、そのタイトルが示す通り、意外にもアメリカのほうが高齢者は貧困ではないという>

日本より幸せなアメリカの下流老人』(矢部武著、朝日新書)は、そもそもタイトル自体に大きなインパクトがある。国民皆保険や公的介護保険がない米国で老人たちが安心して暮らせるということ自体が、どうにもイメージしづらい話だからである。

 2012年8月に米主要紙『USAトゥデー』が発表した調査では、60歳以上の高齢者の3人に2人が現在の生活に満足し、4人に3人が将来のことを楽観的に考えていることがわかった。「現在の生活はどうか?」との質問に対し、どちらかと言えば満足している人が65%に上り、また、「5年後、10年後に生活の質は良くなると思うか?」との質問には「そう思う」という人が75%となった。(16ページより)

 一方、内閣府による日本、米国、スウェーデンの65歳以上の男女を対象にした意識調査(2016年5月)では、日本は4カ国中、「友だちづきあいが少なく、老後の蓄えが足りない」と感じている人が最も多いことがわかったのだそうだ。特に日本と米国を比較してみると、その違いは顕著。

「困ったときに家族以外で助け合える友人がいない」と答えた人の割合は日本が25.9%で、米国は11.8%。「貯蓄や資産が老後の備えとして足りない」とした人は日本が57.0%で、米国は24.9%だったというのだから、あまりにも差がありすぎる。

 本書ではまずこうした差の実態を明らかにした上で、米国の、そして日本の老人の生活について、緻密な取材に基づいて克明に描写する。そこから浮かび上がってくるのは、文面を追っているだけでも心地好さそうな米国の老人たちの日常だ。それは「人生を謳歌する」という表現がぴったりなものなのだが、著者によれば統計で見ても、高齢者の貧困は米国より日本のほうが深刻なのだそうである。

「貧困大国」と呼ばれる米国だが、実は65歳以上の高齢者の貧困率は日本よりはるかに低い。米国勢調査によれば、2014年の米国の貧困率は14.8%だが、65歳以上の高齢者に限れば10.0%である。一方、厚生労働省などの調査によると、2012年の日本の貧困率は16.1%で、世帯主が65歳以上の世帯に限ると18.0%となっている(OECDの調査では異なる結果が出ているが、本書では日米の政府機関が発表したデータをもとに貧困率を比較している)。国全体の貧困率は両国で大きな違いはないが、65歳以上の貧困率では日本は米国よりもはるかに高い。なぜこのような結果になるのか。(56〜57ページより)

【参考記事】アメリカの貧困を浮き彫りにする「地理学」プロジェクト

 そこには、日米両国の貧困対策に取り組む姿勢と公的支援の中身の違いが現れていると著者はいう。

 先に触れたように、米国には国民皆保険や公的介護保険がないが、もし下流に転落した場合は最低限の支援を受ける体制が整っている。ここが日本との決定的な違いだということである。では、日本はどうなのか? ご存知のとおり、この国は国民皆保険や公的介護保険が整っており、"本来であれば"高齢者も安心して暮らせるようになっているはずだ。

 ところが現実は異なり、生活苦の不安やストレスなどで追い詰められてしまう人が多い。本書の第四章にも、孤立したあげくにひとりで亡くなり、死後何週間も発見されないまま腐乱していく老人の話が登場するが、それはとても身につまされるものだ。

【参考記事】日本の貧困は「オシャレで携帯も持っている」から見えにくい

 生きていられる人についてもそれは同じで、たとえば以下は、生活困窮者への支援活動をしているNPOのスタッフの話である。

「明日家賃の支払い日だが払えないとなると、"どうしたらいいんだろう、この年でアパートを追い出されて、病気もあるし......。どこで保護してくれるんだろう"と追い詰められてしまう。"こうなったら、刑務所に入るしかない"と思いつめ、コンビニなどで強盗しようとナイフをちらつかせたりする。でも、本気で相手を傷つける気はないから、未遂に終わることが多いのです」(177ページより)

 あまりに切ない話だが、こうしたことが起こるのは、生活苦で追い詰められた人が人間らしく生きるために必要な支援を受けられる体制が整っていないからではないかと著者は指摘する。生活保護の制度こそあるものの、それを簡単に受給できるシステムになっていないということで、なんとも矛盾する話だ。

 そこで著者は生活保護の手続きなどについて、さまざまな提案を行なっている。それらはたしかに有意義なものなのだが、明日も生きていかなければならないという現実が人々の眼前にある以上、それより先にすべきは「老後破産」に追い込まれないためには個人として何をすべきか、どのような蓄えをすればよいかということであるはずだ。事実、著者もこの点を強調している。

 それによれば、1つ目のポイントは生活保護の使い方をよく理解すること。日本において生活苦を抱える下流老人が頼れるのは生活保護だけなのだから、その仕組みをよく理解し、いざというときに使えるようにしておくべきだという。

 2つ目のポイントは、定年を迎える前にどれだけ準備しておけるか。そこで、まずは定年後に受け取れる年金額を早めに確認しておくことを著者は勧めている。日本年金機構の「ねんきんネット」のサイトに必要事項を入力すれば、60歳未満の人でも自分がもらえる年金の見込み額を知ることができるというので、これは私たちも確認しておきたいところだ。

 年金見込み額がわかったら、それをもとに自分の老後のライフプランをイメージしてみる。そうすれば「どれだけあれば生きていけるのか」などがわかるというわけだ。

 そして老後破産を防ぐ3つ目のポイントは、定年後は生活をダウンサイジングし、人間関係を豊かにすること。現役時代よりも収入が減るのだから、生活費を減らしていかなければならないのは当然の話。それは無理をするということではなく、生活に支障をきたさない程度に少しずつ節約していくということである。

 同じように、人間関係も非常に大切だ。日本の高齢者は老後の蓄えが不十分な上に家族以外の人との繋がりが少なく孤立しやすいため、新たなつながりをつくって人間関係を豊かにするべきというわけである。何かあったとき、頼れる人がいることには大きな意味があるだろう。

 それにしても、ここまで老人が追い詰められる日本社会のあり方は、どう考えても異常なのではないか? 生活保護を受給できるようになるまでに高いハードルがあるということ自体が、本来であればおかしな話なのだ。だから著者も、生活保護を使いやすくするための制度見直しや、すべての低所得高齢者に最低限の生活費を保証する制度の導入が必要だと訴える。

 現役時代の仕事や働き方によって年金額に差が出るのは仕方ないとしても、すべての高齢者が人間らしく生きる権利は保障されなければならない。日本の政府や政策担当者にはその辺の意識が欠けているように思う。(231ページより)

 日本には老人を敬愛し、長寿を祝う「敬老の日」があるのに、実際には多くの高齢者が生活の不安を抱えている。それは非常に残念なことだとする著者の意見には、私も強く共感する。

         
           『日本より幸せなアメリカの下流老人』 矢部 武 著  朝日新書  

[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に、「ライフハッカー[日本版]」「Suzie」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、多方面で活躍中。2月26日に新刊『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)を上梓。



 

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コメント
 
1. 2017年1月12日 09:05:46 : fGuGCb1aDA : 6_poo@NGpks[17]
政府はこれまでずっと 生活保護を受けさせないよう

     意図的に

 「恥辱と屈辱、侮蔑的な扱い」をしてきた

  全国4000万人の下流老人と貧困女子 貧困児童たちよ
  
   恥じることなく当然の権利として生活保護を申請しよう

    今こそ「生活保護解放運動」を!!!

      スローガンは「ナマポ解放!!」


2. 2017年1月12日 11:39:05 : 4aULahfAQY : D@BDXBA@Cfk[1]
アメリカの貧乏人は医者にかかる事ができない。つまり長生きはできない。
長生きできないのだから下流老人がいないのは当たり前である。
日本にはこんな簡単な事実にも気がつかないライターしかいないのか。
それともわざとゴミ宣伝情報を流しているのだろうか。

3. 2017年1月12日 12:39:50 : SgvGXV853I : Q5ELLH89VFE[9]
アメリカがそんなにいい、頭がめでたすぎるのではないか。日本がいいわけではないが食費しか補助しない、医療費がばか高いアメリカ、先進国で断トツに多い貧困層を抱えるアメリカをもっと冷静に見たほうがいい。

平均寿命も高くない。


4. 2017年1月12日 14:18:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[654]

あほらしい

隣の芝生は青く見えるというやつだな

麻薬と貧困で苦しむ底辺層の現実を知らないらしい

そして今後、高齢化とトランプのせいで、さらに悪くなるのは確実


http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20050523
米国の介護事情は悲惨です。
自己責任の国ですから、「支払い能力により、受けるサービスが違う」のは当たり前。ナーシングホームという日本の特別擁護老人ホーム、老人保険施設に相当するサービスがありますが、「とほうもないほど高額」で、とてもふつうの人は利用できません。そのうえ、施設では機械的に生活時間割をこなすことを求められたり、虐待も珍しくないないとか。サービスの質も悪いので、介護をする人は“最後の手段”と考えています。
悲惨な事態を防ぐはずのオンブズマン制度も十分に機能しているとはいいがたく、インタビュー相手も「制度は整っているはずです……。あとは、人間のすることですから……」と、効力の無さを半ば認めています。
著者が調査したニューヨーク州の場合、高齢の要介護者の8割は、やむを得ず家族が介護しているのが実態です。アメリカといえば、看護スタッフやヘルパーなどの有償のフォーマルケアが中心というイメージがありますが、実は、米国では家族が介護の大きな柱とのこと。
しかも、介護者の7割は女性です。平均年齢は46歳。多くの場合、娘か義理の娘で、アメリカの介護問題は女性問題でもあります。ここでも「アメリカといえば、ジェンダー問題の先進国」という印象は裏切られ、「介護問題に関するかぎり、日本と極端な差はないことがうかがえた」と著者は報告しています。
余談ですが、ヨーロッパ統合の父と呼ばれるクーデンホーフ・カレルギー伯の母「光子」の生涯を描いた1973年放送のNHKドラマがありました。その中に、主人公を演じた吉永小百合さんが現地レポーターとして「光子」の娘オルガにインタビューする場面がありました。オルガは晩年のミツコの元にただ一人残って17年間介護を続け、婚期を逸したといいます。私が介護問題の深刻さを初めて認識したのは、この時でした。
介護を女性が負担する、というのは、ヨーロッパの貴族にも共通する問題なのですね。

アメリカに話を戻すと、最近、政府も少しは介護者の負担を減らそうと重い腰を上げ、クリントン政権時の1993年に「家族介護休暇制度」がスタートしました。しかし、これも「年間12週間の無給休暇がとれる」という「クビにならなくて済む」程度の支えでしかありません。日本が1995年に法制化(努力義務)した介護休業制度が「給与の4割を雇用保険から支給する」という内容と比べると、「介護者を支える」という考え方の違いが際立っています。

この他、「保険がなければ手術はしない」など、深刻な医療無保険の弊害や、最近のアメリカの福祉改革の光と陰、年齢差別法の効果検証もレポートされています。

少子高齢化に伴い、日本は福祉のレベルがアメリカに近づいてくるかも知れません。近未来を想像するには最適のレポートでした。


http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304827404579106602443496112
米国に迫る財政危機―人口高齢化による財政危機のリスク


5. 2017年1月12日 19:03:09 : 2LiKY8ftgY : PTfAaIrqs6s[968]
仕組まれた 不幸互いに 競い合い

6. ネコの目[127] g2yDUoLMlto 2017年1月12日 21:00:17 : kQufOUyS5Y : S8rFd9MT5gs[92]
下流老人は、どっちの国も似たり寄ったり。
けれども、中流のアメリカ人の年金は、確かに日本人のより上だ。
知り合いのアメリカ人(ジョージア州)夫婦は、早く年金が欲しい、と言っている。まあ、年金で何とかなるからだ・・・今のところ。

彼らの家の広さは、日本の比ではない。広い! けれども、やはり老人の介護は、家庭でというのが普通。日本で受けられるような医療もろくに受けられない。
ただ、広い家(彼らは狭いというが)で、ベッドで死を待つだけの老人が多いのも確か。
翻って、日本ではどうか? ごちゃごちゃした家具に囲まれた狭い家で、ヘルパーに看て貰う。どっちが幸せか? どっちも幸せではないと思うよ。

>1
のように、日本人の老人のなまぽ受給は年々増えているのも事実。
年金は少ない。最近の火事の多さも、電気代節約のろうそく暮らし、という人も多いからだそうだ。

どちらが貧乏人が多い、とかそういうことが馬鹿げているのだ。
貧乏人が少ないほうが良いに越したことは無い。人間は、憲法25条で保障されている、最低の生活を過ごす権利が有る。
他国のことをどうこう言う前に、目の前の高齢者を救う方法わ考えなければ・・・とこれは、やはり政治家の仕事なんだが・・・。

ついでに言うと、アメリカは食料は安いよ。けれどもそれも、高カロリーで糖分の多いものばかりだから。野菜は高いから、これもどちらがいいとは言えない。
分っている事は、もっと中流家庭を増やすことだな。
オバマケアも大したことなかったし、日本人の病人も三ヶ月で病院を転々とさせるのだから。

自分も、この本は意味が無いと思うのは賛成だ。


7. 2017年1月13日 08:14:34 : tlWnVFEXyg : YdpJ@QYwqXE[353]
まず比較するだけ無駄

何故なら政府が今以上に金のかかる政策を取る訳がないから
政府が比較する=介護にかける金を減らすということ

お上の決めごとに外野がとやかく言っても何も変わらないし無意味だからこの手の議論に意味はない


8. 2017年1月14日 10:46:22 : Z4gBPf2vUA : yAHRwQjY@XQ[401]
アメリカは確か高齢者になれば7万くらい銭が国から出るよ
ご苦労様代みたいな

それで少しは安心して生活しているのだろう


9. 2017年1月14日 11:06:44 : Z4gBPf2vUA : yAHRwQjY@XQ[402]
そしてアメリカは医療費が高いので【保険に満遍なく入ってる家庭が多い】
色々だ歯の保険に内臓疾患の保険にいろいろだ

アメリカが恐怖なのは合衆国なので人種のるつぼでどこの誰かわからん人がたくさん居ることと差別が多いことと銃持っていることかな
でも2017年からアメリカ人は法律でチップ埋め込むことになったので怖さも半減だろう
警察の誤爆もなくなって来る
先に現場に駆け付ければチップ確認してどこの誰か掌握したら誰がおかしかわかるだろう
密航者なら密航者がばれるし言ってることがチップの記録からわかるじゃないか
あなたが来た時間は嘘の証言をするんじゃない5分前はあんたはここに居たので来れるわけがないじゃないか狂言だろうあんた誰か庇っているのかとか


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