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オバマ大統領の演説と、市場と情報操作
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52902153.html
2017年01月11日 在野のアナリスト
オバマ大統領の最後の演説、最後まで見事でした。真珠湾の演説で安倍氏も、オバマ氏の広島演説の構成をそのまま真似しましたが、遠く及びませんでした。それはいくら美辞麗句で飾っても、間の取り方、言葉の抑揚、音程などの点でまったく異なるからです。演説の最後の言葉は「Yes,We can.Yes,We did」としました。「我々はできる、我々はやり遂げた」としますが、オバマ氏がもたらした変化は、結果的にトランプ氏を大統領に押し上げるための下地をつくった、ということになるのかもしれません。
しかしトランプ氏がもたらす変化は、決してまい進してよいものではなさそうです。Twitterによる嘘ばかりでなく、嘘のニュースサイトを信じる国民が、どれほど多いのか。日本では既存のメディアを牛耳り、おべっか記事を書かせることで支持を得て、米国では日本よりも既存メディアへの信用が失墜しているため、嘘メディアにとびつき、それがトランプ氏への根強い支持になっている。演説でも語られていたように、プロパガンダや大衆扇動は民主主義にとっての危機になります。FacebookやTwitterがより利用される米国では、扇動により大衆が誤誘導されやすい社会になっている、とさえ言えるのです。
その影響は、株価や市場価格にも顕著にあらわれているのでしょう。PER21倍台という、正当化されるまで何年かかるか分からない水準まで、跳ね上がってしまったのも、楽観を拡散することによって誘導された結果、とみることができるためです。原油相場も、OPECの減産合意で1バレル50$を突破しましたが、シェールオイルのリグ稼働率の上昇報道をうけて、やや悪化しています。受給でみれば50$を割ってもおかしくないのですが、50$を割れそうになると奇妙な情報や、買い支えの動きがでてくる。市場や今や、水準感すらおかしいまま、操作された情報の中でふわふわしている印象です。
つまり米国は、情報操作が利きやすい国になっているために、金融機関などが簡単に相場操縦できてしまう。今の金融機関は、取引部門とアドバイザー部門に分かれているとはいえ、企業の格付けや相場の見通しをだすところと、自己売買するところが、一体であることが多い。収益性を高めたいなら、誤誘導であっても自分たちが儲かるような情報をだした方が、より都合いいとも言える状況になっているのです。
しかしオバマ氏は、最後はトランプ期待という上昇になりましたが、リーマンショックを上手く乗り切った政権として、今後も称賛されることになるのでしょう。それはFRBの超金融緩和、というサポートがあったとしても、です。ただ、金融市場と雇用に責任をもつFRBのせいで、低賃金労働者層が拡大し、金融市場にもバブルが起きている、という現状は、グリーンスパン元FRB議長のように、任期中はマイスターとまで賞賛されても、その後に悪名を被った、といったパターンもあるので要注意かもしれません。ただ、今のところ幸福のうちにオバマ氏は幕引きできる、といった意味では幸運だったのでしょう。
今晩、トランプ氏の演説です。ただその前に、日本では日経225先物を売り、TOPIX先物へと乗り換える動きもみられます。つまり上昇すれば御の字、下落してもTOPIX型なら日銀が買い支えてくれるので、損失も少なくて済む、といった思惑が働いたのでしょう。日本の場合、SNSによる情報操作が利きにくく、また外国人投資家が取引の7割ぐらいを占めるため、情報操作よりも公的部門の動きをより重視する傾向もあるようです。
安倍政権ではメディア操縦のため、政府宣伝費を上積みしている、といった話もあります。情報操作により、国の大事な決定まで左右されてしまう米国がいい、というつもりもありませんが、公的部門や公的部門に頼ったメディアにより、操縦される国というのも、また問題があるものです。昨日、19年から元号が替わる、という記事もありますが、退位の仕組みも決まっていないうちに、退位の日付だけが決まってしまう。この不条理にして、今上天皇に対する意趣返し、ともみられるこんなスクープで世論が「あぁ、そうなのか」と受け入れ、誘導されてしまう。世界は今、デモクラシーの危機というのは、まさに情報の扱い方への危機、となるのかもしれませんね。
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