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「豊かな社会」の悲惨な末路。なぜ機械化社会は格差を産んだのか?
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/625.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2017 年 1 月 10 日 10:17:38: KqrEdYmDwf7cM gsSC8YKzgqKBaYKigWo
 

http://www.mag2.com/p/news/233560

2016年から続く、トランプ大統領の就任、英国のEU離脱、欧州における極右政党の台頭など、不安定な世界情勢が続いています。Windows95の設計にも携わった世界的エンジニアである中島聡さんは、自身のメルマガ『週刊 Life is beautiful』の中で、今のような世界情勢を作り上げた一因に「より豊かになる」ことを目指し過ぎたエンジニア達にもあると持論を展開。「機械化社会」のあり方に疑問を投げかけています。

機械化社会のあり方

米国の大統領選の結果や、英国のEUからの離脱を見てつくづく感じるのは、このままでは世界はますます不安定になって行くという事実です。ソフトウェア・エンジニアの私がなぜそんなことを気にするかと言えば、それは私が過去30年以上に渡って、深く関わってきた情報革命、そして、ようやく黎明期を迎えた AI 革命と深く関わっているからです。

古くは産業革命から始まり、エンジニアたちが作った「機械」は、社会の生産性を上げ、人類を豊かにすることに貢献してきました。しかし、同時に、人から職を奪ってきたことも否定できません。

人々の働く場が、農林水産業から製造業へ、そして製造業からサービス業へとシフトして来た一番の理由は「機械化」でなのです。機械にできることは機械にさせた方が安いし効率も良い、人間は人間にしかできないことをすべき、という話です。

各国のGNPは伸び、ものは安くなり、電気自動車やスマートフォンが身近なものになり、そこだけ見れば、私たちの生活は「豊かになった」と言えます。

しかし、同時に起こっていることは貧富の差の増大です。マシンやコンピュータを作ることのできるエンジニアたち、それを活用したビジネスをグローバルに展開する経営者たち、そんなビジネスに投資をする資産家たちに富が集中し、機械化により職を失ったり、最低賃金でサービス業で働くことを余儀なくされた人たちが貧困生活を送る、という構図が出来てしまったのです。

不安定な社会情勢の根底にある技術革新が産んだ弱者の不満

page: 2

2011年の Occupy Wall Street のムーブメントは、我々に気づかせてくれました。しかし、残念ながら、多くの人々は、あれを「少数派の意見」もしくは「敗者の意見」でしかないと軽視し、彼らの声に真剣に耳を傾け、一歩下がって「機械化社会のあり方」を真剣に議論することはありませんでした。機械化やグローバル化の流れには誰も逆らえないのだから、そんなムーブメントは一過性のものに終わり、彼らの活動によって社会が変わることなどない、と考えたのです。

確かに、1年も経つとムーブメントはおさまりましたが、その根底の原因である貧富の差は広がる一方で、敗者・弱者側にいる人たちの不満は、「マグマだまり」のように地底でエネルギーを貯めていたのです。

それが一気に噴出したのが、英国のEUからの離脱であり、トランプ大統領の誕生なのです。特にトランプ大統領は、彼らが、本来労働者の味方であるはずの民主党からも、小さな政府を目指す保守的な共和党からも見放されていることに目をつけ、あえて共和党から出馬し、過激な移民排除政策などを打ち出すことにより、大統領選に勝つことに成功しました。

トランプはこれまでの大統領とあまりに違うので、何をするのか予想しがたいところもありますが、トランプ大統領の誕生の背景が、第二次世界大戦前夜のナチスの台頭と似ているという人もいます。

いずれにせよ、「英国のEUからの離脱」と「トランプ大統領の誕生」という、誰もが予想しなかった「事象」が起こってしまった一番の理由は、機械化とグローバル化によって引き起こされた貧富の差だ、という点は否定できません。

つまり、世の中を便利にしようと働いている私たちエンジニアの仕事が、結果として、貧富の差を増大させ、世界を不安定にしている、という皮肉な結果になっているのです。

AIの進歩がより多くの人の職を奪うことになる

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さらに懸念すべきは、ようやく始まったばかりの「AI革命」です。このメルマガでも何回か触れましたが、ここ数年の「深層学習」を中心としたAIの進歩は目覚ましく、ここから10年ほどの間に、これまで人間にしか出来なかったサービス業の仕事が、AI によって置き換えられて行くようになります。

それも、ウェイターやレジ係などの最低賃金の仕事だけでなく、事務職、会計、アナリストなどのこれまで(最低賃金の人たちと比べて)優遇されてきた人たちの職まで奪うようになるのです。

これまでとは違って、サービス業の先に仕事はありません。つまり、今のままの社会構造のままで「AI革命」が進むと、さらに大量の失業者を生み出すのです。

そのためには、社会構造そのものを変え、無理に働かなくても生活に困らないようなシステム、これまであまり「飯のタネ」にはならなかった、ボランティアや創作活動を通じて生活の心配をせずに出来るようなシステムを作る必要があると考えています。

この件に関して、政治家でもない私が何ができるという話でもありませんが、まメルマガやブログを通して、この問題を分かりやすく説明して、多くの人たちに問題意識を持ってもらうことぐらいは出来るので、まずはそこから手をつけて行こうと考えています。

『週刊 Life is beautiful』より一部抜粋

著者/中島聡(ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア)
マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。  

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コメント
 
1. 2017年1月10日 20:00:48 : 2LiKY8ftgY : PTfAaIrqs6s[932]
便利さで むしろ管理が 面倒に

2. 2017年1月13日 03:40:13 : 4aULahfAQY : D@BDXBA@Cfk[5]
資本家が課税から逃げられないようにタックスヘイブンは空爆すべき。タックスヘイブンを利用する企業には違反金を課すべき。法人所有者に対する規制や罰則を強化すべき。

まぁ、どうせできないだろうけど、トランプがどこまでやるか見ものですな。


3. 2018年5月10日 02:20:12 : Foz5AtmZnQ : Wl7IU4gE5Ng[1]
AyersJapan

HISTORY
http://www.ayersguitar.com/jp/profile1.html

新生エアーズのNewHillシリーズについて

2016年1月にカリフォルニア州のテイラーギター工場を見学し,その機械化に感動すると同時に完成した高級ギターに物足りない何かを感じました。ギターは完璧で塗装も仕上げも素晴らしいのですが,何かが足りないのです。その後ベトナムにあるエアーズの工場を見学してその疑問の答えがハッキリとわかりました。完全機械化工業化されたギターに足りないものそれは完全にハンドメイドの手作りギターだけが持つ存在感です。同時にそれは人が手の感触によって作り出すもので,ロボットには作り出せないものなのです。 <略>

Ayersの07,06,04 ローズ,メイプル,マホガニーを弾き比べ
https://www.youtube.com/watch?v=HWO_9ZuDOGE


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