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相続税はかかる?かからない? 分からないことが悩みの種に……。
都心部では4人に1人が相続税の対象? ついに判明した平成27年分の相続税の課税割合(藤尾智之 税理士・介護福祉経営士)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170110-00010000-scafe-bus_all
シェアーズカフェ・オンライン 1/10(火) 6:32配信
平成27年分の相続税の申告状況が発表されました。平成27年1月以降の基礎控除額が従来の6割まで引き下げられたため、課税割合は間違いなく増加するはずです。しかし、実際どの程度まで上がるかは憶測の域を出ず、国税庁の発表が待たれていました。
■全国平均の相続税の課税割合は8.0%に上昇!
国税庁の発表によると平成27年分の相続税の課税割合は8.0%です。毎年4%強程度で推移していたので、まさに2倍となりました(平成26年は4.4%。1.8倍)。基礎控除額引き下げの影響の大きさを改めて思い知らされました。百分率で考えた場合、4%も8%も一ケタなので、マイノリティであると言えばその通りですが、8%はあくまでも全国平均に過ぎません。東京、名古屋、大阪などがある三大都市圏や東京の山手線内は間違いなくもっと高い課税割合となっているはずです。
一方で、相続税額の合計は1兆8,116億円と平成26年の1兆3,908億円と比較しても+4,000億円程度と1.3倍に留まっています。基礎控除額を引き下げたことにより裾野が広がり確かに課税対象となる相続人は増えました。
しかし裾野付近の納税額は数十万円〜数百万円という金額となるので納税額がそれほど増えていないのは当然の結果と言えます。申告数が2倍となっても納税額は1.3倍に留まるため、国税庁の立場では税率は引き上げたかったのではないでしょうか。被相続人一人当たりの納税額は1,758万円となっており平成26年の納税額2,473万円と比較して▲715万円となっています。
■相続財産の金額の構成比率に異常あり!
ここ十年、相続財産の金額の構成比率は大きな変動はなく土地50%、現金・預貯金25%、その他財産25%で推移してきました。しかし、平成27年はこの比率に動きがありました。土地38%、現金・預貯金30%、その他財産32%と土地の比率が下がり、逆に現金・預貯金の比率が上がり、それぞれの財産間での比率差が縮まりました。路線価は平成27年まで年々下がってきていたので、その影響を受けて評価額が低くなったと考えられます。
また、平成27年分の確定申告時期に感じたことですが、不動産の譲渡がやたらと多い気がしていました。不必要な不動産は高く売れる今のうちに処分して現金に変えておくという思考が働いたのでしょう。不動産の構成割合が減って現金・預貯金の構成割合が増えたことに納得がいきます。
その他財産に含まれるものとして家屋や有価証券があります。家屋の構成比率は5%強と例年と比較して変動はありません。有価証券の構成比率も15%程度と変化がありませんでした。NISAが始まって1年が経過した平成27年では有価証券の保有が増えていてもおかしくはないと思っていましたが、最大で年100万円という限度額からか相続財産の金額に大きなインパクトを与えるものではなかったということがわかりました。
■気になる東京の課税割合は何パーセント?
国税庁が全国の課税割合を発表したように東京国税局も管内の課税割合を発表しました。それによると平成27年の課税割合は12.7%に上昇しています。平成26年の7.5%と比較して1.69倍です。全国平均の2倍には及ばないものの、ついに平均でも二ケタへ突入しました。課税割合が10%を超えるとさすがに他人事とは言えなくなってきます。そして気になる被相続人一人当たりの納税額は2,364万円(平成26年3,501万円)となっています。
家族構成が昭和の典型例であれば、相続人は妻と子供2人の合計3人となります。この典型例に基づけば、相続人一人当たりの納税額は800万円弱となります。ただし、妻は配偶者の税額軽減を受けて納税額は0円となるケースが多いので、残された子供2人で2,364万円と考えるのが自然です。そうなると一人当たりの納税額は1,200万円弱となります。サラリーマンの平均年収は400万円と言われていますので年収の軽く3倍の金額を一度に納付していることになります。
同じ東京国税局管内でも山手線の内側や港区・渋谷区等の場合では、被相続人一人当たりの課税割合、課税価格、納税額はさらに高いものとなっているはずです。例えば、私が勤める税理士事務所がある文京区の課税割合は16.7%(平成25年。弊事務所試算)です。課税割合は平成26年比1.69倍ということから、平成27年の課税割合は単純に28%を超えている可能性があります。4人に1人が相続税を納めるとなるとこれは対岸の火事として眺めているわけにはいきません。
■相続税を自腹で納めている!?
もちろん相続財産の中に現金・預貯金が十分にあれば納税に困りません!
東京国税局の発表によると被相続人一人当たりの課税価格(簡単に言うと相続財産の合計額)は1億6,059万円です。ここに、相続財産の金額の構成比率を掛け合わせてみます。全国平均の現金・預貯金の構成比率は30%でしたが、東京国税局管内では28.9%となっています。1億6,059万円の28.9%は4,641万円です。妻が50%の2,320万円を相続し、残りの50%を子供二人で相続したとすると子供一人当たりの現金・預貯金相続額は1,160万円となります。
上記の結果から子供一人の納税額1,200万円>子供一人の現金・預貯金相続額1,160万円という関係が導き出されます。子供一人当たりの場合、明らかに納税額のほうが現金・預貯金の相続額を上回ります。全てのケースがそうとは言えませんが、せっかく相続により財産を手に入れたのに、現金ベースでは自腹となっている方が少なくないと言える検証結果ではないでしょうか。
■節税や納税資金確保には保険金の非課税枠の利用がベター!
被相続人に掛けられていた保険金が相続人に支払われる場合は、法定相続人数×500万円までは、相続税が非課税となります。この制度を知っている方は十二分に活用されていらっしゃると思います。相続人が妻と子供二人の典型例では、1,500万円までの保険金は非課税です。
もしも、現金・預貯金で1,500万円を残していたら最低税率の10%でも150万円の相続税がかかってしまいます。30%の税率でしたら450万円が税金の支払いに消えていきます。これが保険金の場合、相続税はかからないためまるまる1,500万円が受け取れます。また、相続人固有の相続財産となるため、分割協議の対象にならず保険会社に請求すれば速やかに振り込まれます。
東京国税局管内の納税額の例で、もしかしたら相続人は自腹を切っているのではないかと書きましたが、非課税となる保険金を活用して実は納税資金を確保していたのではないかと思います。保険金は節税の観点、分割協議の対象外となる観点、納税資金の確保の観点から重宝されています。相続や相続税の対策として利用していないのであれば、一考する余地はあると思います。
藤尾智之 税理士・介護福祉経営士
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