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↑ ドライブは若者にとっても楽しい時の過ごし方ではあるが(ペイレスイメージズ/アフロ)
「経済的余裕が無くて車を所有できない」新成人は7割に
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fuwaraizo/20170109-00066397/
1/9(月) 9:08 不破雷蔵 | 「グラフ化してみる」ジャーナブロガー 検証・解説者
日本全体の自動車保有台数は普通乗用車こそ漸減しているものの、軽自動車は大いに躍進している。車そのものの所有を避ける傾向は全般的には見られないが、若年層に向けて「若者の(自動)車離れ」なる言葉が用いられ、所有・利用状況を懸念する声が関連業界からあがっている。それでは若年層自身はその言葉や周辺環境に関して、いかなる想いを抱いているのか。ソニー損害保険が2017年1月付で発表した、今年成人式に足を運ぶことになる新成人の人たちへの調査「2017年 新成人のカーライフ意識調査」(※)の結果をもとに、その実情を確認していくことにする
若者自身の代表的な立場となる新成人にいくつかの質問を実施。それぞれに「とてもあてはまる」「ややあてはまる」「どちらとも言えない」「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」の5つの選択肢から自分の心境にもっとも近いものを選んでもらい、そのうち前者2つ、つまり肯定派の回答数をまとめた結果が次のグラフ。例えば「若者の車離れ」とは自分のことの項目では全体で38.7%なので、4割近くの新成人は「とてもあてはまる」「ややあてはまる」のいずれかと答えている。
↑ 「若者の車離れ」と呼ばれる状況についての意識(2017年新成人対象)(「当てはまる」派率)
新成人の限りでは「若者の車離れ」を自認している人は4割近く。属性別では都市部の回答率が高く、車の必要性の度合いが多分に自覚に影響しているものと考えられる。一方「車に興味がある」人は4割から5割だが、男性の方が高めの値を示している。自動車への必然性が高い立場にあることを考えれば、興味を示すのも当然。都市部は地方と比べて「若者の車離れ」を自認する人が多く、「車に興味がある」人も少なめ。
「車に乗る必要性を感じない」人は3割近く。誤差の範囲とも解釈できるが、都市部の回答率が高め。公共交通機関が発達し、各種施設も居住地などの間近にある場合が多い都市部では、車の必要性は低いと考えれば道理は通る。
注目すべきは「車所有の経済的余裕がない」。こちらはほぼ7割の回答率。購入時の初期投資コスト、各種維持費、そして車検代と定期的に多額の出費を求められるため、自動車の所有にはそれなりの経済的裏付けが求められる。その裏付け(に自信)が無い人が、新成人の7割にも達している実態は、自動車関係者は大いに認識しておくべき。
一方、車そのものの魅力に関する話だが、「所有はカッコイイ」「メーカーに若者向けの車を作ってほしい」との話は5割前後に留まっている。カッコよさは男性よりも女性の方が認識していること、男性はメーカーに若年層向けの車を他属性と比べれば強く求めていないなど、興味深い動きも確認できよう。
なお車所有の動機の一つである「持っているとカッコイイ」と考えている新成人だが、2012年をピークに、各属性で減少しつつあった。2015年で底値を打ち、次第に持ち直しを示している。
↑ 同世代で車を所有している人はカッコイイと思う割合(当てはまる派合計)(各年新成人対象)
減少著しかった都市部居住者における回復ぶりが目に留まる。「『若者の車離れ』とは自分のこと」「車所有の経済的余裕が無い」が都市部居住者では他の属性よりも高い値を示していることと合わせ見ると、「カッコいいから欲しいけど所有は難しいな」との都市部における若年層の思惑の一面が見えてくる。
他方、自動車所有関連で常に言及される、経済的余裕に関する視点においては、実のところは(少なくとも今調査項目の始まった2011年以降では)大きな変化は無い。
↑ 車所有の経済的余裕が無いと思う割合(当てはまる派合計)(各年新成人対象)
少なくともこの数年では、経済的視点からの「若年層の自動車離れ」に変わりはなさそうだ。
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※新成人のカーライフ意識調査
今調査は毎年ソニー損害保険が定点観測的に実施しているもので、直近分は2016年11月19日から28日にかけて2017年の新成人男女に対しインターネット経由で実施。有効回答数は1000件。男女比は1対1。調査実施機関はネットエイジア。今件調査における「都心部」とは、市・区における人口ランキングの上位都市(1位から8位)である、北海道札幌市、東京都23区、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市、福岡県福岡市となる。それ以外はすべて「地方」。
不破雷蔵
「グラフ化してみる」ジャーナブロガー 検証・解説者
ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。
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