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現役40代を“戦場”に放り出す「確定拠出年金」の残酷なメッセージ
=持田太市
2017年1月5日 ニュース
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「iDeco(イデコ)」という愛称をつけられた確定拠出年金(401k)は、2017年1月より原則として現役世代の日本人全員が加入できるようになります。あらゆるメディアで報道されるものだから、やらなきゃまずいんじゃないかという気持ちになって、多くの方が申し込みされていると聞きます。取引先の人に聞いても、申し込みしました、という反応がありましたので、なるほど本当に浸透してきていると実感します。(『週刊「年金ウォッチ」−自分年金作りのためのメルマガ』持田太市)
プロフィール:持田太市 (もちだたいち)
SBIハイネットワース株式会社 代表取締役。2007年にSBIホールディングス入社。住信SBIネット銀行開業を経験後、ウェブマーケティング部署を経て、海外でのオンライン金融事業の進出プロジェクトに従事。2013年よりロシアのモスクワに駐在し、インターネット銀行サービスを導入。2015年に帰国後、ウェブを活用した国際資産運用の情報プラットフォームプロジェクトを立ち上げ、現在オンライン金融サロン「ヘッジオンライン」を運営中。
確定拠出年金から「この国の本音」を読み取り老後破綻を回避せよ
本当は残酷な iDeco(イデコ)の正体
このメールマガジンは、自分年金作りをきちんとやっていきましょう、というコンセプトで今年の8月から開始したわけですが、なぜ立ち上げたかというと、確定拠出年金がまさに日本国民の制度になるからでした。報道されている通り、税制メリットが多い「iDeco」ですが、客観的かつ冷静にみれば結構残酷な制度だということがわかります。
端的にいえば、
(1)国の年金制度維持が困難になるので、自分で積み立てて、自分の老後を守ってください、という国からのメッセージ。
(2)企業年金制度の維持が困難なので、企業が積立金額を出すので、自分で運用して増やしてください、という企業からのメッセージ。
(3)そんな身勝手な…と言わないでください。ちゃんと税金優遇という特典をつけてあげますから。
こういうことです。
現行の年金制度は「100%」破綻すると言える
(1)の国の年金制度維持については、本メルマガでも何度か紹介している通りです。現在の仕組みは、現役世代が退職世代の年金負担をすることになりますので、少子高齢化・人口減少という避けられない自然現象に対して、構造的に破綻せざるを得ません。これは100%破綻すると言えます。
厚生労働省の年金財政レポートで、その状況はある程度把握できるものの、前提条件が楽観的すぎるので盲目的にそれを信じることはできません。たぶん現状の日本からみれば、2030年くらいには年金破綻するでしょう。
現制度が破綻した場合、制度を根本から見直すことになります。今の制度の延長線上となるのであれば、現役世代から集められる年金保険料分だけを退職世代の年金とする方式に切り替わり、これを賦課方式といいます。この場合、現在もらっている年金額の約5−6割くらいになると想定できます。
金額にしてみるとわかりやすいです。現在の年金額は、およそ現役世代の収入の6割くらいです。現役が400万円として、年金受給額は240万円(月20万円)となります。ちなみにこれは厚生年金の話です。国民年金だけだと83万円(月7万円)くらいでしょうか。
想定ケースとして、2030年にはその6割になっているはずです。現役世代の給料水準が変わらないとして、年金受給額は144万円(月12万円)です。相応の貯蓄があれば別でしょうが、年金だけで暮さざる得ない高齢者は、老後破綻ということになる可能性が極めて高まります。
「老後破綻」を回避するために必要なお金とは?
この減額分(96万円)を仮に確定拠出年金で確保できるとしたら、老後破綻が回避できるとみて良いはずです。
年金受給後に25年間生きるとしたら、現状の生活を維持するために2400万円(96万円×25年)が必要です。確定拠出年金で月5万円、年間60万円、それを40年間やれば、2400万円です(もし年金運用がうまくいけば、もっと増えます)。大学を卒業して会社員になってから自分年金を作り始めていれば、老後破綻の回避率は上がるということになります。
Next: いま40代の現役世代こそが、最も厳しい「年金の現実」に直面する理由
いま40代の人たちが、最も厳しい「年金の現実」に直面する
こういう想定をした場合、厳しいと思われるのは現在40代の方々になってくると思います。
これまで老後のための貯蓄・自分年金がなく、これから始めるとしたら、残された期間は20年を切っています。
つまりこれから作っていくとしても、月々の積立額を10万円以上に設定していかなければなりません。まだまだ子供にお金がかかる人もいらっしゃると思いますので、これは容易ではないはずです。
とはいえ「やらない」という選択肢はありません。iDecoであろうと年金保険だろうと、ともかく老後のための年金作りを開始しなければならないというのは、将来の自分や家族を守る意味でも絶対必要です。
国が守ってくれるとか、制度破綻はさすがに無いでしょう、という考えでで何もしないと、後で梯子を外されたときに困ります。
国や企業に頼るということが、結構大きなリスクになってきているというのは、日本の今の財政問題を見つめれば、誰しもが思うところでしょう。
もう一つの抜本的制度の変更があるとすれば、それはまさに今の確定拠出年金への移行になるのではないかと推測されます。つまり、自分の老後のための年金は、自分で貯めた分だけ支給される、というものです。
これだと、将来世代へのつけ云々という問題はなくなり、自己責任という話になります。アリとキリギリスの寓話ではないですが、遊んでいたキリギリスは冬になったら死んでしまいます。自己責任という言葉は、思いのほか重たいのです。
機関銃の打ち方を習わずに、戦場に放り出される
あと、先にお伝えした(2)の企業年金制度の維持が困難という点について補足しておきます。
企業年金は従業員に対して支給する年金額が確定していますので、企業は従業員に対して「債務(支払う義務)」を持っていることになります。
年金額が確定しているため、企業自身でちゃんと積み立てをしないといけないし、しかもそれを運用して増やさなければならない。
しかし運用は簡単ではなく、下手すればマイナスになります。なので運用リスクはもう勘弁してください、ということで、そのリスクを従業員に渡すことにしました、という話です。
年金運用が難しいとわかっている中で、さらに投資もしたことがない多くの日本全国民に対して、運用リスクを課す制度がiDeCoとなります。機関銃の打ち方を習わずに、戦場に放り出されるようなものでしょう。制度メリットに焦点を当てて、やらなきゃ損!というような風潮はとても危険に感じます。
ただでさえ損をするのが嫌、という日本人の性格なので、勧めるとしても最低限リスクの話をセットですべきかと思います。
Next: 確定拠出年金で、極力、運用リスクをとらない方法とは?
確定拠出年金で、極力、運用リスクをとらない方法とは?
もちろん運用リスクをとらない方法も残されています。元本確保型商品として用意されている「定期預金」や「年金保険」を選択することです(最初にこのリスク無し商品を選択しても、後で変更できる柔軟性があるのは素晴らしいですね)。
この時、わざわざ確定拠出年金制度を使って定期預金をする意味が本当にあるのか?という話になりますから、「税制優遇」というニンジンがあるからやる意味があるんですよっていう綺麗なロジックが用意されています。
定期預金や年金保険で自分の老後資金を作るのもいいですけれど、それって途中で解約できたりしますから、よほど貯める意思がないと難しいですよね?だから老後まで完全にホールド(解約出金不可)という制度を用意してあげたので、こっちでやってください。しかも拠出した(積み立てた)金額分、税制メリットを受けられるのでお得でしょ?というロジックです。
こういった背景もあり、iDeCoは猛烈に浸透していくものと思っています。なので当メールマガジンを発行し、一人でも多くの方に正しい理解と年金の作り方をシェアしていきたいと思ったのです。
足元の市場は調整一巡後の上昇トレンドが狙い目に
年末・年始の閑散相場の中、年明けの相場混乱の可能性を意識してリスク回避の動きがあったせいか、円高株安に動いています(編注:本稿執筆の2016年12月30日時点)。これはトランプ後の過熱相場を意識した調整の一環ともいえるでしょう。
前回のメルマガでも、2017年1月20日のトランプ大統領就任演説前に一度調整が入る可能性ありとお伝えするとともに、その前に保有ポジションが多い時は落としておくのも一考ですとコメントさせていただきました。
今のマーケット環境を客観的にみれば、多くの方々が投資タイミングを見計らっていると思いますので、下がったら買うというスタンバイ状態の投資家が相当数いらっしゃると思います。いわゆる「押し目買い」を待っているものです。
なので、この調整段階を待ってましたと言わんばかりに、買いに動くことが年明けに起きるはずです。しかしそのタイミングは難しいですので、まずは様子見をしていきましょう。調整後の上昇トレンドにのれば、当面安定した運用フェーズに入れるはずです。
Next: 「トランプ後の世界」を見据えた確定拠出年金の活用アイデア
「トランプ後の世界」を見据えた確定拠出年金の活用アイデア
前述の通り、来月20日前後までは様子見です。大きく下がればエントリーのチャンスがでてきます。
例えば、国内や海外の株式・債券にバランスよく投資する「バランス型ファンド」で年金運用している方は多いかもしれません。それでほったらかしておけば、長期的にみればそれなりにリターンは期待できるでしょう。これは前回お伝えした「長期・国際・分散投資」ということになるからです。
しかしこのメルマガでは、為替動向に着目することで、より期待リターンを挙げることを目指しているのは、これまで何度もお伝えしてきた通りです。年に数回は何かしらのトレンドが形成されますし、年金という長期投資でいえば、数年単位のメガトレンドも狙って良いはずです。
例えばiDeCoの積み立て金額のうち、50%は元本確保型商品(定期預金など)、30%はメガトレンドが形成されそうな投資信託、20%は年に数回できるトレンドにあわせた投資信託、という分散も発想としてはできるかと思います。
50%の定期預金はあくまで待機資金という位置づけで、何か金融危機が起きた時に、安くなった資産を買い付けにいくための流動性確保、という考えも併せ持ちます。
トランプ後の世界では、大量の債券発行とインフレが想起されます。インフレ時には資産価格の上昇が期待される「株式投資」「不動産投資」というのがセオリーですので、トランプ政権時にはそういうセクターに入っていくメガトレンドがある。
その一方で、金利上昇局面では(借入れ状況に左右される)不動産投資がどうしても冷え込んでしまいがちですので、そこを意識して不動産投資を控えることも念頭に置く。
あとは毎年数回は発生しているビッグイベントに注意していく。○○ショックみたいなときがあれば、下がりきった底値で入ることができるかを見極めて、小さい金額でもエントリーしてみるなど。リーマン級のショックも数年内にあるとも言われていますが、それが起きた時はここぞという時のための待機資金、つまり定期預金からスイッチさせてエントリーする、というイメージもできます。
結論を急ぐ必要はないが
このように、ほったらかして勝手に(自動的に)リスクを取るよりも、時局に応じてリスクを(自分で)果敢にとっていくほうが、きっと勉強にもなりますし、今を生きている、自分で年金を作っている!という感覚になれるのではないでしょうか?
年金運用ですので、運用方針や方法論で結論を急ぐ必要はありません。試行錯誤ができるのが自分年金運用ですから、ぜひご自身に合ったものをみつけてみてください。
しかしながら第一にすべきことは、運用するための資金をしっかり貯めていくこと、それに尽きます。資金が無ければ、運用も何もありません。そして運用する時は少額からでもスタートさせること。最初はマイナスになるかもしれませんし、マイナスになったらドキドキして落ち着かなくなるでしょうが、それを経験しないと次に進めません。
プラスであろうとマイナスであろうと、なぜそうなっているのかをきちっと理解すれば、次のアクションが見えてくるはずです。当初考えていたシナリオと違えば、損を確定させることも必要でしょうが、シナリオにまだ行き着いていないのであれば、そのまま保有し続けてプラスに転じるのを待つこともできます。
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『週刊「年金ウォッチ」−自分年金作りのためのメルマガ』(2016年12月30日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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これまで年金は国や企業が用意してくれました。しかし昨今の日本経済は、それが困難になっているのも事実です。だとしたら、自分で作っていくしかありません。しかし、自分で作りなさいと言われても、どうしていいかわからないし、むずしいことや面倒なことは、したくありません。それが人として、普通です。このメルマガを読めば、自分の年金作りに対する考え方やアクションが理解でき、新たな一歩が踏み出せる。さらに、他の情報源はいいから、このメルマガだけ読んでいれば年金作りはOK、と言っていただけるようにするつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
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年末の調整は何だったのか?2017年1月の「暴落」は起こらない=長谷川雅一
2017年1月5日 ニュース
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年末にあった程度の調整は、これからもあるでしょう。どれほど強い上昇相場にも調整はつきものですから、2017年の年初にも、2016年末と同じ程度の調整が来るかもしれません。しかし、2016年の初頭にあったような日経平均が短期間に4,000円近くも下げるような「暴落」が起こる可能性は低いし、2017年の相場はおおむね堅調だろうと予想しています。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2016/12/31号より)
プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。2011年3月の東日本大震災をきっかけにハーフリタイア。現在は、ツイキャスやYouTubeのライブ、動画や音楽の制作など、創作に重きを置く生活を送っている。
2017年相場はしばらく(長ければ夏まで)上昇傾向が続く可能性も
年末の調整は何だったのか
例年、年末の相場は上昇しやすく、特に昨年のように強い流れの中で年末を迎えた場合、いわゆる「掉尾の一振」という年末独特の上昇が見られることが多いものです。
ところが昨年末は、28日の夜にNYダウが100ドルあまり下落したあと、29日(木)の東京市場で日経平均が250円ほど下落するという、ちょっとした番狂わせとなりました。
12月中旬以降ずっと海外時間に日経225先物が上昇しても、東京市場では売りが優勢で弱い傾向が見られ「なんだか嫌な感じだな」と思っていたところに、29日の下落です。
29日の調整でも、例によって「国内の個人投資家が売った」のでしょうが、年末で外国人投資家の買いが止んでいたためにやや大きな下落になったのだと思います。
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年初の調整は「ない」か「限定的」
2016年末の調整を目のあたりにして、「2017年の年初には、さらに大きな下落があるのではないか?」と心配している投資家も多いのではないかと思います。
しかし僕は、年初の調整は「ない」か、調整があっても「限定的」だろうと予想しています。昨年末の調整は、年始の調整の先取りだったかもしれず、「これで年末年始の調整が終わった可能性あり」と考えています。
…これは、買って越年した方にとっては安心材料ですが、売っていた方にとっては、ちょっと嫌な見解ですね。
年末の下落は「為替の調整」だった
29日からの下落の「震源地」は「為替(米ドル/円)」でした。120円を手前に伸び悩み、停滞していた米ドル/円がクリスマスや年末にからむ手じまい売りで下落。それが日経平均に波及したのです。ちなみに本誌で言う為替の「下落」とは、「ドル円レートの下落」つまり円高を意味します。
そもそもテクニカル的に見て、米ドル/円は「115円まで下げて当然」という状況にありました。116円に接近する程度の下落は「あって当然」の調整でした。その「米ドル/円が下がりやすい(円高になりやすい)」という状況は、12月31日現在でも変わっていません。いぜんとして、まだ「いつ115円まで下げても、おかしくない」チャートのままです。
Next: やはり調整は終わった。私が「年初暴落説」を否定する理由
とりあえず調整は終わった
では、30日夜の今年最後の為替相場はどうだったのか?30日の米ドル/円は、116円付近から反発上昇して、夜にはふたたび117円台に値を戻しました。その後は117円を割りましたが、ズルズル下げる動きにはならず、ほぼ117円付近で引けています。
これは、どういうことか?「やはり調整は終わった」と僕は解釈しています。
もちろん、年初にもう一度、調整が来るかもしれないと警戒する必要はあると思います。ですが今のところ、原油価格の下落でオイルマネーが市場から逃げ出した2016年の初頭のような、激しい調整が起こりそうなファクターは見当たらない。逆に、米国の金利上昇や、景気の好転を示唆する要素の方が目立つ状況です。
もちろん、いま隠れているリスクが急に顕在化する波乱がないとは言えませんが、僕は2017年の年初からしばらくの間(長ければ夏まで)、相場の上昇傾向が続くと予想しています。
もちろん、相場のことですからそれなりの「デコボコ」はあるでしょうし、日経平均はあいかわらずの「もたつき」を見せるかもしれませんが…。
アメリカの「減税」で年初に売りが殺到する?
一方で、「2017年の年初に相場は暴落する」という説があります。
「年初暴落説」の根拠のひとつは、「来年からアメリカで減税が行われる。減税の効果が見込めるようになる年初に、まとまった売りが出る」というものです。
これについては、僕自身、一時的に「確かにそうかもしれない」と納得していました。しかし、やがて「待てよ」と疑い始めました。2017年になった瞬間に、アメリカの新しい税制が決まるわけではありません。新税制が正式に決まらなければ、減税の効果を見極めることはできません。
また、実際にトレードをしている方ならおわかりだと思いますが、トレードの現場で「税金が不利だから、今、ここで利食いするのはやめよう」などと考えることは少ないと思います。ぐずぐずしていたら乗っている利益が飛んでしまうトレードの現場で、税金のことなど考えている余裕はないでしょう。
また、「2017年以降は、トランポノミクスで株が上がりそうだ。税制も有利になる」ということになれば、トレーダー達は売るどころか、こぞって買いに走るのではありませんか?
ですから、「2017年になると税制が有利になるから、アメリカ人投資家たちが一斉に売り、暴落する」という説について、僕は現時点では懐疑的です。
「調整」はあっても「暴落」はない
年末にあった程度の調整は、これからもあるでしょう。どれほど強い上昇相場にも調整はつきものですから、2017年の年初にも、2016年末と同じ程度の調整が来るかもしれません。
前述のように、米ドル/円には115円付近までの下落余地があります。もしも米ドル/円が115円レベルまで下落すれば、日経平均は18,500円付近まで下げる恐れがありますので、その程度の調整は想定し準備しておくべきでしょう。
しかし、2016年の初頭にあったような日経平均が短期間に4,000円近くも下げるような「暴落」が起こる可能性は低いし、前述のように、2017年の相場はおおむね堅調だろうと予想しています。…何事もなければ、という条件付きですが。
僕の2017年の相場見通しについて、詳しくは、僕が寄稿した予想記事がマネーボイスさんのサイトに掲載されています。参考にしてください。
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『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2016/12/31号より一部抜粋
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