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大学4年で何も身につけない日本の若者、貧国ミャンマーの若者のやる気に圧倒的敗北
http://biz-journal.jp/2017/01/post_17664.html
2017.01.08 文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表 Business Journal
11月1日から5日までの5日間、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が来日した。奇しくもその2週間ほど前の10月中旬、私は初めてミャンマーを訪れる機会があった。最近注目度の高い国だけに「ぜひこの目で見てみたい」と思っていた国だったので、念願叶っての視察であった。
■ものすごい勢いで発展
ミャンマーはかつて、ビルマ王朝時代は非常に豊かな国だった。それが欧米列強の帝国主義やその後の軍事政権などによって、現在は東南アジアの最貧国になっている。現地の方の言葉を借りれば「(軍事政権が解散した)2011年まで鎖国していたようなもの」なので、無理もない結果だろう。
ちなみに、『物語 ビルマの歴史』(根本敬著、中公新書)によれば、「ミャンマー」はビルマ語の名称で、「ビルマ」は英語名称の「バーマ(Burma)」に由来する。かつては国際社会でも英語名称のBurmaが使われていたが、1989年に政権を取った軍事政権が突然英語名称も「ミャンマー」に変えると宣言して以来、国際的な正式名称がミャンマーになった。このような経緯から、特に反軍政の人たちからは今でもビルマという呼称が支持されているらしい。
東南アジア最貧国のミャンマーであるが、私が訪れた商業の中心都市ヤンゴンは、とてもそうは思えない雰囲気であった。泊まったホテルは快適だったし、クルマの交通量も非常に多い。走っている車はほとんどが日本の中古車だ。品質の高さから日本車は大人気だそうだ。工事車両も多く、いたる場所で開発が進んでいる。
その1つに、三井物産をはじめとする主要な日本の総合商社と金融機関などが共同で開発したティラワ工業団地がある。そこを視察した際、工業団地の開発を主導するミャンマー・ジャパン・ティラワ・デベロップメントの梁井崇史社長から、この国の勢いを感じさせる話を伺った。
三井物産出身の梁井氏がティラワの社長としてミャンマーに赴任した11年当時、携帯電話はまったく使えず、「自分の赴任中に携帯電話が使えるようになることなど、まずないだろう」という状況だったそうだ。それがあっという間に使えるようになり、現在急速に普及率が高まっている。Wi-Fiも少々遅いものの、ホテルのいたる所で使えた。
確かにインフラ面で未整備な面はまだまだ多い。未舗装の道路は多く、自動車の通行を明らかに前提としていない細い道が多い。停電も日に何度も起こる。電車はまったく時刻表通りに運行されないから、市民の足としてはほとんど利用されていない。役所などの行政サービスもかなりお粗末らしい。しかし、今のミャンマーの勢いを見ると、あっという間に整備されていくような気がする。舗装されていない道に野良犬がうろうろしている風景は、急速に発展を遂げることになる昭和40年代の日本に重なって見えた。
■勉強熱心な若者
さらに感銘を受けたのが、若い人たちの勉強熱心さだ。
私たち一行は、若い人たちにさまざまな教育を無料で行っているという寺院も視察した。寺院が寺子屋のようにして無料で若者に教育するのはミャンマーの伝統らしい。そこでは外国語、IT、そして会計までも教えており、10代後半から20代前半の高卒もしくは大卒ぐらいの多くの若者が学びに来ている。
その日の教室はぎっしり満員で、おそらく200人くらいはいたと思う。それでもちょうど学期の変わり目の時期で「今日は集まりが悪い」とのことだったから、実際は相当多くの若者が学びに来ているようだ。
私たちが見せてもらったのは日本語のクラスだった。ミャンマーでは今や日本語は英語と1、 2を争う人気外国語だそうだ。それは日系企業に就職したい若者が多いことを意味している。
何より驚いたのは、学生たちの熱心さだ。流暢な日本語を話すミャンマー人の先生の説明に熱心に聞き入り、先生の後について全員が大声で日本語を復唱していた。それだけ多くの学生が大声で復唱する様は圧巻だ。ユーモアあふれる先生なので、教室には笑いも絶えない。早ければ小学校高学年ぐらいから斜に構えて授業に臨む日本の子供たちとなんと違うことか。
そういえば、数年前にベトナムにあるとある日系メーカの工場を見学させてもらったとき、そこの日本人工場長が「ベトナム人の若者は本当に勉強熱心です。日本の若者に見習わせたいくらいです」とおっしゃっていた。そして、こうおっしゃった。
「ベトナム人は、がんばればがんばっただけ、今日より明日のほうが確実に豊かになれると思っている。そう信じられる国なんです。だからがんばるんです」。
翻って日本はどうだろう。特に大学生を見ていると、彼らはごく一部を除いて本当に勉強しない。授業にはろくに出ず、先輩や友人のネットワークから得た情報で適当にレポートや試験をクリアし、単位を取って卒業していく。卒業しても、専門性はほとんど何も身に付いていない。
そうなってしまうのは、「勉強したからといって、その後の人生がどうにかなるわけでもない」と潜在的に感じているからだろう。そう感じてしまうほど成熟した国になったともいえる。
一方で、大学がその後の社会人人生に役に立つ教育を提供できているのかという問題もある。その後の人生に役に立つのかよくわからない勉強など、誰もまじめに勉強するわけがない。
日本の道路はきれいに舗装され、停電などめったに起こらない。電車は分刻みで驚くほど正確に運行され、行政サービスもしっかりしている。日本は非常に豊かな国であり、それはとても素晴らしいことである。しかし、それは先人の方たちの努力によるところが大きい。そうやって手に入れた豊かさに甘えてろくに勉強しない若者と勉強させない大人は、金持ちの家に生まれたボンボンとその親のようだ。
ミャンマーの若者がやっている勉強のレベルは決して高くないので単純比較はできないが、それでもやる気と活気に関しては、日本の若者は明らかにミャンマーに負けている。ベトナムの日本人工場長が「日本の若者に見習わせたいくらい」とおっしゃった気持ちもよくわかる。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)
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