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チョコレートの小売金額推移(写真:産経新聞)
整腸効果、食べても太りにくい…「健康チョコ」大人買いが今年注目されそう
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170101-00000547-san-bus_all
産経新聞 1/1(日) 19:30配信
平成29年のお菓子業界で注目されそうなのが、“健康志向”のチョコレートだ。森永製菓は28年10月、整腸効果などがあるとされるビフィズス菌入りのチョコを発売。江崎グリコが昨年3月に発売した「脂肪と糖の吸収を抑える」効果をうたったチョコは業界で初めて「機能性表示食品」の適用を受けて人気となった。菓子を買うシニア層も増えており、各社は今年も新製品を投入するとみられ、健康を気にする大人の消費者を取り込む狙いだ。
森永製菓は昨年10月、1箱に生きたビフィズス菌を100億個配合した「ビフィズス菌チョコレート」を発売した。ビフィズス菌は腸内で有害菌の増殖を防ぎ、腸内環境を整えるとされる。酸や酸素に強く、生きたまま大腸に到達するビフィズス菌をチョコで包み込んだ。価格は税込みで270円。
江崎グリコが昨年3月に発売した「LIBERA(リベラ)」は、腸の中で脂肪と糖の吸収を抑える食物繊維を配合。業界として初めて、食品の機能性の根拠を国に届ければ効果を表示できる「機能性表示食品」となった。
一般的なチョコは砂糖と油脂分が多いため、「食べ過ぎれば太る」というイメージが強い。ところがリベラは脂肪と糖の吸収を抑えるため、食べることに後ろめたさを感じていた女性を中心に人気となった。広報担当者によれば、「当初の想定を上回るペースで売れている」という。50グラム入りで価格は同162円程度。
一方、国内最大手の明治が昨年7月に発売したのは、素焼きのアーモンドをカカオ分の高いチョコで包んだ「アーモンドチョコレートカカオ70%」。一般的なチョコで30〜40%とされるカカオ分を70%に高めた。食物繊維の豊富なアーモンドと組み合わせることで、高い健康効果をアピール。価格は300円。
健康志向チョコの“走り”となったのは、ロッテが27年10月に発売した「乳酸菌ショコラ」だ。
整腸作用があるとされる乳酸菌を配合した。菌をチョコで包み込むことで、菌が生きたまま腸に届くことをアピール。その機能性が人気となり、昨年10月までにシリーズ累計で2500万個以上を売り上げるヒット商品となった。価格は334円程度だ。
チョコの国内市場は健康志向の商品が牽引(けんいん)する形で拡大している。全日本菓子協会によれば、27年のチョコの国内小売り販売額は前年比で3.7%増の5040億円と、初めて5000億円を突破した。
なかでも需要拡大に貢献しているのが50歳以上のシニア層。総務省の家計調査によれば、直近の15年間でシニア層のチョコへの支出額は約5割も増えたという。少子高齢化が進むなか、メーカーにとっては比較的価格の高い健康志向のチョコを投入することで、過度な価格競争を避ける意図もあるようだ。
秋冬が需要期のチョコレート。だが、健康志向の商品は1年を通じて売れる傾向にあるため、「市場を活性化させる」(大手菓子メーカー)として、業界の期待も大きい。(経済本部 大柳聡庸)
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