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シベリア鉄道北海道延伸など見送り 日露経済協力、大型案件の夢かなわず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161229-00000000-fsi-bus_all
SankeiBiz 12/30(金) 8:15配信
今月行われた日露首脳会談で両政府がまとめた8項目の経済協力プランでは、シベリア鉄道の北海道延伸やサハリン(樺太)からのガスパイプライン敷設など、ロシア側の事前提案で注目された大型案件がことごとく見送りとなった。多額の資金確保や安全保障上の懸念など当初からハードルが高かったのは事実だが、“ゼロ回答”に終わった北方領土交渉の停滞で雰囲気が急速にしらけた側面もあり、“夢のプロジェクト”は夢のままで終わった。
「ロシア側はすごい前のめりだ」。経済協力の立案が盛り上がった今秋、貿易筋は興奮気味に語った。
5月にロシア南部ソチで開かれた首脳会談で、安倍晋三首相はプーチン大統領に北方領土問題を未来志向で解決する「新しいアプローチ」を提案。これに基づき経済協力を領土交渉と切り離した結果、ロシア側は俄然(がぜん)乗り気になった。
この機会に日本からどれだけ搾り取れるかが勝負。ロシア側がそう考えたかどうかは定かではないが、経済発展省が50項目、極東発展省が18項目の延べ68項目(重複あり)を提案したのを皮切りに、プロジェクト数はみるみる膨張した。
日本側は11月の世耕弘成経済産業相の訪露を経て、優先的に検討する案件を約30事業まで絞り込んだと発表した。だが、結果的には民間だけで68件、政府間を合わせれば80件の事業で覚書が交わされた。投融資額は約3000億円に上る。
政府担当者が民間企業に頼み込んでまとめ上げた“大盤振る舞い”にもかかわらず、お蔵入りになった各案件の難易度は相当に高い。
その代表格が、シベリア鉄道の北海道延伸だ。宗谷海峡などを通す橋やトンネルの建設に加え、不採算路線の廃止を検討するJR北海道と接続するとなれば周辺路線の再整備も必要になり、多額の費用がかかる。
第二次世界大戦でロシアの軍事輸送の要を担った経緯から、「北海道が占領される」などと安全保障上の懸念を指摘する声も強い。それでも、首脳会談を間近に控えた民放の番組は大いに盛り上がった。「日露の共同経済活動、その目玉の一つはシベリア鉄道の北海道への延伸。日本からすればユーラシア大陸に抜ける大動脈ができることになる」−。結果的に実現しなかったものの、夢のある話だったのは間違いない。
一方、自民・公明両党の有志議員による「日露天然ガスパイプライン推進議員連盟」(会長・河村建夫衆院議員)が要望していた、サハリンから北海道や東北を通り東京湾まで結ぶパイプラインも見送られた。
◇
■エネルギー・ブリッジは研究継続
総距離は約1500キロ、総工費は約7000億円。実現すれば極東の大規模ガス田と日本の需要地が直結し、長期安定的にエネルギー資源を確保できると期待された。だが、液化天然ガス(LNG)の輸入環境整備に多額の資金を投じてきた企業から強い反発が予想され、日の目を見なかった。
同様に棚上げされながら実現可能性を残すのが、サハリンと北海道を送電網でつなぐエネルギー・ブリッジだ。
日本政府は、課題が多いため「ノン・コミッタル・ベース(確約できない約束)」で研究を続けることで合意したと説明する。
エネルギー・ブリッジはプーチン大統領が「サポートする」と明言しており、本来なら大統領案件として実現してもおかしくない。
ただ、サハリンから北海道に送電線を引いても、本州と結ぶ「北本連系設備」では60万キロワットまでしか電気を送れない。発電コストが安い極東の電気を首都圏の大消費地に送ることができて初めて多額の投資コストの回収が可能になるため、現状では宝の持ち腐れだ。
一方、日露協議と並行して議論が進んだ東京電力ホールディングスの経営改革では、他の電力大手と送配電事業の再編や統合を進める方針が打ち出された。実質国有化が続く東電が東日本の送配電網を一括制御できるようになれば、サハリンから東京まで一気に電気を送る構想の現実味が増す。
とはいえ、いずれにしても北方領土交渉が前進しないままでは、多額の投資に対する国民の理解は得られない。「『食い逃げ』といわれないよう、経済協力もあまり派手にできない」(政府筋)のが現状だ。
北方領土が返還される日を夢見て、大型プロジェクトは再び長い眠りに入る。(田辺裕晶)
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