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一石二鳥狙う「プレミアムフライデー」−個人消費拡大と働き方改革
氏兼敬子
2016年12月30日 06:00 JST
• 1日当たりの効果約1240億円との試算も−全社参加難しく効果限定的
• 個人消費停滞の背景に鈍い賃金の伸び−有休の積極取得で押し上げも
政府が経済界とタッグを組み、来年2月24日から「プレミアムフライデー」を実施する。毎月末の金曜日に仕事を早めに切り上げ、買い物や食事、小旅行を楽しんでもらうことで、停滞する個人消費の拡大とともに、長時間労働を是正し、働き方改革につなげることが狙いだ。
渋谷交差点での歩行者
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg
経団連は今月、有給休暇やフレックス制度などを活用し、プレミアムフライデーの日に従業員が早く仕事を終えるよう1300社以上の会員企業に文書で呼び掛けた。日本の労働慣行を変えることは容易ではなく、実際に何社が参加するかは未定だ。同キャンペーンを推進する経済産業省も省内で早く退庁できるかどうか検討している。
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経団連の榊原定征会長は26日の会合で、定時より早めに仕事を終え、日常より少し豊かな時間を過ごす新たなライフスタイルを提案すると述べるとともに、「国民の消費マインドの向上につなげていただきたい」と語った。同席した世耕弘成経産相は2月の制度開始時に「秘書官に午後3時以降の予定は絶対入れないよう厳格に指示をしている。私もショッピングを是非、楽しみたい」とアピールした。
安倍普三政権は国内総生産(GDP)を現行の約540兆円から2020年に600兆円に拡大する目標を掲げている。そのほぼ6割を占めるのが個人消費だ。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「余暇時間が増えると、消費が増えるという明確な関係がある」と指摘。中小企業を含む国内企業の従業員が一斉に午後3時に仕事を終えた場合の余暇消費の押し上げ効果が1日当たり約1240億円に上ると試算する。
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しかし、永浜氏は中小企業も含めてすべての会社で同キャンペーンを取り入れることは難しいとみる。早めに仕事を切り上げても、他の日で残業を余儀なくされる可能性もあり、「効果は限定的だ」と言う。
明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは停滞する個人消費の最大の原因として伸びが鈍い賃金を挙げる。「日本の成長期待が出てこない中、賃上げができにくい環境は続く」と述べ、消費の伸びにも限度があると慎重だ。
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日本の年次有給休暇の取得率はほぼ半分。もともと日本の祝日は16日間あり、米国やフランスなどよりも多い。未取得の休暇を積極的に消化するだけでも消費の押し上げ効果はあるとの指摘もある。
https://calendar.yahoo.co.jp/month?date=20161230
債券は上昇か、米債一段高で買い先行−米株安・円高でリスク回避も
三浦和美
2016年12月30日 08:09 JST
• 先物夜間取引は150円43銭で引け、前日の日中終値比18銭高
• グローバルにリスクオフのムードが強まってきた−東海東京証
債券相場は上昇が見込まれている。前日の米国債相場が一段高の展開となったほか、株安・円高が進行するなどリスク回避の動きが強まっていることから、買いが先行するとみられている。
30日の長期国債先物市場で中心限月3月物は150円台前半での推移が予想されている。夜間取引は150円43銭と、前日の日中終値比18銭高で引けた。
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東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、米国の株安や長期金利低下、ドル安・円高と、「他市場は引き続きフォロー」と指摘。「グローバルにリスクオフのムードが強まってきた」とし、「それが年末年始に加速する可能性を踏まえ、今日の相場は堅調」と見込む。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値0.04%を下回る水準での推移が予想されている。前日には一時0.035%と、8日以来の水準まで低下した。佐野氏は予想レンジを0.025%〜0.04%としている。
29日の米国債相場は、7年債入札の好調などを背景に続伸。10年債の利回りは一時5ベーシスポイント(bp) 低下し、米連邦公開市場委員会(FOMC)が声明を発表した14日以来の低水準となる2.459%をつけた。一方、米株式相場では、ダウ工業株30種平均が13.90ドル(0.1%未満)安い19819.78ドルで引けた。
ドル・円相場は一時1ドル=116円23銭と、14日以来の水準までドル安・円高が進み、116円台半ばでこの日の日本時間早朝の取引を迎えている。
日本銀行はこの日の午後5時に「当面の長期国債等の買い入れの運営」について方針を発表する。28日のオペでは、残存期間「10年超25年以下」の買い入れ額が1900億円、「25年超」が1100億円と、14日の増額分が元に戻される格好となった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、日銀のオペ運営方針について、1月初回の超長期債買い入れが減額後の水準で据え置かれると予想。「円債市場では日銀の巨額の国債買い入れを背景にした好需給環境が継続している」とし、「今日は好需給と外部環境がそろってサポートになる構図で、続伸する相場展開」を見込んでいる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-29/OIXSKH6S972801
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