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2016年ベスト&ワースト 通貨と株価指数、商品、債券
Julie Verhage
2016年12月29日 13:01 JST
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• 「ポンド」受難の年に−英ポンドに加え、エジプト・ポンドも急落
• 大統領罷免にもかかわらずブラジル株が最も大きく値上がり
英国の欧州連合(EU)離脱選択や米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利、それに米S&P500種株価指数が1月に急落したことなど、2016年は投資家にはとても静かとは言えない1年となった。ただ、こうした混乱が痛みと共に好機ももたらした。今年の最良、最悪のリターンとなった投資対象を資産クラス別に振り返ってみたい。
通貨
「ポンド」と名の付く通貨にとっては、受難の年となった。今年最悪のパフォーマンスとなったのはエジプト・ポンドだ。エジプトはドル不足や社会不安懸念に苦しむ経済を安定化させようと、通貨を自由に取引できるようにするための劇的な措置を講じた。英ポンドはEU離脱選択後に急落し、その後も回復していない。
一方、今年最高のパフォーマンスとなったのが仮想通貨ビットコインだ。中国などでの資本規制や英米での孤立主義台頭で代替通貨への関心が高まり、今年100%を超える値上がりを記録。政府もしくは中央銀行が発行する通貨としては、ロシア・ルーブルが最も大きく上げた。原油相場の回復が寄与した。
株価指数
最近の混乱にもかかわらず、ブラジル株の指標、ボベスパ指数が今年のベストパフォーマーだ。弾劾裁判で有罪となり罷免されたルセフ前大統領を引き継いだテメル大統領が、ここ1世紀で最悪のリッセッション(景気後退)を終わらせ、政治の安定を実現させるとの期待が背景だ。
今年最大の値下がりはナイジェリアの株価指数。資本規制が海外からの投資の妨げになるなどし、ナイジェリアはここ20年余りで初のマイナス成長となりそうだ。
商品
15年は商品強気派にとってかなり荒れた年だったが、今年は値下がりした商品を見いだすのが難しいほどだ。天然ガスの値上がりが顕著で、ここ1年で60%余り価格が上昇した。
不安定な相場となったが、原油価格も持ち直した。ニューヨーク市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1バレル=30ドルを下回った後、50ドルを突破。今年は50%以上の値上がりとなった。値下がりしたのは農作物。小麦が13%安、トウモロコシは1.6%下げた。
債券
今年トップクラスの値上がりはベネズエラの国債だ。資金不足に悩むこの国の社会不安を踏まえれば、少しばかり驚きだ。財政的猶予を得るために政府が債務返済を先送りする取り決めを検討している可能性があるとのうわさから国債が買われた。最悪のパフォーマンスとなったのは、債務危機とインフレ加速に苦しむモザンビークの国債だ。
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米国の高利回り社債について言えば、多くのエネルギー企業債がトップクラスの成績を収めた。原油相場の安定を見込んだ投資家に利益をもたらした。最悪は掘削サービスのサイドワインダー・ドリリングが発行した社債。同社については、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが格下げし、デフォルト(債務不履行)の可能性があると警告した。
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新興市場の社債では、中国の安東油田服務(アントン・オイルフィールド・サービシズ)が最大の値上がり。上海の銀行からの資金調達を増やし、昨年の格下げから持ち直した。
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原題:Here Are the Best and Worst Performing Assets of 2016(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-29/OIXBT66TTDS101
世界が揺れた2016年−安倍首相や習主席らアジア首脳の手腕を検証
David Tweed
2016年12月29日 14:41 JST
関連ニュース
日本株下落、米大統領選後で最大の下げ−米中古住宅の低調と円高推移
2016年のベスト&ワースト−通貨と株価指数、商品、そして債券
東芝の時価総額が1兆円割れ、格下げ相次ぎ7カ月ぶり安値
オバマ米大統領、政権移行の「邪魔」と呼んだトランプ氏に電話
英国の欧州連合(EU)離脱決定や米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利の話題で持ちきりだった今年、アジアは世界で比較的安定した地域に感じられた。ただ、注意深く見ると、アジアも今年、域内の激動に耐えていた。フィリピン大統領が中国重視姿勢を取り、ソウルでは大規模デモが続き、インドでは高額紙幣の廃止が発表された。
アジアの首脳が今年残した実績を、各国の経済規模順で振り返ってみた。
中国の習近平国家主席
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習主席(63)は2016年、さらに権力を固めた。共産党の中央委員会第6回総会閉幕後のコミュニケでは党の「核心」と位置付けられ、17年後半の党大会で行われる最高指導部交代を前に権力基盤を強化した。習主席は初めて20カ国・地域(G20)首脳会議の議長を務め、中国は自由貿易と気候変動対策の主要な提唱者だと主張した。
17年の最大の課題は、通商や台湾関連で強硬姿勢を取るトランプ次期米大統領への対応と、指導部交代を控える中でも中国経済の回復基調を確実にすることだ。
日本の安倍晋三首相
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安倍首相(62)の支持率は、17年の解散総選挙に説得力のありそうな水準で年末を迎えた。総選挙を実施すれば、首相在任期間で戦後最長を記録するチャンスも出てくる。トランプ氏の勝利は安倍首相が推進する環太平洋連携協定(TPP)に打撃を与えたが、安倍首相はロシアとの領土問題で前進を模索し、太平洋戦争開戦の地である米ハワイの真珠湾を訪問して1年を締めくくった。国内ではいずれの動きも評判は良かった。
17年の最大の課題は対中関係のかじ取りを行いつつ、トランプ氏に日米同盟の重要性を納得させることだ。
インドのモディ首相
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モディ首相(66)はインド政治で数十年見られなかった手法で権勢を振るっている。11月8日には流通する紙幣の86%を廃止すると発表した。これは汚職を撲滅し、国内取引の障壁を減らし、対立が続くパキスタンに対して一段と強硬路線を取るという自らの国家ビジョンを実現するためには多数の国民に苦難を強いることもいとわない姿勢を示した。
17年の最大の課題は、突然の高額紙幣廃止で成長見通しが落ち込んだインド経済を再生しながら、国内最大の州での選挙を戦い、物品・サービス税(GST)を全国に導入することだ。
韓国の朴槿恵大統領
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アジアの首脳の中で最悪の1年に直面したのは韓国の朴大統領(64)だ。友人の国政介入を許した問題をめぐって退陣を求める大規模デモが数週間続いた後、12月9日に朴大統領の弾劾訴追案が国会で可決された。憲法裁判所が弾劾の合憲性を認めた場合、朴大統領は免責特権を失い、60日以内に大統領選が行われる。首相が大統領の職務を代行している。
17年の最大の課題は収監を逃れることだ。
フィリピンのドゥテルテ大統領
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ドゥテルテ大統領(71)は6月に就任して以来、麻薬撲滅対策で最高5000人が射殺されたとして国際的な批判を浴びているものの、フィリピン国内では依然として高い人気を保っている。大統領は米国との同盟関係について暴言も交えて繰り返し疑念を呈した一方、中国に接近しており、地政学的変化がアジアを揺さぶっている。
17年の最大の課題は、経済の好調を維持し政権運営への財界・軍幹部からの干渉を避けながら対米、対中関係のバランスを取ることだ。
原題:Who’s Had the Worst Year? How Asian Leaders Fared in 2016(抜粋)
—With assistance from Iain Marlow, Karlis Salna, Sam Kim, Isabel Reynolds, Ting Shi, Anisah Shukry, Norman P Aquino, Hannah Dormido and Adrian Leung.
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-29/OIXHR36S972901
今年のロンドン住宅価格の伸び、8年ぶり全国下回る-ネーションワイド
Lucy Meakin
2016年12月29日 18:14 JST
首都では3.7%上昇、全国は4.5%値上がり
すでに高過ぎて手が出ない水準、来年の伸びも全国で2%前後か
英国では首都ロンドンの住宅価格の伸びが、全国を8年ぶりに下回った。すでに高くなり過ぎ、購入希望者の手の届かない水準に達しつつあることを示した格好だ。英住宅金融のネーションワイド・ビルディング・ソサエティーが29日データを公表した。
2016年のロンドンの住宅価格は前年比3.7%上昇と、昨年の12.2%を大きく下回る伸びとなった。英国全体では4.5%値上がり。12月単月では前月比0.8%上昇した。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、ロバート・ガードナー氏は「ロンドンの住宅価格が大幅に上昇する局面は終わりに近づきつつあるのかもしれない」とし、「低金利で住宅ローンの月当たり支払額が減ったものの、ロンドンとイングランド南部では価格が高過ぎて手が出ない、または所得に対して多くの金額を借り入れなければならない人が増加した」と説明した。
ネーションワイドは記録的な低金利と物件不足が住宅価格を押し上げるとみて、来年の全国住宅価格の上昇率を2%前後と予想。ただ、ガードナー氏はこうした見通しは「全般的な経済動向に大きく左右される。通常よりも不透明感の度合いが強いためだ」とし、「イングランド銀行などが示した大半の予想同様、われわれも英経済が来年はやや鈍化すると見込んでいる。雇用市場の堅調さが陰り、住宅価格の伸びも若干減速する公算が大きい」と付け加えた。
原題:London House-Price Growth Lags Behind U.K. First Time Since 2008(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-29/OIXUI16KLVR601
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