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電気自動車化、最大の受益者はサプライヤーか
デルファイの自動運転技術が搭載された車のダッシュボード
By STEPHEN WILMOT
2016 年 12 月 22 日 17:10 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
景気後退期以降の自動車ブーム最大の勝者は自動車メーカーではなく、そのサプライヤーだ。自動車業界のこうした傾向は、電気自動車が台頭しても変わりそうもない。ニーズに合った技術を持つサプライヤーの株価は高いが、それだけの価値はある。
この10年間、自動車は消費者を獲得するため、規制に合わせエンジン効率を改善させるため、多くのガジェットを取り込んできた。しかし、そのせいでより高額にはなってはいない。それを可能にしてきたのは、自動車メーカーと大手サプライヤーの象徴的な関係性だ。自動車メーカーは継続的な値下げと引き換えに米デルファイなど最大手のサプライヤーからより多くの部品を購入してきた。
こうした力関係はサプライヤーにより有利に働いた。この5年間でサプライヤー株が自動車メーカー株を50%近くも上回ってきた。調査会社エバーコアISIによると、継続的な値下げにもかかわらず、上場している4大サプライヤーが提供する自動車1台当たりの価値は過去3年間に年率4%以上上昇。ここ数年は自動車メーカーの販売実績が好調だったこともあり、サプライヤーの売上高も急増した。
パワートレインの電動化により、エンジン、排気装置、内燃機関に関連した他の機能に関連する部品が徐々に不必要になっていくとの懸念を引き起こしている。コンサルティング会社アリックスパートナーズのアンドリュー・バーグバウム氏は「サプライヤー業界の中で大規模な再編が必要になるだろう」と予想する。
絶えず厳しくなる排出ガス基準を従来型のエンジンで満たすため、サプライヤーは複雑なハイブリッド技術に多額の投資を行ってきた。しかし今や自動車メーカーは排出ガス削減戦略の焦点を純電気自動車に絞るという姿勢をより明確にしている。
このため、サプライヤーが当てにしてきた利幅の大きいハイブリッド化の期間が短縮される恐れがある。また、サプライヤーは新技術への投資に追い込まれる可能性もある。
しかし、大手サプライヤーはこうしたリスクにどうにか対応できそうだ。そうしたサプライヤーの大半は、製品ポートフォリオの焦点を基本的な機械部品ではなく、急成長している電子部品、ハイブリッド車用部品に当てているからだ。ハイブリッド車用パワートレインの台頭から受ける恩恵がこれまでの想定以下だったとしても、純電気自動車の台頭にはそれを補うだけの魅力がある。というのも、インターネットを利用した装置、自動運転用の装置など、電気自動車には利益率が高くなりそうな電子部品が多く必要になるからだ。
個別のサプライヤーがどれほど好位置に付けているかは、その会社が買収したり投資したりしてきた技術で推測できる。成長見通しが最も有望なのは、自律運転支援技術を専門とするイスラエルのモービルアイだ。予想1株当たり利益の50倍で取引されていることからも分かる。投資家は、専門分野が異なるサプライヤーの複雑な状況に価値を見出せるかもしれない。連邦破産法11条に基づく事業の全面的な再編以降の数年間で電子部品を専門に扱うようになったデルファイ。同社は、電気自動車1台当たりの部品の売上高が従来型自動車の7〜8倍になると予想。同社株の株価収益率(PER)はわずか11倍である。
新技術への投資はこの2年間の買収ラッシュを後押ししてきた。例えばドイツの自動車部品大手ZFフリードリヒスハーフェンは、ライバルの米TRWオートモーティブ・ホールディングスを136億ドルで買収することで、自動運転車で利用されるレーダー・認識技術を入手した。コンサルティング会社ストラテジーアンドによると、今年の自動車サプライヤー業界の大型買収(規模が5億ドル以上のもの)の数は過去8年間で最多となる見通しだ。
しかし、自動車の技術に興味を示しているのは従来の自動車サプライヤーだけではない。韓国のサムスン電子は先月、インフォテインメントとコネクテッドカーを専門とする米自動車部品メーカーのハーマン・インターナショナル・インダストリーズを80億ドルで買収すると発表。パナソニックは今月、オーストリアの自動車用ライト大手ZKWグループを買収した。こうした消費者向け技術と自動車技術の収斂は注視すべきリスクである。利益率の高い一部のニッチ市場への参入が増えれば、利益率は低下してしまうからだ。
それでも大手上場サプライヤーは今のところ、顧客の自動車メーカーよりもそうした変化に強そうである。そのほとんどが、どのメーカーの電気自動車にも利用される知的財産権を保有しているからだ。ファクトセットによると、そうしたサプライヤーの予想1株当たり利益の11倍というPERは、自動車メーカーの7倍と比べると割高に見えるが、収益伸び率も高いので十分に理にかなっている。自動車業界の変革の本当の勝者は自動車メーカーではなく、ハイテクに強いサプライヤーなのかもしれない。
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コラム:黒田日銀に待ち構える「2017年問題」
永井靖敏大和証券 チーフエコノミスト
[東京 21日] - 2016年の日銀の金融政策を振り返ると、マイナス金利導入という予想外の幕開けになった。7月に上場投資信託(ETF)の買い入れペースを拡大。9月に「総括的な検証」を発表し、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という新しい枠組みを導入するなど、矢継ぎ早に政策発動を行った。ただ、その後は、波乱なく年を越えようとしている。
2017年については、新しい枠組みが維持されると思われるが、日銀にとって平穏な1年になるとは限らない。物価がさほど上昇しないケースでは、その理由を説明する必要があり、場合によっては追加的な行動を強いられる。また、十分上昇するケースでは、適切な情報発信や対応が求められるためだ。
<物価低迷なら「新たな理由」が必要>
まず、物価がさほど上昇しないケースについて考えると、日銀は現行の政策運営を正当化するため、新たな理由を探す必要がある。これまでは、最大の原因は原油価格の下落と説明してきた。
「総括的な検証」でも、原油価格の下落による一次的な影響に加え、日本の物価が「適合的」な(過去の物価水準に左右される)面が大きいことから、結果として「物価安定の目標」を2年以内に達成できなかったが、「量的・質的金融緩和」自体は物価押し上げ効果があったと分析している。このため、原油価格の下落が一巡した後も、物価の伸びが想定を下回った場合、日銀は説明に窮する恐れがある。
とはいえ、後付けで理由を見つけることは難しくないだろう。2007年のサブプライムショック、1997年のアジア通貨危機、1987年のブラックマンデーを理由に、末尾7の年は金融ショックがあると主張するつもりはないが、最近は毎年何らかのショックが起きている。「2017年は何のショックも起きない」と考える方が不自然だ。
具体的には、中国について、住宅市場はバブルと指摘する向きもあり、2017年に大幅に調整する可能性を否定することはできない。米国については、トランプ次期米大統領と米議会の対立が表面化し、債務上限問題などで市場の混乱を招く恐れもある。
欧州については、春のフランス大統領選挙、秋のドイツ総選挙が予想外の結果となり、これが世界経済に悪影響を及ぼすというリスクシナリオも無視できない。何らかのショックに加え、「総括的な検証」で日銀が想定した以上に日本の物価が「適合的」だったと主張することで、説明責任を果たすことができそうだ。
<金利操作目標引き上げ時の説明責任>
より問題なのは、物価が十分上昇するケースだろう。新しい枠組みは、期待インフレ率の上昇に応じて、ゼロ%程度とした長期金利の操作目標を適宜引き上げることが可能な仕組みになっている。今後、物価の伸びが高まるにつれて、市場で操作目標引き上げ観測が強まりそうだ。
筆者は、コア物価の実績値が少なくとも1%を超える必要があると考えているが、市場の見方はまちまちで、日銀が引き上げを行う判断材料は、ブラックボックス化されている状況にある。
日銀が長期金利の操作目標を引き上げるには、金融緩和度合いが過度に高まることにより生じる弊害について説明する必要がある。政策運営は、ベネフィットとコストを比較した上で実施される。「過度に高まった」と言うためには、具体的なコストの所在を明らかにしなければならないだろう。
筆者は、コストとして、行き過ぎたリスクテークを誘うこと、望ましくない円安を招くこと、長期金利の操作目標引き上げ時に市場が波乱することなどが思いつく。ただ、日銀が行き過ぎたリスクテークの弊害を問題視すると、質的緩和を正当化できなくなる。為替レートについては、財務省専管事項であるため、望ましくない水準に達したとコメントすることはできない。
このため、長期金利の操作目標引き上げ時期は、「引き上げ時の市場の波乱」に関する日銀のコスト評価が鍵になる。引き上げは、「早めで緩やか」か「遅めで急か」の選択で、コストを重視すれば、「早めで緩やか」の方が望ましい。日銀も、新しい枠組みの導入で、これまで軽視していた政策運営の持続性に配慮する姿勢を示したことから、コストもある程度意識していると思われる。
とはいえ、日本の物価は「適合的」と説明しているため、早過ぎる引き上げは望ましくない。黒田東彦日銀総裁は、12月の金融政策決定会合後の記者会見で、現行の金融政策は2%の「物価安定の目標」達成に向けたモメンタムを維持するために導入したと説明し、2%目標までになお距離がある状態での長期金利の操作目標引き上げについて、否定的な見解を示した。
会合前に、長期金利が上昇していたが、米長期金利の上昇が主因と考えられるため、日銀が市場の動きを追認しなかったのは、当然のことだろう。会合後の市場の反応も軽微なものにとどまった。
日銀にとってのベストシナリオは、期待インフレ率の上昇に応じて長期金利が上昇し、金融政策決定会合で上昇を追認するという手法だろう。9月の会合で、長期金利の水準を「概ね現状程度(ゼロ%程度)」とし、新しい枠組み導入による大幅な相場変動を回避できたことを、成功例と考えていると思われる。
2017年は、ある程度の物価上昇が見込まれる。物価上昇後、長期金利の操作目標を長期間ゼロ%のまま据え置くと、変更後のショックが大きくなる。黒田総裁は、イールドカーブについて「適切にコントロールしている」という発言にとどめたが、2017年は、市場の混乱を避けるため、より緻密な情報発信が求められる。
*永井靖敏氏は、大和証券金融市場調査部のチーフエコノミスト。山一証券経済研究所、日本経済研究センター、大和総研、財務省で経済、市場動向を分析。1986年東京大学教養学部卒。2012年10月より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
(編集:麻生祐司)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
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在宅勤務者を取り込む「バーチャルパーティー」で失敗しない方法
米ハッピーメリー社で行われたバーチャルパーティーの様子 ENLARGE
米ハッピーメリー社で行われたバーチャルパーティーの様子 PHOTO: LISETTE SUTHERLAND
By LAURA MECKLER
2016 年 12 月 22 日 16:49 JST
デジタルの時代では、通勤経路が道路から自宅の階段に変わり、仕事着がズボンからパジャマに変わった。今や、伝統的なオフィスパーティーの姿も変わろうとしている。
リーダーシップ研修を手がけるケン・ブランチャード社(本社・カリフォルニア州)では今月、毎年恒例の「バーチャル・オフィスパーティー」が開かれた。ある金曜日の朝、ブレント・バイステッド氏率いるチームに所属する約15人の在宅勤務者は、それぞれ自宅のパソコンのウェブカメラ前に集まった。メンバーはカリフォルニア、バージニア、イリノイの各州などに散らばっている。パソコン画面にみんなの顔が並んだ。
一方、本社では他のメンバーが会議室に集合。パーティーはパワーポイントを使ったゲームで始まった。最初のゲームは与えられたヒントからクリスマスソングを当てるというものだ。例えば「私の聴覚を刺激しているものと同じ長軸方向の圧力をあなたも受けていますか?」というヒントなら、答えは「Do you hear what I hear?(あなたにも同じものものが聞こえますか?)」。
他に、カメラの前の在宅勤務者が飲み物の入ったカップを片手に「What’s in the cup?(中身は何?)」と聞くゲームも楽しんだ(答えはコーヒー、紅茶、ココア、水が多かった)。
ケン・ブランチャード社で今月開かれたバーチャルパーティーの様子 ENLARGE
ケン・ブランチャード社で今月開かれたバーチャルパーティーの様子 PHOTO: BRENT BYSTEDT
参加者はクリスマス用の帽子とセーターを身につけた姿で画面に登場し、ノートパソコンのカメラを利用して自宅の飾り付けを紹介した。本社は事前に在宅勤務者にクッキーを送り、仲間はずれになった気分を味わう人が出ないようにした。
雰囲気はどうだったのか。バイステッド氏によると、「まあ、盛り上がったかな」。
米カウンセリング会社グローバル・ワークプレース・アナリティクスが国勢データを分析したところ、就労時間の少なくとも半分は自宅で働いたという就労者が2015年には約300万人に達した(個人事業主を除く)。
IT(情報技術)大手シスコシステムズのマネジャーを務めるアサン・オスマン氏は、バーチャルパーティーはうまくいかないことが多く、完全に「悲惨な」結末に終わる可能性もあると話す。「ただパソコンの前に座って何かを食べながら、他の人が食べている様子を画面で見ているだけ」になりがちだと指摘。主催者はチームの結束固めのイベントとして組み直したほうがいいと助言する。
悲壮感が募るパーティーも
オスマン氏は、数年前に勤めていた新興企業でのバーチャルパーティーを振り返る。15人の在宅勤務者のうち参加したのはわずか5人ほどで、いざ始まってみると、ほとんど何もすることがないという事態に直面。「悲壮感が募っただけだった」という。
ヘルス・フィットネス関連の事業を手がけるビーチボディー社で約300人のオンラインコーチを束ねるケリー・キング氏は今年、少なくとも本物の味が楽しめるバーチャルパーティーを実施することに決めた。
キング氏は参加者に好きな飲み物やスナックを用意し、ウェブカメラの前で飲食するよう促した。秘密のプレゼント交換会も企画した。参加者は互いにメールでプレゼントを贈り合い、画面上で開けるという趣向だ。
昨年のバーチャルパーティーでは、同社のトレーナー、ミシェル・ファンク氏が頭にトナカイの角のヘッドバンドをつけ、他の参加者もクリスマスらしいシャツやセーターを着て参加した。それぞれがグラスにワインを注ぎ、ファンク氏は低カロリーのウオツカをソーダ水で割った。飲み物代は自腹だった。
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