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マイナス金利で期待される主な効果(「定年後のお金と暮らし2017」より)
2017年は景気が好転!? 18年には「デフレ脱却宣言」も〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161221-00000039-sasahi-soci
dot. 12/22(木) 7:00配信
アメリカ大統領選でトランプ氏が勝利し、次期大統領に決まると株価が上昇。2016年12月20日の日経平均株価では年初来高値を更新する1万9511円20銭を記録し、2万円も目前です。「日本経済もデフレ脱却宣言までもう一息」と語る第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さんに、週刊朝日MOOK「定年後のお金と暮らし2017」で、その理由を聞いています。
永濱利廣(ながはま・としひろ)
1995年、第一生命保険入社。98年、日本経済研究センター出向などを経て、2016年4月から現職。著書に『60分でわかる「マイナス金利」』(三才ブックス)ほか多数
■想定外の「マイナス金利」は副作用も想定外だった
従来は将来的に日本経済がどうなるのかを予測することで、投資する商品の選択肢が定まり、リスクを回避できたのですが、最近は1年先の予測も難しくなってきました。
メガバンクのスーパー定期1年物の金利は、1年足らずで0.025%から0.01%まで下がってしまいました(16年11月19日現在)。100万円預けると、利息は100円。これに税金がかかりますので、手元には80円程度しか残らない計算になります。このようなことが起こったのは、日本銀行が「マイナス金利」政策を導入したからです。
日本経済はバブル崩壊後、長い間、デフレが続いています。日銀は「物価上昇率2%」という目標を掲げ、異次元といえるほどの量的金融緩和を実施してきました。その目標を確実にするために打ち出したのがマイナス金利政策です。日本では初めての試みですが、欧州中央銀行、スウェーデン、スイス、デンマークなどヨーロッパの中央銀行ではすでに導入されていました。「自分たちの預金金利がマイナスになるのではないか」と早とちりした人もいるかもしれませんが、そうではありません。
民間の金融機関は、手持ちの資金の一部を日銀に預けています。これが「日銀当座預金」です。16年2月16日以降の預け入れ分から金利がマイナス0.1%になりました。「日銀に100億円預けるのなら、逆に1000万円の利息を支払いなさい」ということです。
経営を圧迫することにつながるので、銀行は「利ざや」を確保するため、預金金利を引き下げました。マイナス金利で起こった副作用のひとつです。
そもそも日銀はなぜ「物価上昇率2%」にこだわったのでしょうか。簡単に振り返ってみましょう。
日本はバブル崩壊後、デフレ脱却が長年の課題になっています。1992年と2012年を名目GDP(国内総生産)で比較してみますと、92年が約488兆円であるのに対して、12年は約475兆円にすぎません。この間、中国は約20倍、アメリカは2.5倍拡大しています。そこで12年12月に誕生した第2次安倍政権では、デフレからの脱却と富の拡大を目指して、アベノミクス「3本の矢」(1.大胆な金融政策、2.機動的な財政政策、3.民間投資を喚起する成長戦略)を打ち出しました。
13年、14年に日銀は“黒田バズーカ”と呼ばれるほどの大規模な金融緩和を実施しました。「3本の矢」のうちの第1の矢です。円安ドル高に誘導したことで輸出企業を中心に業績が上がり、日経平均株価は2万円を超えました。
ところが、日銀が金融緩和をして世の中に出回るお金の量を増やしても、その多くが日銀に置かれたままで世の中に回らなくなってしまいました。そこでマイナス金利政策により、この流れを変えようとしたのです。
日銀は16年11月1日に行われた金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期の見通しを「17年度中」から「18年度ごろ」と先送りしました。
第1の矢で「今後は物価が上がる」というインフレ期待を生めば、早めに投資や消費をしようという動きが広がって経済が活性化し、賃金が上がる。賃金が上がれば、消費行動が活発になる──というシナリオを描いていましたが、実際はそうなりませんでした。
アベノミクスで雇用環境は改善しましたが、14年4月に消費税率を5%から8%に上げたので、景気が落ち込んでしまいました。国民には将来の社会保障への不安からお金を使わない“デフレマインド”が浸透してしまい、想定以上に消費が増えませんでした。
これに輪をかけて慎重なのが企業で、たとえ利益が上がっても内部留保に回すような状態が続いています。従業員の給料を増やすためには、企業の経営者たちが「人件費を増やす」という意思決定を下さなければならないところ、経費削減は強化されています。
マイナス金利政策の副作用は預金金利の引き下げですが、効果もあります。期待されるマイナス金利の主な効果のひとつは、住宅ローンの金利が下がることです。
そんな中、予期せぬ出来事が起こりました。“トランプ・ショック”です。
■「トランプノミクス」で世界経済は好転するか
2016年11月8日に実施されたアメリカの大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利し、次期大統領に決定しました。
国債の市場では、トランプ次期大統領による政策への期待感から、アメリカの長期金利が上昇しています。これを受けて日本でも長期金利の代表的な指標である10年物国債の利回りが上昇してきました。
住宅ローンの10年以上の固定金利は、10年物の国債金利に連動していますので、借り換えには注意が必要です。日銀は長期金利を0%程度に誘導する政策を導入しているので、すぐに金利が上がることはないとしても、17年のうちに借り換えたほうがいいかもしれません。
トランプ次期大統領が打ち出した経済政策「トランプノミクス」を背景に、世界の金融市場では、株高・ドル高が続いています。
強いアメリカを取り戻すために、(1)中間所得層へ大型減税、(2)10年間で1兆ドル規模のインフラ投資、(3)保護主義的な通商政策、(4)金融規制の緩和など、年4%の経済成長を目指す景気刺激策の実現を、金融市場は先取りしているのです。
市場の反応は80年代の「レーガノミクス」を想起させます。81年に就任したレーガン大統領は、大規模な所得税減税を断行し、強いアメリカを作り上げようとしました。
■デフレ脱却宣言をするため17年は好景気が期待できる
トランプ・ショック後の円安ドル高は、日本経済にとってはプラス材料です。ポジティブなシナリオでは、早ければ18年には「デフレ脱却宣言」をするでしょう。
政府が「デフレ脱却宣言」を行うかどうかは、デフレ脱却が「物価が持続的に下落する状況を脱して、再びそうした状況に戻る見込みがないこと」として、四つの経済指標をもとに判断します。19年10月に消費増税を実施する予定ですが、その前にデフレ脱却宣言ができなければ、延期される可能性があります。社会保障費が増え続けていることを考えると、ここで上げなければ財政が逼迫します。
消費増税は一時的に景気を後退させます。19年は五輪の建設需要が一段落したのと重なり、景気は冷え込みますが、20年には東京五輪で外国人観光客が訪れ、「クールジャパン」の観光立国として産業が成り立つようになります。
20年以降は、少子高齢化に歯止めがかからず、人口の減少からGDPが減ってきます。また、団塊世代が75歳以上になる「2025年問題」が浮上し、社会保障費の抑制が課題になってきます。
日本経済が再び黄金期を迎えられるかどうかは、消費増税前の「デフレ脱却宣言」にかかっているといえそうです。その前年にあたる17年は景気対策を打ってきますので、景気は好転するでしょう。日経平均株価は年末にかけて、2万円台に乗せるとみています。(構成/村田くみ)
■今後の日本経済はどうなる?
2017年 衆議院選挙?
自公連立で過半数が取れないと政権が不安定になり、経済が低迷
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2018年 デフレ脱却宣言
バブル崩壊後の長いデフレからついに脱却、好景気に沸く?
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2019年 消費税増税
17年に予定していた消費増税が実施され、8%から10%に。東京五輪の建設需要は一段落
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2020年 東京五輪
過去最高の外国人観光客が訪れ、クールジャパンの観光立国として産業が成り立つように
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2025年 大阪万博?
政府が景気浮揚策として誘致。一方で団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」が浮上
※週刊朝日MOOK「定年後のお金と暮らし2017」より
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