http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/872.html
Tweet |
1980年代の再燃か ドル高、金利高による経済危機 金子勝の「天下の逆襲」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/196197
2016年12月20日 金子勝 慶応義塾大学経済学部教授 日刊ゲンダイ 文字お越し
EU崩壊が進みかねない(C)AP
トランプラリーによって、日経平均株価が上昇している。1万9000円を突破し、ドル高、円安によって日本の輸出産業の業績も良くなると期待されている。その一方、いつまでも株高は続かないと心配する声も強いようだ。いずれにしろ、マーケットは目先の動きに一喜一憂している状況である。
しかし、心配すべきなのは、トランプ政権の政策に対する長期のリスクだ。
トランプ次期大統領の政策は、1980年代のレーガン大統領のそれに似ていると指摘されている。大幅減税と財政出動によって、景気を上向かそうとしているからだろう。当時のポール・ボルカーFRB議長も、現イエレン議長と同じように引き締め政策を実施し、ドル高、高金利をもたらした。しかし、思ったほどアメリカの景気は上向かず、結局、レーガン政権は大幅減税を見直し、ドル高を修正するために「プラザ合意」に踏み切っている。
深刻だったのは、ドル高・高金利によって、中南米諸国が債務危機に陥ったことだ。中南米諸国は債務が膨らんでデフォルト(債務不履行)に陥り、自国通貨が暴落し、IMFが介入する事態になった。
当時と違うのは、すでに新興国のバブルが崩壊していることだ。もし、80年代と同じように資金が流出して新興国の通貨が下落し経済危機に陥ったら大変だ。何より、世界第2位の経済大国である中国経済が心配である。
しかも、ヨーロッパの金融機関も赤字と巨額の不良債権に苦しんでいる。このままドル高、高金利が続き、ドル資金の調達が困難になったら、ヨーロッパでも金融危機を醸成しかねない。
最悪なのは、来年以降、EU崩壊が進みかねないことだ。オランダ、フランス、ドイツなどで重要な選挙が予定されている。イタリアも総選挙の前倒しがあるかもしれない。どこか1カ国でもEUから離脱し、その国の通貨が暴落した場合、その国の金融機関は潰れ、その国の債権を保有している金融機関も巨額の不良債権を抱えることになってしまう。
トランプ政権によるドル高、高金利がアメリカと世界の経済に何をもたらすか。日本はもっと中長期の先行きを考える必要がある。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民116掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。