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来年の相場について(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/819.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 19 日 00:46:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

来年の相場について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52887334.html
2016年12月18日 在野のアナリスト


米国では16日、ダウ、NASDAQともに下落しました。実は、米国ではダウ20000$、NASDAQ5500ptで年越し、などとも囁かれており、それに向けて速度調整をしなければいけない、という事情もあります。逆に言えば、そうした思惑だけが今の相場を支えており、トランプラリーとして語られるのとは異なる銘柄が上昇するのも、この歴史的瞬間を見てみたい、との高揚感が理由です。しかしそのためPERは17倍台とかなり割高、しかもドル高局面で今後の企業業績の改善もみこめない中ですから、余計に急落リスクを高めていると言えます。

そろそろ来年の相場について考えてみたいと思いますが、まず昨年の反省から。昨年のこの時期、私の見立ては「年初が一番高く、後は下落がつづく」というものでした。トランプ相場で年初来高値が更新され、その予想は外れた形になります。それはそれで残念ですが、トランプ相場の破壊力については、やや懐疑的に見ています。富裕層に優しい、財政出動、減税をその根拠にしていますが、実態もよくわからないうちに、その最大の効果を織りこむ勢いです。少しでもその実態が分かってくると、実態の方に合わせないといけない。つまり下落してしまう、ということになります。

これまでの世界経済は米国一本足、米景気が良好なだけで、世界中で低成長という状態でした。しかも最大の問題は、その効果がまったく海外に波及しないこと。つまり好調な米国にモノを売って稼ぐ、それで貿易相手国が潤う、ということが無い点です。ナゼか? と言えばリーマンショックを経験後、市場にバブルがおきても富裕層が消費を抑えてしまう、つまり今の米国経済は、不動産や株式といった市場だけが好調、そんな形です。消費も好調、とも言われますが、市場の伸びに比べたら微々たるものです。しかし元々、資産効果による消費への波及はこの程度とみられるので、米国は資産バブルだけで好調を持続している状態です。しかしダウが今年中に20000$を達成してしまうと、達成感と現実との乖離によって相場が下落し、来年は逆資産効果が生まれてしまう。すると実際の下落率よりも、マインド面の悪化がより深刻な影響をもたらすことになるのでしょう。

米株が上昇しないと日本株も上昇しない。米株が20000$をピークに下落に転じるなら、恐らく日本もそれに追随するでしょう。そこには円安の持続力もある。米MMFでみても、外国人投資家は大量のドル買い、円売りの状態になっており、しかもそれは日銀の金利操作政策に移行したことに依存する部分も大きい。しかし結局、日銀は金利上昇局面を無理やり押さえ込むため、量的緩和状態に逆戻りしている状況であり、それなら円売りも正当化されなくなる。結果、ふたたび円売りに逆戻りする可能性も高い。しかもそのタイミングは、米株が軟調になるタイミングと同時になる怖れも高い。

今の相場環境が、年初で大きく転換するなら、来年も年初が一番高い、ということになりかねないのでしょう。トランプ相場の持続性に疑義もあるので、年初から1〜2週間のうちに高値をとり、その後下落に転じることになりそうです。問題は速度と深さ、ですが、上昇が速度違反だったので、現実を知って我に返る度合いと同じペース、とは限らないのでしょう。トランプ政権の始動は2月から、欧州選挙ラッシュは3月から、となりますが、到底そこまでの持続性はないでしょう。さらに、トランプ政権が失敗すれば、欧州でEU離脱派が失速し、トランプ政権が成功すれば、欧州でEU離脱派が勢いをもつ、という厄介なシーソー関係にあります。この連立方程式の問いは、世界は安泰でいられない、ということにもなってくるのでしょう。

来年の日経平均は、上値は年初の20000円近くから、下値は悪い予感が当たると10000円を切る場面があるかもしれません。EU崩壊のコスト、米中の緊張、ドル高による新興国の破綻に伴うコスト、などなど、世界は一つのピースを外しても、がらがらと今の高さは維持できない状態です。それはまるでバベルの塔のようでもあります。「我々のために」という我欲により街と塔をつくりはじめたところ、その傲慢さゆえに神によって互いに言葉を理解できなくされ、各地に散らされた、という話です。互いの主張が理解できず、対立を深めていく構図、それは国同士、さらに国内でも対立構造を深めていく状態をさすのかもしれません。対立が深刻化すれば、それは相場にとって手控え要因ともなるでしょう。今の市場は、そうなる焦りで今年中に高値をとっておきたい、というのなら、そのバベルの塔はジェンガのような脆さ、といえるのかもしれません。そのジェンガ、英国発祥ともされますが、その最初のピースを英国が抜いたのなら、そこから引き抜いて積み上げるピースが、どこで崩れるか? そのタイミングが問題になってくるのでしょうね。

 

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コメント
 
1. 2016年12月20日 20:56:06 : 2LiKY8ftgY : PTfAaIrqs6s[628]
彩りを 添える砂上の 楼閣に

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