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次期国務長官、出世の裏にプーチン氏との交渉手腕
エクソンのティラーソンCEO、独裁者たちと取引した過去
右からロシアのプーチン大統領、クラスノダール地方のトカチョフ知事、エクソンモービルのティラーソンCEO(2012年6月15日に開かれたロスネフチとエクソンモービルの西シベリアの鉱床共同開発事業の調印式で)
By JUSTIN SCHECK, JAMES MARSON AND RUSSELL GOLD
2016 年 12 月 14 日 14:23 JST
米石油大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン氏は1999年、ロシアのウラジーミル・プーチン氏と交渉し、同国極東で石油開発プロジェクトを始動させることに成功した。このことはティラーソン氏がエクソンの会長兼最高経営責任者(CEO)に上り詰める上で大きな後押しとなった。以来、両者はいくつも合意を交わしている。
こうした両者の関係は、ティラーソン氏がドナルド・トランプ次期米大統領に国務長官に指名された最大の理由となっているが、一方で米議会にとって最大の懸念になる可能性もある。共和・民主両党の議員が、ロシアが米大統領選に影響を与えるためにハッキングしたとの疑惑について議会で調査するよう求めているためだ。
「私は(プーチン氏と)非常に親しい関係を持っている」。ティラーソン氏は今年2月、母校のテキサス大学で学生たちにこう語った。「彼がやること全てには同意していない。他の多くの指導者についてもそうだ。しかし、彼は私がビジネスマンであることを理解している。私自身もわが社も多くの資金をロシアに投資し、非常にうまくいっている」
エクソンを率いる上でティラーソン氏は難しい役割をこなしてきた。往々にして遠方の諸国において、世界の化石燃料資産の多くを掌握する指導者たちと関係を築き、石油やガス鉱床へのアクセスを獲得してきた。中には米政府と敵対する指導者もいた。チャドやアンゴラの独裁者とビジネスを行い、リビアの元最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐とも石油開発について交渉した。
ティラーソン氏の過去の職務について、12日の時点ではエクソンからコメントは得られなかった。
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トランプ次期米大統領は、エクソンモービルのティラーソンCEOを次期国務長官に指名したが、同氏と外国指導者との関係が議会での承認を難航させる可能性がある(英語音声のみ) Associated Press
「これがわれわれの要求だ」
他の石油大手同様、エクソンもサウジアラビアの国有企業とパートナーを組んできた。サウジは米国の長年の同盟国だが、最近は議員にやり玉に挙げられている。
そのような取り組みには一種の外交手腕を要する。しかし、ティラーソン氏はしばしば外国の商売相手に自分は会社と株主を代表しているのだと強調しており、テキサス大学の講演でも次のように語った。「私は米国政府の利益を代表するためにここにいるわけではない。それを守るためでも批判するためでもない。それは私の仕事ではない。私はビジネスマンだ」
これは、必ずしも国益に沿う形で事業を運営してはいないということだ。エクソンが事業を展開する国々で働いていた元米外交官2人によると、ティラーソン氏は現地の米国大使館に表敬訪問さえしないこともある。
エクソンと合弁事業で手を組んだライバル企業の元幹部によると、エクソンは世界最大手の非国有石油会社の1つとして、また困難なプロジェクトに対処できる技術力を持った数少ない企業の1つとして、その絶大な力を盾に、外国の指導者に対して他社より率直で要求が厳しく、交渉の余地のない申し出を突きつけてきた。
元ライバル企業幹部によると、ティラーソン氏はよく交渉相手の政権に対し「これがわれわれの要求だ」「これがあなた方が得られるものだ」などと言っていた。
キャリアを決定づけたロシアでの実績
ティラーソン氏のキャリアをおおむね決定づけたのが、ロシアでの働きだ。同氏は時に大型取引をプーチン氏と直接交渉してきた。1990年代終わり、エクソンで急速に頭角を現していたティラーソン氏は、政治的にも技術的にも複雑なロシアの石油開発プロジェクトの対応を任された。
ロシア極東のサハリン(樺太)島で石油開発から掘削まで行う170億ドルの事業は、官僚的な手続きで長年身動きが取れない状態が続いていた。
ティラーソン氏が交渉に成功した一因はプーチン氏を相手にしたことにある。プーチン氏は1999年に首相に就任し、以来、大統領または首相として国を治めている。プーチン氏とのコネは、ティラーソン氏が2006年に他の幹部を差し置いてエクソンのトップに昇格する上で弾みをつけることにもなった。
2000年代に入ってプロジェクトが進行するにつれ、プーチン氏は欧米の石油会社との取引で主張を強めるようになっていった。一部の人たちは、1990年代に行った取引が欧米企業に過剰に有利だったと感じていた。
そうした状況をかじ取りするにあたり、ティラーソン氏はロシア国営石油会社ロスネフチをプロジェクトのパートナーに据えた。以来ロスネフチは世界有数の上場石油会社に成長した。
2011年、世界の石油メジャーがロシア北極圏の膨大な潜在資源の獲得にこぞって乗り出すなか、ティラーソン氏はロスネフチと再び手を組んだ。
英石油大手BPのロバート・ダドリーCEOも、前途有望な北極油田を確保しようと試みた。しかし、BPのロシアの合弁会社TNK-BPの関係者がそれを阻止し、そこにティラーソン氏が巧みに割って入った。
ティラーソン氏は2012年6月のプーチン氏との会談で、エクソンの北極圏の事業は米ロ関係を促進させたと指摘。「おっしゃる通り、企業ほど両国関係を強化させるものはない」。ロシア政府の議事録によると、同氏はこう語った。
翌年、プーチン氏はティラーソン氏の功績をたたえ、友好勲章を授与した。
*この記事は後編に続きます
次期国務長官、出世の裏にプーチン氏との交渉手腕(後編)
外国指導者との幅広い経験、国務長官に生かせるか
2016 年 12 月 14 日 17:55 JST
しかし、ロシアがクリミア自治共和国を併合したことで、エクソンのロシアでの利益拡大に向けた取り組みは後退を余儀なくされ、米ロの公式な関係も悪化した。さらにロシアがウクライナ東部に軍事介入したことを受け、オバマ政権が対ロ追加制裁を発動。ロスネフチをはじめとするロシアのエネルギー会社もその対象となり、北極圏での掘削は停止に追い込まれた。
次期国務長官、出世の裏に対ロ交渉手腕(前編)
昨年までエクソンの取締役を務めていたウィリアム・ジョージ氏は、ティラーソン氏が米国の制裁に反対していたと明らかにした。しかし、「レックスは対抗手段は取らなかった。裁判には持ち込まなかった」とも述べた。
ジョージ氏は医療機器大手メドロニックのCEOを務めていたが、現在はハーバード大学経営大学院で上級研究員としてリーダーシップについて教えている。同氏はティラーソン氏がプーチン氏をはじめとする外国の指導者と幅広く交渉してきた経験が、国務長官としても役立つはずだと指摘する。「私がエクソンにいたとき、彼が会社の利益よりもプーチン氏の利益を優先したことは一度もなかった」とジョージ氏は話す。
エクソンがロスネフチと共同で手掛けるサハリン(樺太)島北東沖合の石油・天然ガス・プロジェクト「サハリン1」の掘削リグ「ベルクト」
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RE810_tiller_M_20161213060118.jpg
PHOTO: EXXONMOBIL
ティラーソン氏の指揮の下、エクソンはチャドやパプアニューギニア、ベネズエラ、リビア、イラク、アンゴラ、赤道ギニアなど、非政府組織(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル」がまとめる「腐敗認識指数」で上位にランクされる国々と広く取引を行った。
また、イラク政府や米国務省の意向に反し、イラクのクルド人半自治区にもエクソンを進出させた。
腐敗国との取引で批判も
事業を率いる中でティラーソン氏は時に批判も浴びている。例えば、チャドでは国際的な石油事業で得た利益が独裁政府の軍事作戦に利用されていたにもかかわらず、同国での掘削を続けた。
https://si.wsj.net/public/resources/images/WO-BC367_TILLDE_16U_20161213131506.jpg
エクソンの2015年の地域別の液化燃料純生産量(単位:千バレル/日)
ティラーソン氏がエクソンのトップに就任した直後の2006年1月、エクソン主導のコンソーシアムが得た石油収入を巡ってチャドのイドリス・デビ大統領と世界銀行が対立した。外部団体が石油収入の一部を医療施設や学校に使用できるようにする合意にデビ氏を従わせようと、世銀は資産を凍結して圧力をかけた。
それでもエクソンは、チャドの契約を維持した。それは、数百万ドルをデビ氏に支払うことを意味し、その資金は同氏が政権に居続けるための軍事費に充てられた。事情を直接知る関係者は次のように話す。「彼らにはやるべき仕事があり、その仕事は石油を掘り出すことだった。彼らには契約があり、それを守ろうとしていた」
ロシアとの広範な取引と比較して、ティラーソン氏の中国との契約は福建省に大規模な精油・石油化学工場を1カ所建設するだけに限られている。
中国国有の中国海洋石油(CNOOC)で上級幹部を務めていた高志凱氏は「彼は中国政府指導部にはあまり知られていないと思う」と述べた。
ロシアの石油事業で磨かれたティラーソン氏の外交手腕は、6月のモスクワ訪問時にも発揮された。ティラーソン氏はその際、対ロ経済制裁によって同氏が2011年に仲介した北極圏での掘削契約や提携関係からエクソンが利益を得るのを阻止されたことについて聞かれた。
するとロスネフチのCEOでプーチン氏の腹心であるイーゴリ・セチン氏に言及し、次のように答えた。「制裁の質問については、友人であるセチン氏と同じアプローチを取ろうと思う。それは政府の問題であり、その質問に答えたい政府関係者がここにいるのなら、彼らにお任せする」
セチン氏は大笑いし、ティラーソン氏に対して親指を突き上げた。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiFiM_lz_PQAhWFE7wKHVqGDKUQFggiMAE&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12340534005287504876604582496122767319702&usg=AFQjCNG7D6eGkOFAc761kboISTsOjHT0eA
石油業界の大物らが米政権入りか−エネルギー新時代の夜明け示唆
Catherine Traywick、David Wethe
2016年12月14日 16:19 JST
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ペリー氏は過去に廃止主張したエネルギー省の長官に就任の可能性
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米連邦最高裁判所が1911年にジョン・ロックフェラー氏率いるスタンダード・オイルの解体命令を出して以降、米エネルギー業界は連邦政府と対立してきた。石油大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)が国務長官として承認されれば、そのエネルギー業界の大物がトランプ次期政権入りすることになる。
ティラーソン氏らエネルギー業界首脳や関係者の政府高官への起用が発表される中、業界全体はシャンパンのコルクを抜くほどの喜びようだろう。議会に承認されれば、石油資源が豊富なテキサス州の前知事であるリック・ペリー氏がエネルギー長官に就任する。ペリー氏は過去にエネルギー省廃止を主張しながら討論会で同省の名前を思い出せなかったことがあった。シェール業界のお膝元、オクラホマ州司法長官で気候変動について懐疑的な見方をしているスコット・プルーイット氏は環境保護局(EPA)長官に起用される可能性がある。
ティラーソン氏
ティラーソン氏 Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg *** Local Caption *** Rex Tillerson
米エネルギー会社、ヘスのジョン・ ヘスCEOは、「石油とガスは将来の経済の原動力だ」と指摘。トランプ次期大統領の人選を称賛するとともに、トランプ氏は「エネルギーが極めて重要であることを非常に明確にした」と述べた。
税金問題や反トラスト法(独占禁止法)に関連する課題、環境規制、連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)の下での倫理的監督をめぐって数十年にわたって連邦政府と対立してきたエネルギー業界にとって、これは驚異的な変化だ。特に、オバマ政権とは8年間にわたって敵対し、石油大手は政策中枢の蚊帳の外に置かれてきた。
ヒューストン大学グティエレス・エネルギー経営研究所のディレクター、クレイグ・ピロング氏は「現政権からは明らかに180度の転換だ。世界最大のエネルギー会社の代表が国務長官に就任すれば、石油大手が権力と影響力を持ち、情報に基づいた提言を行うようになることは避けられない」との見方を示した。
原題:Oil Men Take Washington and Signal Dawn of New U.S. Energy Era(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-14/OI5SK96JTSED01
ウォール街に「過度の熱狂」か−モルガンS社長発言で株価が日中安値
Hugh Son
2016年12月14日 09:25 JST
債券・株式関連の手数料はわずかに上がっているにすぎない−社長
ケレハー社長はブルームバーグテレビジョンのインタビューで発言
モルガン・スタンレーのコルム・ケレハー社長は13日、ウォール街でトレーディング収入の回復が持続すると宣言するには時期尚早との認識を示した。
ケレハー社長はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「今現在の好調さについて過度の熱狂が少々あるようだ」と発言。「基調的な流れを見れば、特に大統領選以降はもちろん上向いた。だが、債券や株式関連の手数料収入は今年これまでにわずかに上がっているにすぎない」と説明した。
大統領選での予想外のドナルド・トランプ氏当選を受け、法人税減税や利上げのほか、銀行規制緩和の可能性への期待が高まったこともあり、大手投資銀行は今年、債券トレーディング収入が4年ぶりに伸びるペースとなっている。年初好調だったことも寄与しそうだ。
ケレハー社長は「2017年や18年について前向きかと問われれば、答えはイエス。債券・為替・商品の収入は昨年第3四半期の低水準で底を付けただろうか。それは間違いない。規制の面でも何らかの追い風があり得ると私は考えているだろうか。それもイエスだ」と語った上で、「だが、これらは今年第4四半期のイベントではない」と締めくくった。
こうした発言を受け、モルガン・スタンレーの株価はこの日の安値をつけて1.9%安となった。13日の終値は1%安の42.56ドル。
原題:Morgan Stanley’s Kelleher Sees ‘Over Exuberance’ on Trading (2)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-14/OI5CZS6KLVSM01
中国:11月のファイナンス活動、拡大−当局が年末に向け景気支援
Bloomberg News
2016年12月14日 16:55 JST
経済全体のファイナンス規模は1兆7400億元−市場予想1兆1000億元
新規融資は7946億元に増加−M2は前年同月比11.4%増
中国経済全体のファイナンス規模が11月に増加した。年末に向けた景気支援策として当局が金融システムへの資金供給を増やしたほか、不動産価格の抑制措置を通じリスク軽減も図られた。
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した11月の統計によれば、経済全体のファイナンス規模は1兆7400億元(約29兆円)に増加。ブルームバーグ調査の予想中央値は1兆1000億元、10月の実績は8963億元だった。
新規融資も7946億元と、前月の6513億元から増えた。マネーサプライ(通貨供給量)M2は前年同月比11.4%増。10月は11.6%増だった。
UBSグループの中国経済調査責任者、汪涛氏(香港在勤)は最近のリポートで、「6.5%成長達成に向けた政府のコミットメントは、継続的で急速な与信拡大を必要とするだろう」と指摘。「経済成長率が低過ぎる恐れがある場合は、いつでも与信条件が緩和される公算が大きい」との認識を示した。
原題:China Credit Expands Most Since March as New Loans Rebound (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-14/OI5ZUY6K50XT01
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